第43期五番勝負第1局 Feed

2017年1月15日 (日)

おはようございます

Dsc_0330(今朝の岡田美術館。箱根町は肌寒いが快晴)

女流名人戦第1局は9時に対局が開始されます。本日もよろしくお願いいたします。

242 第1局のTwitter解説は村田智弘六段が担当します。
下記からお楽しみいただけます。

【日本将棋連盟モバイルTwitter】
https://twitter.com/shogi_mobile?lang=ja

(吟)

2017年1月14日 (土)

前夜祭 中締め

Dsc_0305 (小林忠・岡田美術館館長から女流公式戦通算600勝を達成、将棋栄誉賞を受賞した清水女流六段に花束が贈られた。清水女流六段は11月28日に東京・将棋会館で行われた第43期岡田美術館杯女流名人戦・女流名人リーグで甲斐智美女流五段に勝ち、女流棋士2人目となる女流公式戦通算600勝達成)

Dsc_0317(来賓代表あいさつは山口昇士・箱根町町長)

昨年に引き続き、女流名人戦の第1局が行われますことは、箱根にとって非常に光栄なことでございます。第93回箱根駅伝、読売新聞が主催ですけれども、無事に終わりました。そして報知新聞主催の、この女流名人が行われることは、町として非常にうれしいと思っております。先ほどから岡田美術館を見学された感想を述べておられました。岡田美術館は箱根に開館して3年ですが、いまや2000万人近く来られる観光客の中でも、岡田美術館を見学される方が増えている。箱根にとっては大事な施設でございます。その岡田美術館の冠名をつけて女流名人戦をやっていただくということは、あの素晴らしい雰囲気の中で熱戦を繰り広げていただけるのではないかと、期待をしているところでございます。昨年は大涌谷の火山活動が7月まで続きました。皆さんにはたいへんご心配をいただきました。全国からご心配、あるいは応援しているよというメッセージをいただきました。皆さんの前で感謝を申し上げたいと思います。先ほど、里見女流名人に「心配ではなかったですか」とお聞きしたところ、「対局に集中していたので何も心配なく、いい将棋が指せました」ということをいっていただきました。本当にありがとうございました。7月にはロープウェイが全線開通し、大涌谷も入ることができ、黒たまごも食べることができ、普通の箱根に戻ってきました。これからも箱根にお越しいただければと思っております。

Dsc_0323 (中締めは青野照市・公益社団法人 日本将棋連盟専務理事)

皆さまと親しくお話をさせていただきました前夜祭、名残惜しいですけれども中締めの時間ということで、ごあいさつを申し上げます。昨年よりも倍の数、こうしてお越しいただきましたファンの皆さまに、感謝申し上げます。本当にありがとうございます。女流名人戦は第43期と長い歴史がありまして、この女流名人戦が女流棋士、女流プロを作ったといっていいと思います。女流棋士の第1期が私の現役生活の始まった年と同じということで、非常に思い入れの深い棋戦でございます。私も美術館にちょくちょく行っていまして、焼き物が好きなのですが、まるで上海美術館のような気がします。見ていない方がいましたら、見ていただきたいと思います。明日の対局、解説会とともに、この五番勝負、注目していただければと思います。


本日の更新は以上です。明日の女流名人戦第1局をお楽しみに。

(書き起こし・文、写真・吟)

前夜祭 対局展望

Dsc_0228 (左から飯野女流1級、室谷女流二段、清水女流六段、森下九段、相川女流初段。5人が対局の展望、岡田美術館の感想などを語った)

Dsc_0238 (清水女流六段)
明日、立会人を務めさせていただきます、女流棋士の清水市代です。どうぞよろしくお願いいたします。向かうところ敵なしで、ひたむきに将棋に向かい、進化し続ける里見女流名人が、その実力を遺憾なく盤上にどう発揮してくるか。彼女はチャレンジという言葉を胸に秘めているような気がします。新しい里見香奈を見せよう、という気持ちをたいへん強く感じるので、いままで見たことのない里見女流名人の将棋が見られるのではないかなと、私もたいへん楽しみにしております。挑戦者の上田女流三段は、小さいころから女流棋界で暴れん坊のように活躍をされていて、才気煥発というイメージだったのですが、いい伴侶を得られて、家庭を持たれてから、柔らかさというものが出てきた気がします。先ほどの上田挑戦者のごあいさつの中でも、岡田美術館さんの展示に愛情を感じたとおっしゃっていました。そうした柔らかさが盤上に出るのではないかと思っております。
私は昨年も岡田美術館さんを見学させていただきまして、対局前だったんですけども、心が洗われるような気持ちで、歴史があるものは初心者でも心に響くんだなと教えられて対局に臨めました。そして勝利に結びつけることができました。岡田美術館にはいい思い出しかないんですね。昨年とは違う作品がたくさんありまして、懐の広さに驚かされました。事前に団体行動なので注意事項があったのですが、時間も限られていますので、ひとりだけ別のフロアに見にいったりしないでくださいねと、多分私が注意されていたんだと思います。しかし、いい作品の前ではついついそういうことを忘れてしまいまして、また寺元副館長がたいへんいい方ですので、こっそり説明していただいて、とっても有意義な時間を過ごさせていただきました。きっと対局者も明日への大きなエネルギーをいただけたことと思います。

