2026年3月26日 (木)

花束贈呈
(記者会見の前に花束の贈呈)

花束贈呈
(プレゼンターは同門の今井絢女流初段)

5連覇
(フォトセッションの1枚。5連覇を祝して)

記者会見

――1勝3敗の土俵際から防衛。いままでの防衛と比較してどういった心境か。
藤井 1勝3敗でシリーズとして厳しい状況になってしまい、少しでも長く七番勝負を続けられればという気持ちでやっていました。結果として防衛できたということは非常にうれしく思いますし、また幸運でもあったかなと感じています。

――第7局はどのあたりまでが想定か。
藤井 40手目△7五歩と仕掛けられる手をいままで考えたことがなかったので、そのあたりから一手一手が難しいと思っていました。桂得ですが壁銀で馬を作られるので、判断が難しかったです。ただ57手目▲3五歩と突いた手に期待をして、際どいですけどこちらも楽しみのある局面なのかなと考えていました。

――第5局から3連勝、内容も含めて第4局までと異なるものを表現された。その間に何か変化はあったか。
藤井 第4局まで結果も、内容的にもかなり押されていて、第5局も中盤でミスが出て苦しい形勢でした。結果としてそれを勝てたのが大きかったと、改めて振り返っても感じます。第6局、第7局と内容的にも上向きにできたのかなと感じています。

――対局1日目の朝にinゼリーが右側にあると気づかれた。違和感があったのか。
藤井 第5局からそういう形にとしていたので、今回も同様にということで。深い理由があるというわけではないですが、カメラに映るような位置にとお伝えはしました。

――年末の会見で、今年の目標「歴史に残るような対局、棋譜を残す」と仰った。本シリーズはどうか。
藤井 このシリーズを振り返ると、結果は幸いしましたけど、内容は永瀬九段にうまく指されて、チャンスを作れない将棋もありましたし、そういう課題も多く残ったのかなと思っています。シリーズを長く続けられればという気持ちで指していて、実際にフルセットに持ち込めて自分としてはよかったかなと感じています。

――第5局から流れが変わった。その対局はどのような気持ちで臨んだか。具体的にどのようなところが大きかったか。
藤井 その前に棋王戦五番勝負第3局と叡王戦トーナメントでいずれも敗れてしまったので、あまり自信の持てる状況ではないかなと思っていました。苦しさを感じる局面もありましたが、終盤は際どいですけどしのげている展開にできました。内容的には反省点も多い将棋でしたが、そこで1勝を返せたことで気持ちとしては上向きになり、第6局と第7局によい状態で臨めたかなと思います。

――普段スコアは気にしないと仰る。今回ほどの大逆転、メンタルはどうだったか。
藤井 第5局の前の時点では、客観的に見ても厳しい状況かなとは正直感じていました。振り返ってみると、やはり後手番の第5局を勝てたことが大きかったと思います。

――将棋に詳しくない方でもワクワクするような結果。
藤井 客観的に厳しい状況だったのは確かです。防衛を目指すというよりは目の前の一局を頑張る、シリーズを長く続けたい、という気持ちでした。途中は防衛が厳しいと感じるところもあったので、いまの実感としては「不思議な気持ち」がいちばん近いと思います。

藤井王将

※インタビュー書き起こし:虹/写真撮影:夏芽

【激戦制し5連覇の藤井王将 人生初の胴上げに「結構フワッとするんですね」 - Sponichi Annex】
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2026/03/27/articles/20260327s000413F2012000c.html

【「防衛の実感はまだない」 5連覇の藤井聡太王将、一夜明け心境 - 毎日新聞】
https://mainichi.jp/articles/20260327/k00/00m/200/104000c


以上でALSOK杯第75期王将戦七番勝負の中継を終了いたします。第76期の予選はすでに始まっており、誰が藤井王将に挑むのか。本日はご観戦ありがとうございました。

クロスパル高槻
(インタビューのあとは、大盤解説会場の「クロスパル高槻」へ)

大盤解説会場
(会場に着くとファンから大きな拍手で迎えられた)

藤井王将

「本日は大盤解説会に多くの方に起こしいただき、ありがとうございます。シリーズ全体を通して苦しい将棋が多くて、特に後手番のときに永瀬九段に的確に指されて、チャンスの少ない展開になることが多かったので、その辺りが課題だったかなと受け止めています。勉強になることも多かったので、それを今後に生かしていきたいと思います。ありがとうございました」

