形勢は細かく揺れ動いているようですが、上の▲3五同角の局面は後手が指せると見られています。後手玉の穴熊の遠さが生きる展開です。
「縦から攻める形だと遠さはそれほど生きなかったのですが、横から攻めるとなると8二竜の存在も大きいです。少し前(105手目)の▲2三歩成が、縦の拠点を消す手になった気がします」と畠山鎮八段は話しています。しかし先手は残り8分。時間切迫が心配です。
(再開時に考え込む西山朋佳女王・女流王将)
(翔)
図は▲7七金と、5八にいた金を2回動かして竜に当てた局面です。ここで竜を逃げるしかないのでは、先手がやれるのではないかと言われています。竜を逃げると▲4五金と桂馬を取られます。
後手は数手前に△4五桂と攻めるのではなく、竜を引き上げて3四歩を取りにいくのが優ったようです。
(大盤解説会の休憩中に村田智七段と室田女流二段が戻って検討する)
図は伊藤女流名人が△5三桂と打ったところです。
△5三桂では△2五桂打もありましたが、伊藤女流名人は4五に戦力を集中させていきます。ここで▲3六銀は△5六歩と打たれるので、西山女王・女流王将は▲3四歩と取り込み、△4五桂左を許しました。
先手は3四のくさびを頼りに攻めをつなげていく狙いですが、形勢は後手優勢と見られています。
(再開時の伊藤沙恵女流名人。押し切れるか)
(昼過ぎ、控室に突如設置された謎の機械)
(焼き芋機だった。40分ほどで焼き上がるという)
(おいしそうなパッケージ。出雲市から控室に差し入れられた)
(焼き上がった芋。紅はるかの一種で島根県特産の「西浜いも」が使用されている。通常は土の中で育つサツマイモだが、西浜いもは砂浜で育てられるため、細く長く育ちやすいのが特徴)
図の△5七歩は勝負手と言われています。
▲5七同金は△8五桂▲同桂△同飛▲8六歩に△同角。そこで▲8九飛なら△6八角成とタダで角を取れるのが△5七歩の効果です。
本譜は▲5七同角と応じ、△8五桂▲同桂に△同飛と進みました。
「同じ駒(桂馬)の交換で手番を渡すので、指しづらいですが、女流名人が勝負に出ました」と畠山鎮八段は話しています。
西山女王・女流王将は手にした桂馬を1六に打ちました。
(開始前の伊藤沙恵女流名人)
図は対局が再開してから少し進んだ局面。伊藤沙恵女流名人は端から桂馬を活用しにいきました。
ここで西山朋佳女王・女流王将は▲2五歩△同歩に▲2四歩と動きました。
銀冠穴熊に対する急所の攻めですが、後手に歩をたくさん渡すので反撃される可能性もあります。伊藤女流名人はここで考えて、残り1時間になりました。
(対局開始前、目を閉じる西山朋佳女王・女流王将)
13時半から大盤解説会が始まりました。
(過去2年の出雲対局はオンライン配信のみで、3期ぶりの有観客開催となった)
(解説は村田智弘七段)
(聞き手の室田伊緒女流二段)
(立会人の畠山鎮八段がゲスト出演)
(YouTubeで配信されている映像に、出演者がコメントをしている)
日本将棋連盟YouTubeチャンネル
出雲市YouTubeチャンネル
★同じ映像が配信されています。
(将棋グッズ販売コーナー。今期の記念扇子などが販売されている)
(藤井聡太竜王、羽生善治九段、豊島将之九段のグッズも販売中)
14時になり、午後のおやつが出されました。
(14時のおやつはカヌレと紅茶)
(右がプレーン、左がティラミス)