第63期王将戦七番勝負第7局 Feed

2014年3月26日 (水)

対局場の今井荘は昭和9年創業の温泉旅館。昭和23年には昭和天皇が2週間滞在した。その際の記念に植えられた松、今上天皇と将棋を指す様子を写した写真が今も残っている。盤面が判別できないのが残念。
タイトル戦もたびたび開催されており、王将戦七番勝負では羽生三冠が七冠を達成した年の第1局(▲羽生善治竜王・名人-△谷川浩司王将戦、肩書きは当時)が有名。最近では第61期七番勝負第5局、▲佐藤康光九段-△久保利明王将戦(肩書きは当時)が行われた。

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羽生三冠の先手で始まった第7局。後手番の渡辺王将が選んだ戦型は、第4局と同じゴキゲン中飛車だった。居飛車党として知られる渡辺王将が飛車を振るのは珍しいが、最近はタイトル戦など急所の対局での後手番では振り飛車を用いている。とはいえタイトルの行方がかかる第7局での採用には驚かざるをえない。第4局の結果は羽生三冠勝ちだが、本局はどうなるか。

王将戦七番勝負の持ち時間は各8時間。1日目は9時に対局が始まり、18時に封じ手となる。第7局では改めて振り駒で先後を決める。一日のスケジュールは下記の通り。

9:00 対局開始
10:30 午前のおやつ
12:30~13:30 昼食休憩
15:00 午後のおやつ
18:00 封じ手

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2014年3月25日 (火)

両対局者には「伊豆の踊り子」から花束が贈られた。

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■渡辺明王将
本日はこのような盛大な会を催していただきまして、またお忙しいなかお集まりいただきまして、ありがとうございます。
今期の王将戦も最終局です。1月の年明けに始まった七番勝負でしたが、もうすぐ春ということで、季節が変わるほど長く戦ってきたのだなぁということを感じております。私自身、タイトル戦の最終局を指すのは久しぶりなので、いささか緊張しています。ここまでの6局以上に、本当に最後の最後まで勝負の行方がわからない将棋を指せればと思っています。
この河津町には初めて来ました。非常に景色がよく、対局室からは海を一望できます。またこちらには温泉もあり、海の幸も山の幸も豊富ということで、将棋を指すうえで最高の環境を用意していただきました。
今井荘さまにも初めて寄せていただいたのですが、タイトル戦も多く行われている経験豊富な宿ということですので、安心して盤上に集中できます。今期の王将戦を締めくくるにふさわしい将棋を指せるよう、全力を尽くしたいと思います。

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■羽生善治三冠
本日は王将戦第7局の前夜祭を、このように開催していただきまして、ありがとうございます。
1月から始まったシリーズも、いよいよ明日、明後日で終わるのだなぁと感じ入っております。この対局を準備してくださった河津町の皆さま、関係各位に、改めまして御礼申し上げます。
こちらは非常に温暖な地域ということで、今年は雪が多かったのですが全く積もらなかったということでした。景色もよく、すばらしい場所だと思います。
私もこちらで何局か対局しているわけなのですが、非常に将棋に集中できる環境だと思っておりますし、また番勝負の後半となることも多く、印象に残る一局が多いです。
明日からの対局は、自分なりに全力を出して、自分にとっても、観戦いただく皆さまにとっても記憶に残る一局にできればと思っております。

(書き起こし=烏、写真=文)