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2016年1月

2016年1月23日 (土)

前夜祭(2)

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【主催者あいさつ】長岡秀人 出雲市長
「大変な寒波が近づいておりますが、そんな中でたくさんの皆さんがご出席をいただきまして、前夜祭が盛大に開催されますことを心から感謝を申し上げたいと思います。清水先生、ようこそ!今日は本当にこちらに来られるのかどうか、飛行機は無事に到着するのかなと心配しておりまして、いま安心したところでございます。また里見さん、元気な姿を見せていただいてありがとうございます。
里見さんが清水さんからタイトルを奪取して、その就位式で『里見さんが女流名人を保持し続ける限り、防衛戦は必ず故郷・出雲で開催します』と約束して以来、これで6回目の開催になります。そのうち清水さんとの対局はもう4回目になるということで、この出雲での開催になくてはならないおふたりと言えます。明日は歴史に残る、記憶に残る戦いが展開されるものと期待をしております。これから将棋ファンが世界にもっと広がり、その中で出雲出身の里見さんが大きく羽ばたいていただくことを、そしてその前に立ちはだかる大きな壁として清水先生がご活躍なさいますことを心から念じまして、ごあいさつと代えさせていただきます」

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【特別協賛社あいさつ】小林忠 岡田美術館館長
「『岡田美術館杯』と、聞き慣れない美術館の名前が冠につきましたが、特別協賛である株式会社ユニバーサルエンターテインメントの傘下にあります。社会貢献の文化事業を3年前の秋から始めたところで、まだヨチヨチ歩きの美術館でございます。心豊かな、盤上の平和な戦いをする、日本の伝統文化として親しまれている将棋の、女流名人戦という大変伝統ある棋戦にご縁をいただきまして、関係者のご理解に厚く感謝をするものでございます。女流棋士の最高峰の里見女流名人、清水女流六段、このおふたりの先生方がご健闘をなさることを心より期待し、お祈り申し上げます。関係者の皆さま、どうぞおふたりの対局を優しく見守っていただければと思います」

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(原成充 日本将棋連盟島根県支部連合会会長による乾杯)

(翔)

前夜祭(1)

18時半より出雲市「ニューウェルシティ出雲」で前夜祭が行われました。

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(大勢の方が参加した前夜祭)

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(両対局者が入場)

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【主催者あいさつ】石尾伸 報知新聞東京本社 執行役員ビジネス局長
「今日は多数の方にお越しいただきまして、ありがとうございます。雪模様ということで心配しましたけれども、無事に前夜祭を開催できることをうれしく思っております。今年から『岡田美術館杯』と名称を変えまして、先週は第1局を箱根で行い、大熱戦の末に清水さんが先勝されました。そして明日は第2局です。出雲には6年連続でお世話になりますが、地元であります里見さんが巻き返しをされるのか、それとも清水さんが奪取に王手という形に持ち込むのか。いずれにせよ熱い戦いを期待しております」

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【主催者あいさつ】東和男 公益社団法人日本将棋連盟 常務理事
「今日は岡田美術館杯女流名人戦第2局の前夜祭に、多くの皆さまにご出席をいただきまして、本当にありがとうございます。出雲で対局を行うのは恒例になっておりますけれども、今年は第2局になりました。里見さんのホームグラウンドで、挑戦者の清水さんにとってはアウェイになるかもしれませんが、おそらくご本人はまったくそう感じておられないと思います。清水さんは女流名人を10期務め、今回の挑戦をあわせると女流名人戦の登場は20回になるわけですね。数々の実績を積み上げられてきましたし、そのようなことに動じることはないのではないかと思っております。実際にほかのタイトル戦の防衛戦では『ただいま!』と言って、地元のファンの心を鷲づかみにしました。清水さんには瞬時にファンの心をつかむという魅力がございます。挑戦者の先勝で始まりましたが、仲間内では『清水さんの指し方に工夫がある』と言う人がたくさんいます。おそらく清水さんが『変身したお姉さんをご覧なさい、受けて立ってみなさい』と言われているのではないかと思っております。
里見さんは女流名人、タイトル四冠と同時に、奨励会三段という立場でもあります。皆さんはどちらも頑張ってくださいという気持ちでいっぱいでしょうが、戦う本人はそれらの対局で気持ちの持ち方が違うと思います。奨励会三段と言いましても、あくまで修行中の身です。勝たなければ、その後ろにあります『棋士』というものをつかみ取ることはできません。ですから奨励会ではなりふり構わずに自分のペースで戦いに臨めばいいのですが、女流タイトル戦ですとご支援をいただいている方やファンの目を背負って戦わなければなりません。明日の勝負の行方を、温かい目で見守っていただきたいと思っております」

(翔)

検分(2)

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(「出雲文化伝承館」の茶室「松籟亭(しょうらいてい)」が対局場。庭園にまだ雪はない。地元の方によれば「今日は普通の寒さ」だそうだ)

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(里見香奈女流名人が駒を収める桐箱のふたに署名を入れた)

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(清水市代女流六段)

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(落款を押して完成。フタはまだ加工前で、これから箱が作られる)

