2026年1月
感想戦
終局直後インタビュー
終局直後、両対局者にインタビューが行われました。その後、大盤解説会場に足を運び、訪れたファンにあいさつをしました。
□勝った藤井王将のインタビュー
―― 第1局に続いての角換わり。封じ手までの形勢判断は。
藤井 ▲6五歩(37手目)と突いたが、キズになる可能性もあって、その点をどう見るかと考えていた。△9五歩から△9六歩(52手目、54手目)と端に味をつけられ、形勢は難しいと思っていたが、しばらく受けに回る展開になりそうで、怖いところが多いと感じていた。
―― 封じ手(57手目▲7四歩)を選んだ判断は。
藤井 代えて▲4五桂と跳ねても、後手陣が安定していて、こちらの反動が大きいと感じた。あまり狙いはないが、手を渡して指してみようと考えた。
―― △5六歩(64手目)に対して、昼食休憩を挟んで1時間44分という長考で対応した。どのような読みを入れていたのか。
藤井 本譜は少し軽いかもしれないが、攻めていく順を選んだ。代えて△6五金もかなり際どいと考えていた。△5六歩に▲同歩は△6五金で、攻め合いでかなり損をしてしまいそう。ただ、▲5六同金も、△4七角で馬作りが受からない。あまり見通しの立たない局面と感じていた。
―― △6九角成に▲6三角(72手目、73手目)が、藤井王将らしいという評判だった。
藤井 自陣に手を入れるのも、どのくらいプラスか分からない。手は広いと思うが、もたれて指すイメージで考えていた。
――▲2九飛(81手目)は、最初からこういう読みだったのか、それとも予定変更だったのか。
藤井 △3六馬(76手目)のところで△4七馬なら▲3三歩とやっていこうかなと思っていたが、△3六馬だと1マスの違いで、成算が持てない変化があった。▲2九飛は息長く指そうというイメージだった。
―― 終盤、形勢の好転を感じたのは。
藤井 ▲3一飛(101手目)と打って、一手勝ちできそうな形になったと感じた。
―― 次局に向けて。
藤井 熱戦にできるように、精一杯頑張りたい。
■永瀬九段のインタビュー
―― 1日目の手応えは。
永瀬 早繰り銀は作戦だった。△2二玉(40手目)を省くべきだったと感じた。もう少し考えないといけなかった。
―― 封じ手あたりの形勢は。
永瀬 切らしにこられそうな将棋で、うまく手をためて難しい局面を作れるかどうかと思っていた。
―― 2日目の展開を、どのように評価しているか。
永瀬 難しい局面からすぐダメにしてしまったのか、少しずつ苦しかったのか、よく分からない。
全体的な判断が難しい将棋で、もう少し難しい局面を続けなければいけなかった。急にダメと感じたのは△6九馬(94手目)で、急に直線で負けになってしまった。局面がきついのであれば、もう少し手前に問題があったと感じる。
―― 第3局に向けて。
永瀬 手番が決まっているので、精一杯準備をして、いい将棋を指せれば。













歩の手筋を駆使して後手玉を乱し、飛車を取って勝負に決着をつけにいきました。△7八馬には▲3一飛が予想され、後手玉に詰めろがかかります。先手のほうが速度勝ちを読みきりやすい局面になりました。
永瀬九段は飛車を見捨てて、上図△6九馬と潜り込みました。検討陣からは「△6二飛と逃げていては勝負にならないと見た勝負手」との声が聞かれます。





上図は△4八歩成の飛車取りに対して、見捨てて▲6四歩と銀を取った局面です。数手前に▲2九飛と引き揚げたところでは長い勝負が予想されていましたが、一転して流れが激しくなりました。福崎九段は「踏み込みました。△3九とには▲2四歩△同銀に、(1)▲6三歩成△4三金寄▲7三歩成で上部を耕す狙いがありそうです」と解説します。井田五段は「(2)▲7三歩成△同桂▲6三歩成も考えられる」と指摘します。先手に手段の多い流れになってきたようです。実戦も▲2四歩まで進みました。残り時間は▲藤井48分、△永瀬53分と両者1時間を切っています。





16時を回って、いよいよ終盤の入り口の局面を迎えました。飛車を走って王手をかけました。井田五段は△2三銀に▲3三歩を候補に挙げました。(1)△同桂には▲6四飛△同金▲2四歩△同銀▲3四歩。(2)△3三同玉は▲6四飛△同金▲7三歩成△同桂に▲5一馬が王手桂取り。(3)△3三同金なら▲2三飛成のときに△同金に限定できます。先手が爽やかに踏み込んでいます。