2023年2月 4日 (土)

関根名人記念館(1)

千葉県野田市は「近代将棋の父」といわれる関根金次郎十三世名人(1868年~1946年)の故郷であり、将棋界と縁の深い土地です。関根名人は現在の将棋界の礎を築いた大人物で、日本将棋連盟の創立、自身の持つ十三世名人を返上しての実力制名人戦発足、木村義雄十四世名人ら後進の育成など、多くの功績を残しました。また、関根十三世名人の弟子で将棋連盟会長も務めた渡辺東一名誉九段も野田市の生まれです。
対局場の関根名人記念館は市の公共施設である「いちいのホール」の中にあり、関根十三世名人ゆかりの品を展示するとともに、来館者が使用できる対局室も設けています。当地で女流名人戦の番勝負が戦われるのは、3期連続14回目です。

【野田市】
http://www.city.noda.chiba.jp/index.html
【野田市観光協会】
http://www.kanko-nodacity.jp/
【関根名人記念館】
http://www.kanko-nodacity.jp/sekinekinenkan

Dsc_9605 (関根名人記念館入り口。原田泰夫九段の筆による看板が掲げられている)

Dsc_9607 (記念館前の廊下には、棋士の揮毫色紙がずらりと並んでいる。これでほんの一部だ)

Dsc_9604 (両対局者の色紙も今回の対局にあわせて用意され、入り口にいちばん近いところに飾られている)

Dsc_9610(こちらは伊藤女流名人の大師匠である五十嵐豊一九段の色紙。五十嵐九段は、関根十三世名人の門下だ。つまり、伊藤女流名人は関根十三世名人のひ孫弟子に当たる)

Dsc_9296 (記念館に入ってすぐのところには、関根十三世名人と阪田三吉贈名人・王将の対局時の写真が。立会人は小野五平十二世名人)

(睡蓮)

第3局は明日、千葉県野田市「関根名人記念館」で

伊藤沙恵女流名人に西山朋佳女王・女流王将が挑戦している第49期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負の第3局が、明日の2月5日(日)に千葉県野田市「関根名人記念館」で行われます。第1局と第2局を制している西山女王・女流王将は、本局で勝てば初の女流名人獲得となります。
対局開始は9時。持ち時間は各3時間。昼食休憩は12時から13時で、おやつは10時と14時に出されます。先後は第2局と入れ替わり、伊藤女流名人が先手番です。
本局の立会人は真田圭一八段、記録係は野原未蘭女流初段がそれぞれ務めます。現地大盤解説会担当は、解説が藤井猛九段、聞き手が山田久美女流四段です(観覧申し込みは締め切り済み)。解説会の様子は、日本将棋連盟のYouTubeチャンネルで動画中継が行われます。
本局の中継は、棋譜コメントを銀杏、ブログを睡蓮が担当いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

【スポーツ報知】
https://hochi.news/shogi-igo/
【ユニバーサルエンターテインメント】
https://www.universal-777.com/corporate/culture/shogi/

【棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/kifu/49/joryumeijin202302050101.html
【大盤解説会動画中継ページ】※解説会は13時開始で、それまでは対局室映像を配信
https://www.youtube.com/watch?v=gM22lV3suW0

(睡蓮)

2023年1月22日 (日)

ご観戦ありがとうございました

第2局のご観戦、ありがとうございました。

なお西山朋佳女王・女流王将は本局で今年度41勝目をあげ、年度勝利数の歴代最多記録を樹立しました。

参考:歴代ベスト記録・ランキング成績 女流棋士(日本将棋連盟)

第3局は2月5日(日)に千葉県野田市「関根名人記念館」で行われます。

西山朋佳女流二冠が伊藤沙恵女流名人に競り勝ち2連勝!タイトル奪取に王手】(スポーツ報知)

(翔)

感想戦

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(感想戦)

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(西山朋佳女王・女流王将)

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(伊藤沙恵女流名人)

