第36期五番勝負第1局 Feed

2010年1月24日 (日)

午後1時、対局再開

 12時50分過ぎ、清水女流名人が対局室に戻る。

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 そして午後1時、「時間になりました」の声に、周囲のカメラマンが動きを止める。「対局再開後の一手」を撮ろうと狙っているのだ。しかし数分経っても清水女流名人が指す気配はない。長考の予感。記者は10分ほどで対局室を後にした。

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まもなく対局再開

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 12時45分ごろ、里見倉敷藤花が対局室に戻った。盤面を見つめる表情が厳しい。検分時はやわらかい笑顔を見せていたが、今は勝負を意識した女流棋士の顔だ。

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 まもなく、対局再開。

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うどんとスープと

Imgp2090  清水女流名人の昼食は、「あつあつ煮込み吉田うどん(小鉢・いなり寿司・冷奴)」。小鉢はごま豆腐で、上にはカニの卵が添えられている。煮込みうどんは味噌で味付けがしてある。どれもおいしそうだが、天気のいい日なので冷奴が目を引く。喉越しを想像しただけでちょっと堪えられない気分になる。

Imgp2099  里見倉敷藤花の昼食は「本日のカップスープ」にフルーツとケーキ、紅茶。「あまり食べられないんです」と語っていた通り、軽めの食事である。「本日のカップスープ」はカリフラワーのスープ、カプチーノ仕立て。ホテルの方には「泡が消えないうちに撮ってくださいね」と言われた。どうやら泡がポイント、のようである。

 対局再開は午後1時から。

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昼食休憩

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 12時に昼食休憩となった。上の写真はその時点での盤面を写したもの。39手目▲8五歩の局面だ。

 本日使用している駒は大竹竹風作の巻菱湖。日本将棋連盟が創立80周年を迎えた際に贈られたもので、女流タイトル戦で使用されるものとのこと。

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 対局者のいない対局室は、緊張から解放され「ひとときの安らぎ」といった雰囲気。窓から入ってくる風が心地よい。座布団の上には、里見倉敷藤花がお守りとして愛用しているブルーのタオルが確認できた。

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穏やかな空

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 午前11時半過ぎ、中継カメラによる対局室の様子。画面下に穏やかな日差しが差し込んでいるのがわかる。観戦記者の蝶谷初男さんによると、「日が当たって清水女流名人の顔がいつも以上に白いです」とのこと。

 天気は快晴。空気も暖かく、早朝の凍えそうだった冷たさが嘘のよう。朝の赤富士もいいが、透き通った青い空の下で見る富士山もまた格別。青と白のコントラストが爽やかだ。

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清水女流名人、仕掛ける

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 図は32手目△8六歩の局面。先手から仕掛けがあるか、と検討されていた局面から2手進んで、なんと後手から仕掛けが飛んできた。

 ▲8六同角、▲8六同飛は△8五金で大駒が取れる。したがって▲8六同歩の一手に、△1五歩や△7四歩を組み合わせて攻める、という意味のようだ。清水女流名人の積極的な棋風が出た一手といえるが、果たしてうまく手になるのだろうか。今後の展開に要注目だ。

※局面をクリックすると大きい画像でご覧になれます。

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仕掛けのチャンスか

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 図は30手目△8四金の局面。この手に対して里見倉敷藤花が考えている。▲5八金左と陣形を整備するのが普通だが、この手をチャンスと見て仕掛ける順を考えているのかもしれない。

(※局面をクリックすると大きい画像でご覧になれます。)

Imgp2059_3  中継室には午前10時ごろ豊川七段が訪れ、その後入れ替わる形で本田女流二段が来訪。盤を使って棋譜を並べる。 すると再び豊川七段がやって来て、二人で盤を挟んでの検討が始まった。▲4五歩と仕掛ける手や、▲5八金左、▲3六歩などさまざまな手が出てきては、その後の展開がササッと並べられる。

 ▲5八金左に△5二金という手を豊川七段が指すと、本田女流二段が「はあー、金上がりですか……」と感嘆する場面も。

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(棋譜を並べていたら、豊川七段が来た! の図)

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戦型は三間飛車 対 棒金

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図は5手目▲7八飛の局面。里見倉敷藤花が選んだ戦法は中飛車ではなく三間飛車。本田女流二段は「第2局くらいにやるかな、とは思っていたんですが、まさか第一局で使うとは」と、興味深げにモニタを見つめていた。

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図は午前10時半ごろの局面。里見倉敷藤花が29手目に▲4六歩と突いたところだ。後手の清水女流名人の構えは棒金、別名「石田流破り」と呼ばれる手厚い布陣。8三の金で先手の飛車を押さえ込んでいく狙いがある。里見倉敷藤花は飛角をうまく捌けるかが勝負だ。

※局面をクリックすると大きい画像でご覧になれます。

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対局開始

先手を持った里見倉敷藤花の初手は▲7六歩。清水女流名人は一呼吸置いてから△3四歩。

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振り駒

 清水女流名人の手で駒箱が開けられ、駒が並べられた。ほどなく記録係の伊藤和夫三段により振り駒が行われ、と金が三枚出て里見倉敷藤花の先手に決まった。

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