2023年1月

2023年1月 9日 (月)

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図は68手目△4六桂まで。控室では▲6七金右△2八飛が予想されていました。
ところが、藤井王将はわずか5分で▲6五桂。少し前の63手目▲7七桂に1時間、65手目▲5六金に25分考えているため、そのあたりからの読み筋と推測できます。ただ、金は守りの要。それをボロッと取らせ、しかも△5八桂成▲同玉と玉が金銀から離れる指し方は意外性があります。控室で「(金を)逃げないの?」という声も出ました。
69手目▲6五桂の局面で残り時間は両者1時間4分です。

Dsc_4431001(反撃に出る羽生九段)

大盤解説会では、久保九段と八代弥七段が解説を担当していました。八代七段は昨日に掛川市で「はじめての将棋教室」の講師の一人として児童に将棋を指導していました。

Dsc_4533 (八代七段(左)と久保九段。1時間3分の長考で打った△5五角(64手目)はひねった手と話していた)

Dsc_4489 (14時30分ごろの大盤解説会。この時間帯は八代七段と礒谷真帆女流初段が担当していた。8日の「はじめての将棋教室」は、棋士は八代七段、中尾敏之六段、大庭美夏女流初段、礒谷真帆女流初段が指導に当たった)

掛川城 三の丸広場では王将戦開催に合わせて8・9日に「三の丸広場マルシェ」が開かれました。掛川茶など掛川の名産品のほか、肉まんや餃子、コーヒーなどの飲食物を販売する店もありました。

Dsc_4278 (観光案内所で掛川の名産品が紹介されていた)

Dsc_4276 (棋士の色紙のコーナーも)

Dsc_4306 (コーヒーや甘酒を売る店も。冬にホット温まる)

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15時になり、2日目午後のおやつが出されました。
藤井王将は「フレッシュジュース(パイナップル)」「アイスティー」。羽生九段は「CHABATAKEフィナンシェ」「ホットコーヒー」でした。

Dsc_4512 (藤井王将のおやつ。藤井王将は2日目午後に飲み物を2つ頼むことが多い)

Dsc_4497 (羽生九段のおやつ。CHABATAKEフィナンシェは、発酵バターを使用した「プレーン」と掛川茶の生地に不知火(温暖な場所で生産されている柑橘類)を詰めた「掛川抹茶」のセット)

掛川城から掛川駅北口は一本道。片道で徒歩10分程度です。城と駅の中間のところを東海道が横切ります。
掛川駅はJR東海と天竜浜名湖鉄道の駅です。

Dsc_3349 (JR駅の北口)

Dsc_3334002 (北口と南口で趣が異なる。掛川は徳川家康が掛川城の今川氏真を攻めたり、掛川市内の高天神城で家康と武田勝頼が戦ったりと、家康と掛川は縁が深い)

Dsc_3358 (天竜浜名湖鉄道の掛川駅)

Dsc_3361001 (券売機前の隣に、昨年の王将戦掛川対局の勝利者記念写真が飾られていた
【藤井竜王 勝者のコスプレ初体験!さすがの読み「動物か鉄道」幼少期の憧れ車掌制服姿で笑顔― スポニチ Sponichi Annex 芸能】
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2022/01/12/kiji/20220112s000413F2077000c.html

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上の図は56手目△7四歩の局面。ここから▲6五歩△7三銀▲6四歩△同銀▲6六桂と進んで下の図になりました。6六の駒が歩から桂に変わっています。これで▲7四桂を狙って攻めを継続しようというのが、藤井王将の考えです。上の図は△7四歩と打ったところですが、これは▲7四桂を受けたもの。▲7四桂が実現すると、先手よしと両者が認識していることがわかります。
詰将棋で盤上の置き駒を変えて局面を動かす作品はありますが、指し将棋では珍しい手筋です。特に守り駒の6六の歩を捨てて積極的です。
▲6六桂に△7三銀なら▲7七桂から▲6五桂が一案。うさぎのように桂が飛び跳ねます。 先手は桂を据えて攻めを厚くしましたが、逆に△6六桂の両金取りを食うと、一気に薄くなるため注意が必要です。



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Dsc_4439 (考える藤井王将)

1590年に山内一豊が掛川城を拡張した際に造成された郭の区画です。現在の建物は明治時代のもので、のちに掛川市に寄贈されました。

【竹の丸 - 掛川市観光サイト】
https://www.city.kakegawa.shizuoka.jp/kanko/spot-list/takenomaru.html

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Dsc_4404 (館内で第63期と第65期の王将戦の記念揮毫が展示されていた)

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Dsc_4421001 (13時25分ごろ、羽生九段が対局室に戻ってきた)

Dsc_4441 (13時26分ごろに対局室に入った藤井王将は、棋譜用紙をのぞき込む。消費時間や指し手の流れを確認できる)

Dsc_4461 (対局再開から数十秒間を置いてから△7六歩と取り込んだ)

Dsc_4468 (藤井王将はすぐに▲7六同銀と応じる)