第64期王将戦七番勝負第1局 Feed

2015年1月12日 (月)

第64期王将戦七番勝負第1局は渡辺王将の先勝となりました。
第2局は1月22日・23日(木・金)に島根県安来市「さぎの湯荘」で行われます。
どうぞお楽しみに。

Img_2016二の丸茶屋と天守閣。

Img_2012本局の棋譜。

第1局の中継はこれで終了いたします。
ご観戦誠にありがとうございました。

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Img_1858【渡辺王将の談話】
「▲5五銀左(59手目)はその局面になれば指そうと考えていた。難しい変化が多く、分かっていなかったのでやってみた。△3七角成(62手目)はあまり考えていなかった。飛車を取れて、▲2四歩と反撃できて自信を持った。始まったばかりなので、次もまた頑張りたい」

Img_1903【郷田九段の談話】
「▲5五銀左は潜在的に考えていたが、対局中は忘れていた。指されてまずいと思った。指せると思ったところはなかった。少しずつ足りない。端を攻めたのは指しすぎだったかもしれない。▲5五銀左が見えていれば考えていたかもしれない。ずっと悪いが飛車を取られてからはダメですね。第2局からは巻き返しを図りたいです」

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渡辺明王将に郷田真隆九段が挑戦する第64期王将戦七番勝負第1局は渡辺王将の勝ちとなりました。消費時間は▲渡辺6時間51分、△郷田7時間54分。渡辺王将は3期連続で掛川対局を制しました。第2局は1月22・23日に島根県安来市「さぎの湯荘」で行われます。

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図の一手前に「△5七銀不成(詰めろ)なら先手はどうするのだろう」そう控室で言われていたところで、郷田九段は△2七歩と打ちました。


「なんで銀じゃないんだ。そうか……。△5七銀不成には▲2三飛成△同玉▲2四歩△同銀▲4三飛△同金▲4一角に合駒が飛車しかない(参考図)から詰みなんですね。そうか詰めろだったのではつらい。△2七歩には▲同飛で△6八桂成から清算しても角一枚ではどうしようもないし、これは先手がはっきり勝ちになったんじゃないかな」(青野九段)

Img_1697山内一豊の像。

96検討では▲6七玉と上がって受けの方針を続けると見られていたところで、渡辺王将は▲2四歩と攻め合いに転じました。それを見た郷田九段は△6六銀としばります。これは次に△7七金▲6九玉△6八桂成▲同飛△同金▲同玉△6七飛▲7九玉△4七飛成の狙いです。

大盤解説では、受けはないので先手は攻め合いに出ると断言されていました。先の変化の△4七飛成の局面の先手玉は詰めろでないため、そこでうまい決め手があれば先手が勝てそうと言われています。ただし、後手に駒を渡すと先手玉は途端に詰んでしまう恐れが高いため、まだ簡単ではありません。いずれにしろ渡辺王将が攻め合いに出たため、局面は終局に向かって動き出しています。

Img_1835大盤解説は神谷八段と中座七段が担当。図は現局面で仮に▲8一飛と下ろした場合の変化図だ。

Img_183817時過ぎの対局室の様子。間もなく日が暮れる。

8716時頃の局面。少し前まで後手が攻めを続ける手段が見つからないと言われていましたが、図の▲7七銀の局面では、後手の攻めが意外にうるさいと見解が変わっています。形勢判断としては「先手がいいはず」と言われていますが、その具体的な手段が分からないという状況です。

Img_182716時過ぎ、ニコニコ生放送に電話出演する中座七段。木村一基八段と意見を交換している。

Img_182415時20分過ぎの控室では、神谷八段と中座七段が検討中。
「攻めが細いなー、細い!」(神谷八段)
「うーん……細いですねえ」(中座七段)

Img_1823煮詰まる検討陣をねぎらうおやつが提供された。

81図は15時20分頃の局面。
焦点は後手の攻めが続くか否かに絞られています。後手玉が手つかずで堅いため、続きさえすれば後手が優勢。しかし、攻めが細く、切れる可能性が高い。控室の検討では、後手の攻めが続く順がいまのところ見つかっていません。

Img_1712掛川城天守閣に展示されている軍配。第1局の軍配は果たしてどちらに上がるか。