Dsc_0242 (森下九段)
皆さまこんばんは。清水さんのあいさつが素晴らしすぎてプレッシャーを感じております。先ほどのあいさつでうかがいましたが、里見さんが18勝1敗、上田さんが23勝6敗。私、この半年勝ったことがないんですよ。あやかりたいなというのが正直なところでございます。里見さんはここ7~8年でしょうか、圧倒的な強さを誇っておられますけれども、上田さんもお母さんになられて、いままでと違った力を身につけてこられたのではないかと思います。新聞のインタビュー記事で上田さんが「勝つしかない」とおっしゃっていました。それは本心ではないかと思います。私は「勝ちたい」なんですけども。明日は里見さんと上田さんの将棋を解説させていただきながら、お二人の勝つ力を分けていただきたいと思っております。私、箱根の地には数年前までたびたびおじゃましていたんですが、子どもが大きくなりましてから、ここ数年足が遠のいていました。今日は久しぶりにバスで箱根の山をぐるぐる登りまして、昔を思い出しました。また足繁く通わせていただきたいと思っております。
私、実は禁酒中なんですね。3年間の禁酒を誓いまして、ただ、いよいよ残り2ヵ月半になってまいりました。今日、このぐい呑みで一杯やったらいいなというのを眺めていましたら、1億まではいかないそうです、ということをうかがいまして、いやいやいやいや、これで一杯やりたいけど、ちょっと、ちょっと分不相応かなと思いました。また、最近は古代中国の本を読むことに凝っておりまして、日本でいいますと三種の神器、昔の中国では「鼎」といったらしいんですけども、「鼎の軽重を問う」という言葉がそこから来ているらしいんですが、写真では何枚か見たんですが、実物を初めて見ました。だいたい2600年から2500年くらい前というふうに説明書きにあったと思うんですが、これが鼎の軽重を問うの鼎だったんだなというのを間近に見まして、古代中国の方々に思いを馳せることができました。

Dsc_0268 (室谷女流二段)
昨年に引き続きましてこちらに来させていただきましたことをうれしく思っております。昨年、岡田美術館を見学させていただいたときは、全部見ることができなかったんですけれども、2回目ということで、じっくり見ることができました。何百年、何千年という昔のものが、いまもきれいに残っていることに感動しました。そのあとは今年も足湯に入りまして、大きな風神雷神図を拝見しました。
美術は疎くてですね、わからない点が多かったんですが、今年は小林館長がマイクで全員に伝わるように説明してくださいましたので、非常にわかりやすく、全部の作品をもう一回見たいと思えるようなツアーになりました。私は昨年この岡田美術館に来させていただいてから、本当にいい一年を過ごさせていただきました。ですのでまた今年もいい一年になるような気がします。皆さまもぜひ美術館を足を運んでいただいて、午前中に美術品を見ていただけたらと思います。

(飯野女流1級)
先ほど岡田美術館を見て回りまして、足湯に入りまして、こうしておいしい料理をいただいたりと、本当に幸せで贅沢な一日を過ごさせていただいております。明日の対局ですが、里見さんも上田さんもオールラウンダーなので、戦型がとても楽しみです。
美術館では歴史あるものを眺めていて、感銘を受けました。途中で将棋の駒を描いたお皿があって、そこに角、歩、桂、香、銀が描かれておりまして、なんでこの駒だったのかなと気になりました。全部は見きれなかったので、家族で一緒に来たいなと思いました。

(相川女流初段)
お二人ともいろいろな戦法を指されますので、明日の対局が楽しみです。岡田美術館では短い間ですがいろいろな作品を見ることができ、とても感動しましたので、今度は家族で来たいと思います。

(書き起こし・文、写真・吟)

前夜祭 お料理

Dsc_0103 (駒の形をしたパン)

Dsc_0105 (と金を発見)

Dsc_0148 (豪快な舟盛り)

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Dsc_0108

Dsc_0154 (フルーツタワー)

紹介したお料理は振舞われた一部です。

(吟)  

