2021年3月

2021年3月14日 (日)

第70期王将戦は渡辺明王将が4勝2敗でタイトルを防衛して閉幕しました。すでに第71期は一次予選が進行中です。来期の戦いもお楽しみください。以上で中継を終了いたします。ご観戦ありがとうございました。

End09(永瀬王座が頭を下げて投了し、渡辺王将が応じて礼を交わす)

End01 (終局直後の対局室)

End02 (インタビューに応える渡辺王将)

―まずは千日手局の判断は?
渡辺 昨日の昼休みの段階では千日手になるかなと思っていました。こちらは変化ができないところでしたから。

―指し直しで先手になり、角換わりになった。
渡辺 ほかにプランがなかったので、第5局と同じになってしまいました。

―53手目▲7二歩から飛車の働きを限定させた攻めについて?
渡辺 △7二同飛で自玉の寿命が少し伸びるので、▲3四歩(55手目)と取り込んでどうかなと思ったのですが、▲2五桂(61手目)~▲4五角のあたりは持ち駒をたくさん渡してしまうので、あまり成算ありませんでした。

―勝ちを意識したのは?
渡辺 ▲3三歩成(93手目)でと金ができたので。先手玉が寄らなくなったので、勝ちになったかと思いました。

―シリーズ全般を振り返って?
渡辺 最新の形が多かったので、準備の段階から大変でしたが、内容の濃い将棋が指せたかと思います。

―3連勝から2連敗の危機感は?
渡辺 最後の1勝は遠かったのですが、こうなった以上はしょうがないので。3対0だったことは忘れて第6局に臨もうと思いました。

―タイトル獲得通算27期で谷川浩司九段と並んで?
渡辺 シリーズ前から目標にしていたので、並ぶことができたのは大変うれしく思います。

End03

End04 (同じく永瀬王座)

―2日目の進行について?
永瀬 手応えはよく分からなかったのですが、難しいのかなと思って指していました。

―52手目△7四馬について?
永瀬 そういう手もあるのかなと思っていました。

―3連敗のあと2勝を返した。手応えはあったか?
永瀬 そういうことはあまり考えず、一生懸命やっていくつもりでした。

―シリーズ全般を振り返って?
永瀬 結果はとても残念ですが、得るものは個人的にかなりあったシリーズでしたので、それをうまく生かしていきたいなと思っています。

End05

Ousho202103130102_98図の△7五銀は▲4二銀△同飛▲同と△同玉▲1二飛△3二香▲3三金△5二玉▲3二金と迫ると△6四歩(変化図)で上部に抜ける狙いがあります。北浜八段は▲3四竜を推奨。△7四馬を防ぎながら▲4二銀△同飛▲同と△同玉▲3三金以下の詰めろになります。

20210313_108

Ousho202103130102_93先手玉は次に△2九香成が△3九成香までの詰めろになりますが、渡辺王将は受けずに▲3三歩成と踏み込みました。△2九香成には▲3八玉で2七に逃げる味があり、先手玉はしのげていそうです。

Watanabe08(渡辺王将は防衛に向かってまっしぐらに突き進む)

Ousho202103130102_78上図は7筋にいた飛車を回って竜にぶつけたところ。▲1二同竜でタダのようですが、△6七角が王手竜取りになります(変化図)。

20210313_80実戦は▲2四竜に△2三歩▲3五竜△3四銀とあくまでも王手竜取りを見せています。

Ousho202103130102_82Nagase08 (苦しいと見られている永瀬王座は勝負手で迫りたい)

Sanbe23(さんべ荘内で発見。1~12月の花が描かれていた)

Sanbe24 (渡辺王将の生まれ月、4月は何といっても桜)

Sanbe25 (永瀬王座の生まれ月、9月は「秋桜」のコスモス)

Iwami29(石見銀山近くにて。さんべ荘周辺ではまだ咲いていない)