第62期王将戦七番勝負第3局 Feed

2013年2月17日 (日)

対局翌日に、大船渡市内や隣接する陸前高田市の写真を撮りました。いくつか取り上げます。震災の爪跡は深く、道のりが相当に長いことを感じましたが、復興へ向けて少しずつ進んでいることも感じました。

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(大船渡プラザホテル前の通りは大船渡駅前であり、メインストリートだった)
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(大船渡駅は現在、BRTのバス停に作り替えられている。ショベルカーのあるところが以前のホームだった)
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(水飲み場は津波の被害から耐えた)
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(大船渡プラザホテル周辺。左側にホテルが見える。右奥に緑のフローティングドックは大船渡湾に接している。下側に映る国道45号線とは600メートル近く離れている)
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(上の写真からほど近いガソリンスタンド)



こちらは陸前高田市の様子です。
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(陸前高田市も震災で大きな被害を受けた。以前の市街地)
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(市役所の解体。付近はがれきが多く残っていた)
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(道のりはあまりにも長い。でも、少しずつ着実に前に進むべく、力を尽くしている)

2013年2月14日 (木)

第62期王将戦七番勝負第3局をご観戦いただき、ありがとうございました。
佐藤王将が前期王将戦七番勝負第1局の▲5七玉をほうふつとさせる力強い玉さばきで快勝。待望の初白星を挙げました。
佐藤王将がタイに持ち込むか、渡辺竜王が突き放すか。注目の第4局は2月19・20日(火・水)、栃木県大田原市「ホテル花月」にて行われます。
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(対局室に戻っての感想戦は25分程度行われた)
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(佐藤王将のおやつは手付かず。このおやつは上村四段が食べました)
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(本局の棋譜)

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(二人で大盤を動かしての感想戦)
20130213_62佐藤 「本譜は怖いんですけど。(第1図で)先に▲8五歩は△同飛で悪いです」
渡辺「いや、△9四飛のつもりでした(笑)」
佐藤「えっ、そうなんですか?」
渡辺「基本的に玉が突っ込んで来ないと思っていました」

20130213_sanko3佐藤「▲8五歩△同飛▲8六歩△9五飛に▲8七玉(途中図)と上がって、△9八歩成は▲同香△同香成▲9六歩で受け切れると思ったのですが、▲8七玉に△9八角(参考図)と打ち込む手を気にしたんです。すごい手なんですが、ないですか? さすがに。でも、後手の飛車を追えないので結構大変なんですよね。本譜の▲8七玉はこの変化を消した意味があります」
大胆にして繊細な読みが佐藤王将の特徴といえるでしょう。
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(両対局者はインタビューを受けた後にファンがいる大盤解説会場へ)
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(大盤解説会場で局後のコメントと感想戦を行った)
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(佐藤王将は「受け身の形になりましたが、強気強気といいますか前に出る感じでいったのがよかったかなと思います。▲8八玉は図々しい手かなとは思いましたけど」、渡辺竜王は「強く受けられて、攻めさせられた感じになりました。端を攻めたんですけど切れてしまいました」と感想を述べた)

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「横歩取りは作戦でした。あまり前例のない将棋でした。▲5六角(37手目)への対応を間違えた気がします。銀の処置に困ったというか…。本譜結局2手損みたいになった。最初から△2五銀と出ずに指すべきだったような気がします。こちらは端攻めを行くしかない形になった。ただ、代わりにこうやったらという手もなかったような。結果的に攻めがうまくいかない形だったのかなというのがいまの感想です。第4局はまたあらためて頑張りたい」

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「横歩取りは予想の一つでした。自陣角を打ったのですが、うまく働くかどうかを考えていた。ちょっと受け身かなと思っていた。玉で端攻めを受けるのは前々からの予定でした。つぶされたら仕方ないと思っていました。(成否については)変化が多くて分からないことも多かったです。▲8五桂(83手目)を打って負けにくい形になったと思いました。(大船渡での対局について)その時々で全力を尽くして自分らしい将棋を指せればと思っていました」

20130213_95 佐藤康光王将に渡辺明竜王が挑戦する第62期王将戦七番勝負第3局は17時7分、95手で佐藤王将の勝ちとなりました。消費時間は▲佐藤7時間25分、△渡辺6時間48分。この結果、七番勝負は佐藤王将の1勝2敗に。第4局は2月19・20日(火・水)、栃木県大田原市「ホテル花月」にて行われます。

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(渡辺竜王が83手目▲8五桂に考えている)
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(大盤解説会場では佐藤秀七段が「渡辺竜王は自玉が攻められているわけでもないのに、なぜ悪くなったのかと思っているかもしれません。まだ、本格的な戦いって起きていないんですよね。2四銀を相手にせず、左辺で戦う佐藤王将の感覚はさすがだと思います」と話していた)

20130213_83 佐藤王将は▲8五桂と駒を足して、玉を安全にしながら▲7三香からの成駒量産体制を整えました。▲7三香に備えて△4二金上なら▲9四玉△9七歩成▲9三玉と入玉して少しずつポイントを挙げていきます。後手陣という場所で新しい街をつくるかのよう。
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(不思議な標識。裏は?)
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(交通安全を呼びかける標識。将棋も危険が多い。不注意に気をつけたい)