前夜祭 両対局者あいさつ

Dsc_0169 (里見女流名人のあいさつ)

皆さまこんばんは。本日は前夜祭に足を運んでいただきまして本当にありがとうございます。主催していただいております報知新聞社さま、特別協賛をいただいておりますユニバーサルエンターテインメントさま、岡田美術館さま、関係各位の方々に感謝しております。私がここ箱根に来るのは2回目になります。年が明けてまだ間もないですが、この女流名人戦第1局が初めての対局になります。明日は気を引き締めて自分の力をすべて出しきれるように頑張りたいと思います。上田さんは出産をご経験されて、たいへん努力されていると思います。上田さんのいいところを吸収して番勝負を戦っていきたいと思っております。今日、明日とお世話になりますが、よろしくお願いいたします。

Dsc_0177 (上田女流三段)

皆さまこんばんは。今期の挑戦者の上田初美です。よろしくお願いいたします。出産と子育てに集中した生活を送っている中で、久しぶりに皆さまの前でお話しさせていただくということで、たいへん緊張しております。まず、長年女流名人戦を主催していただいております報知新聞社さま、ありがとうございます。特別協賛をいただいておりますユニバーサルエンターテインメントさま、岡田美術館さま、地元箱根町の皆さま、タイトル戦に出場させていただく中で、たくさんの方々に支えられてこうした舞台に立っているんだなと感じております。皆さまには心から御礼と、明日、自分の力を出すことで、何かお返しできればと思っております。先ほど岡田美術館さまに行かせていただき、美術館の中を見学させていただいたんですけども、ひとつひとつ、愛情深く展示されていると感じました。いろいろな時代、いろいろな国の美術品が展示されているのを見て、将棋も共通する部分があるんじゃないかなと思いました。後々、何年かたったときに、このときのこのシリーズはいい将棋だったねとたくさんの方々に思い出していただき、愛されるシリーズにしたいなと思いました。里見さんは将棋にひたむきで真摯な方だと思っております。先ほど全力を出したいとおっしゃっていたんですが、私もその気持ちに負けないように真正面からぶつかっていきたいと思っております。今日、明日とお世話になりますが、よろしくお願いいたします。

Dsc_0218 (握手で記念撮影)

Dsc_0204 (記念品と花束を贈呈された両対局者は会場をあとにした)

(書き起こし・文、写真・吟)

前夜祭 開会

18時から箱根ホテル小湧園「蓬莱」で、前夜祭が開催された。

Dsc_0121 (主催者あいさつは早川正・報知新聞社 代表取締役社長)

第43期岡田美術館杯女流名人戦、いよいよ明朝、第1局が開催となります。新しい年を迎えまして、皆さまいろいろと忙しい中、前夜祭に大勢の方々にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。スポーツ新聞といいますと、野球を中心に回っているところが多いと思われるのですが、野球は終わってからが一大繁忙期になるんですね。日本シリーズが終わりますと、報知でいいますとゴールデンスピリット賞というプロ野球選手の社会貢献活動を顕彰するもの、その年の主要な競技のアスリートを表彰する報知プロスポーツ大賞というものもあります。あとは今年は主演女優賞に宮沢りえさんを選びましたけれども、報知映画賞、またゴルフ日本シリーズJTカップというように、これまで大きなイベントがずっと続きまして、年が明けると箱根駅伝、そしてこの女流名人戦、というふうに私どもは走り続けてまいりました。先週の初めは箱根駅伝、関東20校の学生ランナーが覇を競って大きなドラマを作ってくれましたけれども、この箱根駅伝に続いて女流棋戦の中で最も歴史のある女流名人戦を、昨年に続きましてこの地で開催できますことは、感激の極みでございます。今後、箱根駅伝とともにこの女流名人戦が箱根に春を招く名物イベントとして定着するように、努力を重ねてまいりたいと思います。どうかよろしくお願いしたいと思います。
昨年本棋戦7連覇を果たされて自身の記録を更新され、11月には五冠を達成された里見香奈女流名人にですね、激戦リーグを勝ち抜いてこられた上田初美女流三段、4期ぶりの対戦となりました。皆さんもよくご存じのとおり、前回は最終戦までもつれ込んで、特に最後の第5局は女流として初めて将棋大賞の名局賞特別賞を受賞した、記録に残る名勝負が繰り広げられました。将棋ファンにとってはこたえられない顔合わせになったと思いますので、両対局者には十分英気を養っていただいて、明日の対局に臨んでいただければと思います。

Dsc_0130 (続いて谷川浩司・公益社団法人 日本将棋連盟会長があいさつ)

