2026年1月10日 (土)

記者会見

20260110a7308554【藤井王将のインタビュー】

――1年ぶりに掛川に戻られて、先ほど掛川こども王将戦を観戦されました。あらためて掛川の印象をお願いします。

藤井 掛川では王将戦の開幕局を多く開催いただいています。私も掛川にきて、いよいよ王将戦が始まるのだなと気持ちが高まるところがありました。こども大会の見学をさせていただいて、13回目ということで今年は会場が市役所になって、多くの方にお越しいただいて例年以上の活気を感じられました。

――前期に続いて挑戦者は永瀬九段となりました。最近の印象をお聞かせください。

藤井 非常に充実された将棋を指されている印象を強く持っています。永瀬九段は以前は手厚い受けのイメージが強かったと思いますが、最近の将棋を見ると、受けの技術の高さはもちろん、攻めや踏み込みの鋭さが際立っている将棋が多いと感じています。

――明日からの七番勝負ですが、事前インタビューでは面白い将棋を指したい、新しい指し方をしたいと話していました。どのような戦いを見せたいですか。

藤井 永瀬九段と昨年は3つのタイトル戦を戦いました。その経験を生かして戦いたいと考えています。また、王将戦の七番勝負ではいろいろな戦型や指し方を試みることができればと考えています。

――竜王戦の防衛以降、対局が少ない期間が続きました。今年からは叡王戦を戦い、王将戦や朝日杯、棋王戦と過密になります。スケジュールが空いたり詰まったりをどのようにお考えでしょうか。

藤井 竜王戦移行はしばらく対局が少ない期間はありましたが、1月からは対局がコンスタントに続きます。実際、対局で考えるのは勉強のためにも非常に価値がある経験だと考えています。それを生かして一局一局臨めたらと思います。また、体調管理にも気をつけたいと思います。

――2022年から王将戦で掛川で戦っておられます。掛川の印象や思い出をお聞かせください。

藤井 掛川での対局を4回目になります。長年対局を開催いただいて、地元の方の熱気を感じています。掛川城の二の丸茶室は落ち着いた雰囲気で集中して対局に臨めています。

20260110a7308561【永瀬九段のインタビュー】

――――1年ぶりに掛川に戻られて掛川こども王将戦を観戦されて検分をされました。掛川に戻ってこられての印象をお願いします。

永瀬 掛川での対局は第1局が定番です。昨年も1月のはじめで寒かった印象があります。今年は日差しを感じて、気温も高かったと思うので、例年と違って温かい環境や状況と感じています。
先ほど、こども大会を観戦しました。私が出たのは20年以上前になります。こども大会は熱気があって見ていて楽しい気持ちになりました。

――明日から藤井王将との対局になります。最近の戦いぶりをどう見ていますか。

永瀬 直前のタイトル戦(竜王戦)も隙がなく防衛された印象があります。ただ、藤井王将が対局されている方は限られていて、調子のよしあしは判断しにくいですが、精度の高い将棋を指されている印象が常にあります。精神的な上下がない方だと思うので、1年を通して安定して対局に臨まれているのかなと思います。

――事前インタビューで七番勝負で拮抗したスコアにしたいと話していました。そのためにどのような戦いにしたいですか。

永瀬 最近少し時間があって、過去の自分の対局を振り返りました。見直したときにチャンスはきていて、それを勝てていたらフルセットに将棋もあったと思いました。最近、結果を出されている伊藤二冠は、チャンスという局面でしっかりつかみきっています。やはりチャンスを一度逃してしまうとなかなか次がきませんので、そこをつかみきれるかどうかは勝負にとって大きいと思っています。そこが、長年の私の課題ではありますけど、チャンスを作れている回数では結構上位だと思いますので、そこをうまく勝敗に直結できるようにしたいと思っています。

――藤井王将との番勝負は王位戦以来になります。しばらく期間が空いて、ご自身の中でこういうところが進歩したと盤面で見せたいところなどがあれば教えてください。

永瀬 2日制の対局が、王位戦から少し時間が空きます。早指しではJT杯決勝で対局はできたんですけど、私が藤井王将のお顔を拝見するのは2ヶ月近くぶりになります。久しぶりに藤井王将にお会いできたなと思うわけなんですけど、タイトル戦に多く出ていれば藤井王将の顔を見られるのはモチベーションの一つではあります。盤上の方でどう表現していくかというと、難しいところではあるんですけど、最近はここ数年とは違うアプローチというか違う形で勉強に取り組んでいます。時間自体はさほど変わらない気はしますが、取り組み方を変えていて、それが藤井王将に対して通用するかどうか。あと、藤井王将になかなか公式戦で当たらないと、豪速球というかスピードの速さを体験できませんので、たくさん対戦して、多く見ることで地力を上げていくしかないと思っています。王位戦からだと、9月から長い期間空いていますが、藤井王将は竜王戦で2日制を4局経験されています。自分が少しブランクはありますけど、ここ数年で見ますと2日制を多く指せていますので、対抗できるように頑張りたいと思っています。

――掛川での対局ということで、全国いろいろ回られていると思いますが、掛川での対局に何か期待すること、あるいは掛川の印象をお聞かせていただけますか

永瀬 静岡県ですと、やはりお茶がおいしい印象です。掛川ですとキウイとイチゴ、イチゴは紅ほっぺだったと思うんですけど、昨年はたくさんいただきました。実は本日も夜に2杯頼んであります。対局中は飲み過ぎるとお手洗いの回数が増えてしまうので、そこが少し難点です。フレッシュジュースを楽しみつつ対局に専念したいと思っています。
掛川対局ですと、デザートは抹茶を多くご用意していただいています。1月ということで、イチゴが出始めかなと思いますが、本当に品ぞろえがよく、どれを頼もうか今迷っているところです。掛川対局は王将戦の1局目が定番ですので、フレッシュジュースをたくさんいただいて、いい将棋を指せればと思っています。

――藤井王将は先日のインタビューで「正月は家族でゆっくり過ごす時間があった」と話されていました。永瀬九段は以前「正月の概念をなくした」と話されていましたけど、今回の年末年始はどのように過ごされましたか。

永瀬 年末やお正月は、普段通り過ごすことを目標にしています。ただ、普段と違う点が1個ありまして、1月1日は飲食店が閉まってしまい毎年どうしようかと。今年も困ってしまい、配送サービスを利用して過ごしました。いつもと違うリズムにしてしまうと、少し調子が狂うこともあるので毎年課題だなと。
藤井王将がご家族でゆっくりされたということで、直接は聞いてはいないですが、伊藤匠二冠もゆっくりされていた印象がありますので、皆さん人並みに静養を取られているのかなという印象はあります。
私も最近は静養を多く取っていますので、その延長というか、年末年始は体力を回復させるために横になるとか、そういう時間を多く設けて過ごしました。1月3日ぐらいで年始が終わるとすると、すぐ1月11日から王将戦第1局で藤井王将との対局です。気が休まることはないんですけど、それが棋士冥利に尽きるところもありますので、大舞台で戦えることを糧に頑張らなければいけないと思いながら年末年始を過ごしていました。


(書き起こし=銀杏)


18時30分からは前夜祭が開催されます。