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(駒がぶつかったあたりから検討が始まっていた)

(翔)

対局者が大盤解説会、YouTubeに出演

インタビューのあと、対局者は大盤解説会場に移動し、会場で行われているYouTube配信に出演しました。

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(大盤解説会場に移動する対局者)

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(大勢のお客さんが残っていた)

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(室田伊緒女流二段と西山朋佳女王・女流王将)

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(伊藤沙恵女流名人と村田智弘七段)

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(出演を終え、再び対局室へ向かう)

(翔)

終局直後

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(終局直後)

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(勝った西山朋佳女王・女流王将。奪取まであと1勝)

【西山朋佳女王・女流王将インタビュー】

--序盤の作戦で飛車を振ってから戻す形(39手目▲2九飛)でしたが、作戦はどのように考えていましたか。
「やってみたい作戦でした」

--中盤▲1六桂(69手目)の形勢判断はいかがでしたか。
「うまい組み合わせで▲6五歩と突きたかったのですが△3三角が厄介で、本譜では形勢を損ねてしまったかなと思っていました」

--終盤は攻め合いの展開になりましたけれども、よくなったと感じた部分はどのあたりでしょうか。
「▲3一銀(127手目)が詰めろで入ったので足りたかなと思いました」

--勝ちを確信したのはどこでしょうか。
「▲6七玉(137手目)と逃げて、王手が続かないので勝ちになっていると思いました」

--一局を振り返ってください。
「争点が多くて難しい将棋と思っていて、本譜はちょっと苦しいと思うのですが、玉の広さが幸いして勝負になったところもあったと思いました」

--開幕2連勝となりました。
「結果は幸いしていますが内容は負けの内容なので、しっかり反省して次局以降に挑みたいと思います」

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(西山女王・女流王将がインタビューを受ける間、上を見ていた伊藤沙恵女流名人)

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(伊藤女流名人)

【伊藤沙恵女流名人インタビュー】

--序盤、西山さんの作戦に対しての対応はいかがだったでしょうか。
「どこかで▲2五歩と仕掛けられる順を警戒しながら組む形になったと思います」

--昼食休憩明けに△5七歩(64手目)とたたきましたが、形勢はどう見ていましたか。
「いろいろあるのかなと思っていました。形勢は難しいと思っていました。」

--△4五桂左(88手目)と跳ねたあたりはどう見ていましたか。
「攻めの組み合わせ次第で何かあるという感じはしていました」

--攻め合いになり、どのあたりで難しさを感じたでしょうか。
「竜を引き上げる展開(100手目△8二竜)になってから、ミスが続いた気がしています。その前に何か手段があった気がしています」

--一局を振り返ってください。
「序盤から仕掛けてくる順を気にしつつ進めていたのですが、何か手段があったような中盤、終盤だった気がしています。ただ見つけられなかったですね」

--次局への抱負をお願いします。
「苦しい星取りにはなりましたが、自分のできる限りのことをやりたいと思っています」

--残り時間が少ない終盤戦でしたが、そのあたりの苦しみはありましたか。
「最後のほうは先手玉が見えない形になってしまい、その前にという感じではあったのですが。考えたいときに考えたという感じなので、ある程度仕方ないかなという気がしています」

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(対局者がインタビューを受ける)

(翔)

西山挑戦者が2連勝

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第49期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負第2局は、139手で西山女王・女流王将が勝ちました。終局時刻は16時48分。消費時間は▲西山2時間29分、△伊藤2時間58分(持ち時間各3時間)。

この結果、五番勝負は西山挑戦者の2連勝。第3局は2月5日(日)に千葉県野田市「関根名人記念館」で行われます。

(夏芽)

先手勝勢

先手が抜け出したようです。

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図の▲3一銀は▲2二銀成以下の詰めろ。△3二金と受けても▲4二成香が▲2一角以下の詰めろになっています。先手勝勢です。

(翔)

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