2022年1月

2022年1月 9日 (日)

20220109b戦型は相掛かりになりました。立会人の森内九段の見解は以下の通りです。

「後手が直前に角交換したので、穏やかな流れになりそうです。先手は指したい手が多くて、端歩や▲6八玉、▲5八玉、▲2六飛などが浮かびます。4六の銀は積極的で、五段目に出られたら勢いがつきますね。後手は先手に何を指されても△6三銀から△8一飛だと思います。ほかに端歩を突く手でしょうか。
私がどっちを持ちたいか、ですか? 先手のほうが色々工夫できてリードできそうです。後手は先手を待っているので気楽です。本当は先手を持ちたいといわないといけないのですが、相手任せで気楽なのもいいですよね(笑)」(森内九段)

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1日目午前のおやつは、藤井竜王が「抹茶」と「和菓子(ふくうめ)」。渡辺王将は「キウイジュース」と「ホットコーヒー」、飲み物は対局室に、お菓子は控室に出されます。藤井竜王の注文は抹茶だけで、和菓子は茶室の心遣いです。

※大変申し訳ありません。和菓子は抹茶とセットで、藤井竜王はいくつかあるものから自分で選んだとのことでした。訂正し、お詫び申し上げます。

Dsd_8742(抹茶と和菓子「ふくうめ」)

Dsc_2969(ホットコーヒーとキウイジュース)

おはようございます。本日の掛川は快晴で、予想最高気温は13度です。
対局1日目のスケジュールは以下のとおりです。

09時   対局開始
10時30分 午前のおやつ
12時30分 昼食休憩
13時30分 対局再開
15時   午後のおやつ
18時以降 封じ手

Dsc_2834(今朝の掛川城。撮影時、飛行機が通り過ぎた)

2022年1月 8日 (土)

Dsc_2826(対局者挨拶 渡辺王将)
「王将戦は昨年が第70期の節目でした。第71期の今期は新しい船出、新時代であり、藤井竜王という、ふさわしい方が出てきました。注目度も高く、対局の前日に記者会見を行ったのは、私は王将戦に出るようになってからは初めてだと思います。いまも(会場の)後ろにすごいカメラが並んでいます。これは将棋の世界では当たり前のことではないので、私も緊張しています。この1週間ほどは、スポーツニッポン新聞社さまの1面で将棋を扱っていただきました。私も王将戦に6回出場させていただいていますが、たしか1面に載ったことはないので驚いています。明日から第1局、第2局進んでいきます。プロ野球やJリーグがオフシーズンということもあり、また1面で扱っていただける機会も多いのではないかと私は読んでいるので、ぜひ対局に勝って1面を飾れるように頑張りたいと思います。明日から2日制の七番勝負という長丁場が始まります。いままでつちかった経験を生かし、いい対局にできるように頑張っていきたいと思います」

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Dsc_2831(対局者挨拶 藤井竜王)

「掛川では13年連続で王将戦を開催していただいているということで、私自身は初めて掛川を訪れることができ、とてもうれしく思っています。先ほど検分で対局場となる掛川城に伺ったのですが、対局室から掛川城の天守を見ることができました。素晴らしい対局場を用意していただいた関係者の皆さまに厚く御礼申し上げます。明日から対局となりますが、2日制ですので一手一手しっかり深く考えて熱戦にできるよう、全力を尽くしたいと思います。大盤解説会や中継などでお楽しみいただければ幸いです」

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本日の更新は以上で終了です。明日の対局は9時に開始されます。

(書き起こし=牛蒡、撮影=紋蛇)

Dsc_2800(開催地挨拶 久保田崇・掛川市長)

「13年連続で伝統ある王将戦を掛川で対局していただけることを、本当にうれしく思います。ご協力いただいた皆さまに御礼申し上げます。私は昨年4月に市長になりました。松井三郎・前市長と同等、あるいはそれ以上に『将棋の街、掛川』として頑張っていきたいと思います。個人的に日本将棋連盟のライブ中継アプリを入れていまして、両対局者の棋譜も事前に勉強させていただいています。藤井竜王は本年で20歳を迎えられます。明日は掛川市で成人式が開催されます。同年代の新成人も対局に注目していると思います。渡辺王将は掛川では負けなしの6連勝中です。熱戦を期待しています」