(翔)

検分(1)

当初、記念撮影を行った北島国造館に2時間ほど滞在する予定でしたが、あまりにも寒いため予定より1時間以上早い14時20分頃から対局室の検分が行われました。

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(14時20分頃から始まった検分)

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(里見香奈女流名人)

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(清水市代女流六段)

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(撮影用にふすまを開けた状態と、閉めた状態を確認。冷え込んでいたが、対局当日は暖房がさらに用意されるとのこと)

検分は10分ほどで終了しました。

(翔)

第2局は1月24日(日)島根県出雲市にて

皆さんこんにちは。里見香奈女流名人に清水市代女流六段が挑戦する第42期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負第2局は2016年1月24日(日)9時より、島根県出雲市「出雲文化伝承館」で行われます。

先手は清水女流六段。持ち時間は各3時間です。
立会人(大盤解説)は脇謙二八段、記録係は桝田悠介三段(井上慶太九段門下)、大盤解説会聞き手は室田伊緒女流二段が務めます。

Twitter解説は牧野光則五段が担当します。

本局の模様は棋譜・コメント入力を虹記者が、ブログを翔が担当してお届けします。どうぞよろしくお願い申し上げます。

(翔)

2016年1月17日 (日)

ご観戦ありがとうございました

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Dsc_0587 ご観戦ありがとうございました。第2局もお楽しみに。

(吟) 

 

感想戦

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Dsc_0723 (先勝した清水女流六段)

Dsc_0738 (里見女流名人は地元の出雲で巻き返しなるか)

Dsc_0751 (大盤解説会場から戻った両対局者は感想戦を行う)
感想戦は18時45分に終了した。

(吟) 

大盤解説会場へ

Dsc_0679 (主催紙にコメントを残し、両対局者はファンの前に顔を見せた)

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(吟) 

 

終局直後

Dsc_0620 (終局直後、多くの報道陣が両対局者を囲む)

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―― まずは序盤から振り返っていただけますか。

清水 まったく未知の局面になって、形勢判断がよく分からない部分がありました。何かポイントを挙げられそうだったのですが、 具体的な手順はよく分からないまま、振り飛車にさばかれてしまいました。

―― 昼食休憩の△1三角と出たあたりは?

清水 あの局面こそ、何かありそうだなと思っていたのですが、本譜では納得いかない手順でした。

―― 形勢を引き寄せたのは、どのあたりでしょうか。

清水 玉が薄く気が抜けなかったですし、時間もなかったので、あまりそういったことを考えている余裕はありませんでした。

―― △4二飛と打った局面の形勢判断は?

清水 飛車打ちで、そう簡単には寄せられないかなという感触はありました。

―― 具体的に勝ちを意識されたのは?

清水 勝ちとまではいいませんが、△6六金と打てて上部が厚くできて、手ごたえを感じ、希望が持てました。

―― 先ほど時間とおっしゃってましたが、プレッシャーなどはいかがでしたか。

清水 時間はあればあるに越したことはないのですが、時間を使わないとあの局面まで持っていけないと割り切って、ないなりに 指そうと思っていました。

―― 大きな先勝となりました。

清水 ようやくこれで番勝負が盛り上がるのではないかと思います。

―― 初の箱根でのタイトル戦、女流では初となる美術館でのタイトル戦を振り返っていかがでしたか。

清水 昨日から、地元の皆さまから大歓迎していただいて、それで気持ちがほぐれましたし、岡田美術館で過ごさせていただいた 時間は自分にとって、大きなプラスになったと思います。

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―― 序盤から振り返っていかがでしたか。

里見 振り飛車らしく指せていたのかなと思ったのですが、歩得がそんなに生きなかったですね。 ▲6八角~▲8六角は手順に当たるので、少しやりにくいかなと思いました。ただ▲7五歩~▲7六飛のあと、こちらも 6九金のままだったので、進んでみると自信がなかったですね。

―― 昼食休憩のあたりは時間を使っていましたが。

里見 ▲5八金と上がれないんじゃ、おかしいと思っていたので、やや指しづらいと思っていました。

―― 終盤は形勢がよくなった局面もあったと思うのですが。

里見 ▲5三歩成と成り捨てたのが、あまりよくなかったです。味消しになってしまいました。

―― 第2局以降の抱負をお願いします。

里見 気持ちを切り替えて、一生懸命指せたらと思います。

―― 地元に戻られますね。

里見 その点も含めて、盤上に集中したいと思います。

―― 箱根対局、美術館での対局の印象をお願いします。

里見 すごくいいところで、昨日はすごくリラックスして、今日も対局室は静かで、とても指しやすかったです。

(吟) 
 

清水女流六段が押し切って先勝

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△2七香成(投了図)に里見女流名人が投了。▲2七同玉△3五桂以下、先手玉は詰み。五番勝負第1局は清水女流六段が先勝しました。終局時刻は17時4分。消費時間は▲里見2時間54分、△清水2時間59分。第2局は1月24日(日)、島根県出雲市「出雲文化伝承館」で行われます。
(文)

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