永瀬九段

「ご来場いただき、ありがとうございます。シリーズを通しまして、3勝1敗という形ではありましたが、そこから先、後、後という形で、最初の先手番が比較的チャンスが多かったかなと。そこを戻されまして、あとは後手番でうまく粘れるかという戦いの中、本局は早い段階で粘れなくなってしまったので、その辺りは課題だったかなと思います。ありがとうございました」

大盤解説会場
(最後にふたりそろって一礼し、対局場へ戻った)

終局直後
(終局直後)

藤井聡太王将

▼防衛を果たした藤井聡太王将へのインタビュー

── 今の率直な感想を。
藤井 カド番になった時点で厳しい状況と思っていたので、防衛できたのは幸運だったと思います。シリーズを通して課題が出たと感じているので、とりあえずしっかりと見直して、次につなげていけたらと思います。

── 1日目の進行について。
藤井 本譜は比較的自然な順を選んだつもりではいました。△3八角(54手目)に▲2六飛~▲3五歩が成立するかがポイントかなと考えていて、どこかで▲6六角や▲7七角のラインに打つ手に期待してどうかなと思っていました。

── 封じ手の△3八馬(58手目)は。
藤井 いちばん強い手なのかなと思っていました。

── 控室では▲4五桂(59手目)の辺りで早くも藤井王将優勢との評判でしたが、▲4七角(77手目)と打つまでの対応について。
藤井 △3八馬(64手目)と入られて▲6九飛と逃げるか▲5九飛と逃げるかの比較だったのですが、本譜は受けの形に期待をして▲5九飛を選びました。

── 勝ちを確信したのは。
藤井 ▲5八銀(81手目)~▲4五銀と出て、玉を安定しながら攻めていける形になったかなと感じました。

── 2日制の七番勝負としては初のフルセットでした。シリーズ全体を振り返って。
藤井 全体として厳しいシリーズだったと感じています。得に後手番のときに作戦負けから、そのまま押し切られる将棋が多かったので、その辺りは大きな課題だったかなと受け止めています。

── 永瀬九段との戦いについて、これまでとの違いはありましたか。
藤井 こちらも後手番のときの作戦は結構考えたのですが、結果として的確に対応されてしまうことが多くて、永瀬九段の力を感じましたし、こちらが先手のときも角換わりの中で工夫の手を指されて、その辺りは勉強になることが多かったと思います。

── 印象に残った対局、印象に残った手は。
藤井 第3局は、こちらの作戦に対していちばん強い対応をされて、そのあとも完璧に受けられてしまう展開になったので、私としては印象に残っています。

── 29日(日)には同じカド番の棋王戦第5局があります。
藤井 すぐにあるので、本局と同じく盤上に集中する気持ちで頑張りたいと思います。

永瀬拓矢九段

▼敗れた永瀬拓矢九段へのインタビュー

―― ▲3五歩(57手目)のあとの長考について。
永瀬 △4九角成(56手目)を少考で指してしまったのですが、代えて△6五銀と比較すべきだったということと、▲3五歩の局面での展望があまり浮かばず、困ったなという感じはしました。

── では、その時点ですでに形勢は苦しいと。
永瀬 そうですね。1日目の段階で、どう粘るかを考えていたので、もう少しうまく粘らなければいけなかったと思います。△3八馬(64手目)のときに▲6九飛をメインに考えていたので、▲5九飛のほうもしっかり読まなければいけなかったと感じています。

── 控室では永瀬九段の充実ぶりが指摘されていた。
永瀬 そういった手応えはなく、3勝1敗になったときは次の先手番がチャンスと思っていました。そのときにもっと主張できていれば、もう少し楽しみがあったのかなと。戦い方を考えなければならない課題が浮き彫りになったかなと思います。

―― 次の戦いの舞台に向けて。
永瀬 はい、またタイトル戦に出られるように頑張りたいと思います。

※インタビュー書き起こし:虹/写真撮影:夏芽

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ALSOK杯第75期王将戦七番勝負第7局の▲藤井聡太王将-△永瀬拓矢九段戦は、藤井王将の勝ちとなりました。終局時刻は15時34分。消費時間は▲藤井5時間28分、△永瀬7時間12分(持ち時間各8時間)。本局の結果、七番勝負はフルセットの末、藤井王将の防衛となりました。

JR高槻市駅前の「クロスパル高槻」では、14時30分から大盤解説会が始まりました。解説は服部慎一郎七段、聞き手は長谷川優貴女流三段が務めています(チケットはすでに完売)。

服部慎一郎七段
(服部慎一郎七段)

長谷川優貴女流三段
(長谷川優貴女流三段)

大盤解説会
(解説会の様子)