2022年1月

2022年1月22日 (土)

2022012228戦型は角換わりの相早繰り銀となりました。上図は後手が△7五歩と仕掛けた局面です。ここから▲同歩△同銀▲2四歩△同歩▲2五歩△7六歩(下図)と進みました。2022012234△7六歩までの前例は6局で、直近では昨年の8月に行われた第71期ALSOK杯二次予選▲稲葉-△藤井聡戦(後手勝ち)です。それまで△7六歩に▲6八銀と引いた前例しかなかったのに対し、稲葉八段は▲8八銀と変化していました。渡辺王将は▲6八銀と引いて前例の多いほうに進んでいます。
Img_6316(谷川九段は前例を踏まえ、関係者に解説をする)

関係者は8時30分頃から入室し、対局開始を待っていました。
Img_6187(記録係の折田翔吾四段は、対局に向けて用意を進める)
Img_6190(対局者が入室するまでは膝を崩す)
Img_6199(藤井竜王の入室は8時49分)
Img_6211(渡辺王将は8時50分に部屋に入った。着座すると懐中時計を膝元に置いた)
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9時、谷川九段が対局開始を告げ、渡辺王将の先手で対局が始まりました。
Img_6272(対局開始を告げられ、一礼を交わす)
750(初手を指す渡辺明王将)
750_2(藤井聡太竜王)
Img_6297(▲2六歩△8四歩の出だし。相掛かりや角換わりなどが考えられる)
Img_6300(2手を見て、関係者が退室した)

本局は囲碁・将棋チャンネルの将棋プレミアムで生中継されます。詳細は以下のとおり。

【LIVE】第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第2局1日目 渡辺明王将 vs 藤井聡太竜王
開始:1月22日(土)8時~23時59分まで
解説:八代弥七段
聞き手:貞升南女流二段
https://www.shogipremium.jp/live/55

【LIVE】第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第2局2日目 渡辺明王将 vs 藤井聡太竜王
開始:1月23日(日)8時~23時59分まで
解説:広瀬章人八段
聞き手:内田晶さん(観戦記者)
https://www.shogipremium.jp/live/56

王将戦七番勝負の持ち時間は各8時間。両日9時に対局が始まり、1日目の18時に封じ手となります。一日目のスケジュールは以下のとおりです。

9:00  対局開始
10:30 午前のおやつ
12:30~13:30 昼食休憩
15:00 午後のおやつ
18:00 封じ手
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【スポニチ Sponichi Annex】
渡辺王将 初戦黒星も「内容悪くない」王将戦“大阪冬の陣”で反撃へ
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2022/01/22/kiji/20220122s000413F2062000c.html
【毎日新聞】
巻き返し狙う渡辺、藤井連勝なるか 22日から王将戦第2局
https://mainichi.jp/articles/20220121/k00/00m/040/275000c

2022年1月21日 (金)

記念撮影のあと、両対局者による決意表明が行われました。

Img_6105(渡辺明王将)
私自身、高槻市での対局は4度目になります。高槻市の皆様方には関西将棋会館を含め、大変お世話になっております。ありがとうございます。
対局場の山水館様は、非常に静かな環境でして、自然の音しか聞こえないような場所で、集中して将棋を指せる環境を用意していただきました。第1局は非常に反響が大きい戦いにすることができましたので、2局目以降もそういった戦いを目指したいと思っております。
この10日間ほどで感染症も急拡大しておりまして、スポーツニッポン新聞社様の紙面でも野球選手などの感染も取り上げられていますが、幸いなことにいっていいのかはわかりませんが、将棋界では大きな困難もなく対局をさせていただいておりますので、そういったことに感謝しながら、明日の第2局を戦いたいと思います。

Img_6118(藤井聡太竜王)
私自身が高槻市に来るのは初めてです。2023年度の関西将棋会館移転も決定しており、対局で先駆けて訪れることができて、とてもうれしく思っています。明日からの対局は、高槻市を「将棋のまち」としてより一層盛り上げていけるような熱戦にできればと思っています。

Img_6132(記念撮影の模様)
Img_6136(乾杯の発声は、樽井弘三・高槻市教育委員会教育長が行った)
高槻市では4年連続の王将戦開催となりました。将棋は「お願いします」から始まり、「参りました」で自ら負けを認め、「ありがとうございました」で終わります。相手に対する敬意や礼節を大事にする競技だと思っています。第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第2局の成功を祈念します。

Img_6140(乾杯!)

このあと、両対局者は退場。会場では黙食での会食や、記念品が当たる抽選会などが行われて終了となりました。
以上で本日のブログ更新を終了します。
対局は明朝9時からです。どのような戦いになるでしょうか。
ご期待ください。

関係者のあいさつのあと、立会人や副立会人、記録係が登壇し、両対局者に花束や記念品が贈呈されました。
Img_6048(左から、稲葉陽八段、渡辺王将、谷川浩司九段、藤井竜王、折田翔吾四段)
Img_6083(贈呈は高槻観光大使の堀真麻さんと清水怜さんが行った)
Img_6086(記念品は高槻市内に本社を構える丸大食品株式会社が製造・販売するハムセット「王覇」)
Img_5975_2(高槻市を紹介するブースにも王覇の看板が)

