2012年7月11日 (水)

藤井九段、粘りの勝負手

1_67▲6九歩(図)に深浦九段が押し殺したような悲鳴をあげた。ここで△1七歩成が無条件で入るからだ(▲同香は△同香成▲同玉△1九飛で寄り筋)。実戦は△1七歩成▲3九玉△6一竜と進んだ。深浦九段は「すごい手ですね。今までは振り飛車らしく筋よくいった手が裏目に出てしまっていましたが、▲8七角から▲6九歩は、非勢を認めて粘りに出ています」と話す。この底歩は受けの勝負手だ。角を投資して自陣から竜を追い出し、「もう一勝負」のすごみを利かせている。もはや形勢が明確に後手よしであることは疑いない。藤井九段の粘りは実を結ぶだろうか。

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(文)