2015年7月22日 (水)

終局直後

P72206930_2(勝った羽生王位はスコアを2-0に)

インタビューの模様です。

――まず、分かれはいかがでしたか?

羽生 (54手目)△1一玉と引かれたらもうやるしかないと思っていましたが、あとは一直線に負けになるかもしれなかったので、ちょっと怖かったです。他の手が見当たらなかったので、これでどうなるか、という感じで指していました。

――金が出てきて73手目▲4四金と寄った辺りでは?

羽生 端(76手目△9五歩)を突かれて、やはり容易じゃない気がしましたね。△9五歩が想像以上に厳しかったので、はっきりしないと思いながら指していました。

――終盤が長く続きましたが、終盤を振り返っていかがですか?

羽生 ▲4四歩(103手目)の瞬間はあまり成算がなかったのですが、他の代わる手もよく分からなかったので、思い切って行きました。

――自玉が詰む、詰まないで危ない変化もあったと思うのですが?

羽生 そうですね。歩が成って(111手目▲4三歩成)、詰まなければちょっと残っているんじゃないかなと思っていました。

――最後はどの辺りで勝ちを意識されましたか?

羽生 (113手目)▲7七金で、最後は勝ちかなと思いました。

――この勝ち星で、通算1320勝で(現役最多勝の)加藤一二三九段の記録に並びました。その記録について一言いただければと思います。

羽生 そうですね。これを励みに次を目指していくというところですかね。

――ありがとうございます。

P72207150(敗れた広瀬八段は連敗スタートで苦しい立ち上がりとなった)


――次に広瀬八段にお願いします。後半、受ける展開になったのですが、あの辺りはいかがでしたか?

広瀬 作戦でもありましたし、この展開ではしょうがないところもあったと思います。途中から消去法で手を選んでいったような感じで、終始自信はなかったですね。

――終盤は長かったのですが、際どい変化もあったと思います。いかがだったでしょうか?

広瀬 やはり駒が少しずつ足りないかなという……。

――ありがとうございました。

P72207010