第43期岡田美術館杯女流名人戦第1局の前夜祭にたくさんの方々にお越しいただきまして、本当にありがとうございます。初めに、長年女流名人戦を主催していただいております報知新聞社さま、特別協賛いただいております株式会社ユニバーサルエンターテインメントさま、また、昨年に引き続きまして素晴らしい対局場をご提供いただきました岡田美術館さまに厚く御礼を申し上げます。今期は里見さんと上田さんというとても楽しみな五番勝負になりました。里見さんは前期に引き続きまして今期も圧倒的な強さを見せておりまして、全冠制覇を目指す中で、今期の成績が18勝1敗、9割5分近い成績です。上田さんも出産をされて復帰したばかりで、リーグを7勝2敗の素晴らしい成績で挑戦者になられたわけで、なかなか研究をする時間がないというふうにおっしゃっていましたけれども、精神的なことがすごく安定しておられるのではないかと思っております。今期の成績も23勝6敗、8割近い成績で、女流棋界でいちばん勝っている2人の五番勝負ということになりました。先ほど社長からもお話がありましたように、4年前もこの2人で五番勝負が行われまして、その最終局が将棋大賞の名局賞特別賞を受賞しました。これは女流棋界始まって以来のことでございます。お二人には4年前以上の大熱戦、そして内容の濃い将棋を見せていただければと思います。2人のご健闘と、開催にあたりましてご尽力いただきまして関係者の皆さまに厚く御礼を申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。

Dsc_0140 (乾杯のご発声は小林忠・岡田美術館館長)

今日はお寒い中、多数この前夜祭にご臨席いただきまして本当にありがとうございます。私ども岡田美術館はユニバーサルエンターテインメントを本社として仰いで、この箱根小涌園の傾斜地に3年前ですね、開館いたしまして、昨年からユニバーサル杯の冠名を美術館に譲っていただきました。今年で2年目になります。いうまでもなく将棋は日本の古典文化として、たいへん長い歴史を持って発展してまいりまして、多くの将棋ファンの皆さまに広く愛されております。岡田美術館は日本文化、日本美術の伝統を守り、お伝えして、あわせて東アジアの美術文化に支えられてきたことを紹介する文化施設として箱根に開館いたしました。そこでこの伝統ある女流名人戦の第1局を担当させていただくという、たいへん光栄な役割を仰せつかって、里見女流名人と上田女流三段の熱のこもった対局が行われるということでわくわくしているところでございます。どうぞ皆さま、この女流名人戦五番勝負が歴史に残る対戦になりますよう、見守っていただけたらと思います。

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(書き起こし・文、写真・吟)

対局検分

Dsc_0102 (岡田美術館を見学した両対局者は「開化亭」で検分を行った)

Dsc_0087 (里見女流名人が駒袋を開けて、検分が開始された)

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Dsc_0096 (対局室の明るさ、空調の具合などが確認された)

(吟)
 

記念撮影

Dsc_0028 (両対局者が握手で記念撮影。岡田美術館、風神雷神図壁画の前で)

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Dsc_0041 (横山大観の「霊峰一文字」の前で、再び記念撮影)

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Dsc_0072 (検分前、開化亭のお庭にて)
 
※岡田美術館内は撮影禁止になっています。今回は特別に許可をいただいた場所で撮影しています。

箱根に到着

Dsc_0016 (前夜祭が行われる「箱根ホテル小涌園」に到着)

Dsc_0007 (関係者一行は「箱根ホテル小涌園」で昼食をいただく)

Dsc_0014 (関係者がいただいた昼食)

(吟)

第43期女流名人戦五番勝負 明日開幕

第43期女流名人戦(主催・報知新聞社 特別協賛・株式会社ユニバーサルエンターテインメント)五番勝負は1月15日(日)神奈川県足柄下郡「岡田美術館」で第1局を迎える。 里見香奈女流名人に挑戦するのは上田初美女流三段。今シリーズはどのような激闘が繰り広げられるのか。
立会人は清水市代女流六段、記録係は相川春香女流初段。現地大盤解説は森下卓九段、聞き手は室谷由紀女流二段、飯野愛女流1級が務める。 持ち時間は各3時間。先後は振り駒で決定される。

中継は棋譜コメント入力を文、ブログを吟が担当する。どうぞよろしくお願いいたします。

【スポーツ報知】
http://www.hochi.co.jp/hobby/shogi/joryumeijin/

【株式会社ユニバーサルエンターテインメント】
http://www.universal-777.com/corporate/culture/shogi/

【スポーツ報知・里見香奈女流名人】
http://www.hochi.co.jp/topics/20170109-OHT1T50210.html

【スポーツ報知・上田初美女流三段】
http://www.hochi.co.jp/topics/20170109-OHT1T50215.html

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