Img_6018(濱田剛史・高槻市長)
いま高槻は将棋振興に力を入れておりまして、昨年、関西将棋会館が高槻に移転することが決まり、我々も大変喜んでいるところでございます。高槻が将棋振興で盛り上がっている大きなきっかけが、この王将戦の開催の誘致であり、高槻対局によって市内はもちろん、市外からも注目していただけるようになりました。実は私も将棋ファンのひとりでして、この王将戦は長い歴史を持ち、しかも様々な将棋界におけるドラマを生み出した、価値のあるタイトル戦だと思っています。その王将戦が高槻で行われることを、私自身、非常にうれしく思っております。この王将戦の開催を軸に、今後もしっかりと将棋振興に力を入れてまいりますので、また皆さま、高槻にお越しいただければ幸いです。平素よりお世話になっております皆さま方に感謝を申し上げるとともに、この高槻対局が歴史に残る名勝負になることを心から祈念申し上げます。

Img_6028(金田忠行・高槻市観光協会代表理事)
明日から北摂の名勝、摂津峡山水館で勝負の火ぶたが切られようとしています。関西将棋会館の高槻移転が決まり、新会館の建設に向けてスタートを切ったまさにその年に、渡辺明王将と挑戦者・藤井聡太竜王のタイトルホルダー同士のおふたりをお迎えしてのタイトル戦で、注目度が上がっております。今年は寅年です。優れた実力を持つ英雄や強豪同士が勝負を争うことを例えて、「竜虎相うつ」ということわざがあります。明日からのおふたりの熱い戦いをご期待します。

Img_6032(吉田忠則・高槻市議会議長)
四冠王と三冠王が直接対決する現代将棋界の頂上戦は、将棋ファンだけでなく世間の高い注目を集めています。高槻市は将棋の街として、桐山清澄九段を始め、ゆかりのある棋士が6人もいらっしゃいます。2018年には日本将棋連盟と包括連携に関する協定を締結し、昨年の7月には関西将棋会館の移転に関わる合意書を交わして、2023年の完成に向けて取り込んでおります。その中でタイトル戦が行われることは高槻市民して誇らしく、多くの皆さまが楽しみにしておられます。見る人の記憶に残る熱い対局が繰り広げられることを期待しています。

前夜祭では関係者のあいさつや記念品の贈呈、記念撮影などが行われました。

Img_5999(丸山雅也・毎日新聞社取締役大阪本社代表)
今年も高槻に王将戦がやってまいりました。第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第2局は、いよいよ明日、山水館で行われます。渡辺明王将に藤井聡太竜王が挑む戦い。将棋八大タイトルの内、七冠を分け合うふたりの頂上決戦。将棋ファンのみならず日本中から注目を集めている対局になります。掛川での第1局は互いに一分将棋となる白熱した戦いを、藤井竜王が勝たれました。迎える第2局は今後の流れを左右する極めて大事な対局になろうかと思います。おふたりが2日制の七番勝負で対戦するのは、今期の王将戦が初めてになります。渡辺王将は現在王将戦3連覇中で、名人戦も2連覇中、かつては竜王戦で9連覇を記録するなど、七番勝負では無類の強さを誇っています。それに対して6度のタイトル戦をすべて勝ち取ってこられた藤井竜王がどのように挑むのか。本当にわくわくするような思いでいっぱいであります。将棋のまち高槻は、王将戦を4期連続で開催していただくなど、将棋の発展に極めて理解が深く、今回のふたりの対局はさらに熱狂を呼ぶのではないと期待しております。毎日新聞では新聞紙面やインターネットで明日からの対局を盛り上げるべく、多角的に伝えてまいりたいと思っております。

Img_6005(山本泰博・スポーツニッポン新聞社取締役大阪本社代表)
将棋は八タイトルありまして、その内スポーツ紙が主催しているのは、この王将戦のスポーツニッポンだけでございます。日頃からスポーツだけでなく、芸能、囲碁、将棋など楽しい話題を皆さんに提供させていただいております。今回もスポーツ紙らしい切り口で取り組んでまいりたいと思っております。すでに一部で話題になっておりますが、勝者の記念撮影がございます。第1局は天竜浜名湖鉄道の掛川駅で、藤井竜王の発車オーライが紙面を飾りました。しかし、過去の写真を見るとまだまだ。渡辺王将に至ってはどじょうすくいまでしていただいて、我々も誰かに怒られるような気がしていますが、普及発展に少しでも貢献できればと思っております。

Img_6009(井上慶太・日本将棋連盟常務理事)
第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第2局の前夜祭にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。今回参加された方は、多分かなりの高倍率の抽選に当たったラッキーな方々ばかりだと思います。関西将棋会館が高槻に移転するということで、今日も高槻駅に着いてから山水館まで行って帰ってきたわけですが、高槻の観光ツアーのような感じで車窓を見ながら「もうすぐ移転してくるんだなあ」と実感した次第です。この王将戦は渡辺王将と藤井竜王、いま将棋界で最高の対戦カードだと思います。私も第1局を将棋ファンの皆さまと同じように、息詰まる攻防をどきどきしながら見ておりました。本当に素晴らしい開幕戦だったと思います。この第2局も外は寒いですが、盤上で熱い戦いが繰り広げられることを期待しております。

書き起こし=夏芽
撮影=武蔵