Dsc_2801(開催地挨拶 伊藤勝英・島田掛川信用金庫理事長)

「掛川での王将戦は13年連続となり、当金庫は初回から協賛させていただいております。当金庫は明治12年に設立された日本最古の信用金庫で、昨年11月に創業142年目を迎えました。長く存続できたのは、二宮尊徳の報徳の理念を守ってきたからだと思っています。報徳の教えに、道徳と経済の両立があります。道徳なき経済は犯罪であり、道徳なき経済は寝言である、と二宮尊徳は言っています。SDGsにも通じるものと思います。王将戦では、礼に始まり、礼に終わる美しさや、勝負の厳しさを体験します。また、棋士の先生方が一喜一憂することなく身を尽くされる、その落ち着きと品格に魅了されます。このような王将戦が報徳の街である掛川で開催されることに感謝申し上げます」

Dsc_2805(特別協賛者挨拶 青山幸恭・綜合警備保障代表取締役社長 最高執行責任者)
「王将戦は1950年、当社は1965年にスタートしました。当社は『ありがとうの精神』、『武士の精神』を創業の精神としております。将棋の世界における敬意、あるいは高潔さは共通するものがあると思っております。将棋は攻めと守りがあります。当社もAIや5Gなどの技術を使いながら、攻めと守りの両方でやっています。地域の安心安全にいっそう貢献していきたいと思います。四冠と三冠の対決は頂上決戦です。お二方の戦いは日本全国の人を釘付けにするのではないかと思います」

(書き起こし=牛蒡、撮影=紋蛇)

前夜祭は掛川グランドホテルで18時30分より行われました。その模様の一部をご紹介します。

Dsc_2789(主催者挨拶 小菅洋人・スポーツニッポン新聞社代表取締役社長)

「第71期ALSOK杯王将戦七番勝負が、いよいよ明日から始まります。13年連続で掛川の地で開催できることを本当に感謝しております。名人と棋王を持つ渡辺王将、四冠の藤井竜王、まさに最強同士の対決となりました。注目の一戦であり、マスコミの方にも多く駆けつけていただきました。スポーツニッポンも、元旦の紙面から、戦国武将の格好をしたお二人を1面に掲載させていただきました。将棋ファンの記憶に残る試合をしていただきたいと思います」

Dsc_2790(主催者挨拶 広田勝己・毎日新聞社取締役)

「毎日新聞社は2月21日をもちまして創刊150年になります。その年に、このような素晴らしい対局を迎えられることに感謝しています。渡辺王将は前期までに3連覇しています。王将通算5期は渡辺さんを含めて4人しかいません。藤井竜王は王将を獲得すると史上最年少の王将、史上最年少の五冠となります。今年の将棋界の流れを左右するシリーズになると思います。掛川市では、これまで数々の名局が誕生しました。また新たな名局が生まれ、末永く語り継がれていくことを願っています」

Dsc_2794(主催者挨拶 佐藤康光・日本将棋連盟会長)

「4連覇を目指す渡辺と王将戦初登場の藤井竜王という、最高峰のカードになりました。将棋界の8つのタイトルのうち、7つをお二人が持っています。三冠と四冠の頂上対決です。お二人ともAIを活用した研究で最先端をいきながら、実力でも最強ということで、ファンや関係者が固唾を飲んで見守ることになると思います。渡辺王将は20歳でタイトルを獲り、以降17年間ずっとタイトルを保持しています。藤井竜王は今回も最年少記録が懸かります。両対局者におかれましては健康に留意して、素晴らしい内容の将棋を見せていただければと思っています」

(書き起こし=牛蒡、撮影=紋蛇)

対局検分が終わり、渡辺王将、藤井竜王の順に記念揮毫を行いました。

Dsc_2703(渡辺王将は40回目のタイトル戦出場。手慣れた様子で筆を走らせる)

Dsc_2715(藤井竜王の筆さばきは堂々としていた)

Dsc_2724(勇躍と飛翔)

Dsc_2721(志高と初心)