第63期王将戦七番勝負第1局 Feed

2014年1月13日 (月)

G002 (渡辺明王将は先勝で2連覇に弾みをつけた)

(前例のある展開だったが)流行している形なので仕方ないかと思いました。▲6六桂(の長考)では他の手も考えたがダメそうです。
本譜は予想していました。変化が多い将棋ではないので。午後のはじめくらいまで考えていた。▲2三銀と打ったあたりはこちらは手段がなく、受け切られたらという将棋になった。途中は足りないと思いながら指していました。
最後は詰まされたら仕方がないと思っていました。かなり危ないので読み抜けがあっても仕方ないと。ただ、他は負けそうなので。(対局を振り返って)定跡形なので分かれがどうだったか。

G040 (敗れた羽生善治三冠)

負けた将棋だが、もう一回持ってみたかった。
いろいろ考えてみると、危ない変化が多くそれほど成算があったわけではないです。変化はあったが、どう進むか予想できませんでした。
終盤の△8五桂でもう少しマシな手があったかもしれません。難しいと思いましたが、まとめ方が分からない将棋でした。

G049 (終局直後にインタビューが行われた)

G160 (本格的な感想戦の前に大盤解説会場へ。ファンの前で対局を振り返った)

G126 (大勢のファンが対局者の到着を待っていた)

140112_135

渡辺明王将に羽生善治三冠が挑戦する第63期王将戦七番勝負第1局は18時48分、135手で渡辺王将の勝ちとなりました。渡辺王将は初防衛に向けて好スタートを切りました。消費時間は▲渡辺7時間43分、△羽生7時間57分。
第2局は1月23・24日(木・金)に栃木県大田原市 「ホテル花月」で行われます。

134羽生三冠は銀で追いましたが、▲6五玉でも▲6七玉でも捕まりません。青野九段は▲6七玉△4九角▲5七玉を示して「なにもないですね」とぽつり。終局が近いとみられています。

122羽生三冠は△8五桂を決断しました。今度は渡辺王将が考えています。控室の見解は▲6六金で先手玉に詰みなし。後手の勝ち筋は見つかっていません。

F062

121図の局面で羽生三冠が考えています。△5七角成が△7九銀以下の詰めろになりますが、どこかで手を戻されても先手よしが検討陣の見解。よって攻め続けるなら△8五桂ですが……。

121s1△8五桂▲6六金△7七銀▲同桂△同桂成▲同玉△8五桂▲6七玉△5五桂▲同金△6六歩▲同玉(参考図)の局面。先手玉はいかにも危ない形ですが、控室では詰みが見つかっていません。ちなみに参考図直前の先手の3手は絶対手で、それ以外はすべて詰みます。

F004 (16時55分ごろの対局室映像。羽生三冠が考えている)

E003
真田七段は先ほど紹介した▲6六銀打△同飛▲同銀△同角▲7七金の変化図に頭を悩ませています。「後手の意図していることがわからない」と何度も話していました。

E009
▲7七金の変化で後手の持ち駒は12枚。しかし横に利く駒がありません。これも後手の悩みの種でした。
ところが実戦の進行は△5五同角に▲6六金。これは後手の駒台に金がのります。先手の読み筋はなにか。真田七段は再び「わからない」とつぶやきました。ただ、先手は下から後手玉を追っていく展開があるので、銀を残したほうが攻めやすいという理屈はあるようです。

117

115羽生三冠は図から△5五同角と取りました。以下▲6六銀打△同飛▲同銀△同角▲7七金(参考1図)の局面は後手の寄せが見つかっていません。ちなみに手順中の▲6六銀打に△同角▲同銀△同飛は▲3三金△同玉▲2二角が王手飛車取りで先手よしです。
「△5五同角は成算があって踏み込んだはずですが、具体的な手順がわからない。もし負ければ敗着になりかねない手です」と真田七段。仮に参考1図で角を引くしかないなら、図で△5二銀(後述)がよかったのではないか、というのが検討陣の意見です。

115s1

控室では△5五同角ではなく(2)△5二銀▲6一竜△同銀▲2一飛△2二銀▲6一飛成△5五角▲6六銀打△3三角(参考2図)が検討されていました。後手は駒をボロボロと取られますが、角の利きで勝負しようという順です。それで難しい勝負と考えられていました。

115s2