2014年3月

2014年3月13日 (木)

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■羽生善治三冠
―― 序盤は第3局と先後を入れ替えた形になりましたが。
羽生 わからないところがあったのでやってみたのですが、うーん……。なかなか仕掛けのタイミングがわからなかったので、作戦としてはどうだったかなというところはありますね。
―― 1筋を突き捨ててから▲6五歩(47手目)と仕掛けました。このタイミングについては。
羽生 本当はもっと早く仕掛けたかったんですけども、有効な手が見えなかったので。基本的に(△1四歩と)突かれたらもうしょうがないかなと思っていました。
―― その後は激しい進行になりましたが、封じ手は予想されていたでしょうか。
羽生 そうですね、手が広いところなので、何を指されるかよくわからなかったです。
―― 今日の午前中も激しくなりましたが、成算はあったのでしょうか。
羽生 いやー……。向こうの玉が堅い形なので。難しいとは思ったんですけど、なんとも言えない局面かなと思っていました。
―― 午後になって攻め合いに突入したのですが、どのあたりで勝ちと思ったのでしょうか。
羽生 ▲1三歩(75手目)と打ったところで、もしかしてよくなったんじゃないかな、と思いました。
―― その前に恐れていた手などは?
羽生 昼(休憩)前後のところはいろいろ手段が広いところなので。何をやられるか、こちらもかなり気持ち悪い形なので、わからなかったですね。
―― 最後の詰みはだいぶ前に見つけられて?
羽生 ▲4八銀打(81手目)と打ったところで、角取れば詰む形なので。
―― これで第7局になるわけですけれども、第7局へ向けて一言お願いします。
羽生 力いっぱい最後まで指したいと思います。

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■渡辺明王将
―― 同じ質問になりますが、第3局と先後を入れ替えて同じ形になりました。渡辺王将も気にしていた形でしょうか。
渡辺 そうですね。課題の局面ではあるので、またやってみたんですけども。
―― △3一玉(38手目)から新たな展開になりました。
渡辺 似たようなことになるかなと思ったんですけどね。▲7七角(39手目)と上がったあたりから、新しい将棋になりましたかね。
―― 仕掛けられたところは。
渡辺 こちらから仕掛けを断念しているので、逆に攻められるかなとは思いました。
―― 今日の午前中から激しくなりましたが、いけると思ったところはありますか。
渡辺 封じ手のところから基本苦しめだと思っていたので。今日の午前中のところ、△3九角(64手目)のところは初めてチャンスがあるように思ったんですけども、本譜は一番あっさり指してしまいましたね。いろいろ迷ったんですが……。手がなかったかもしれないですね、結局。
―― △2八角成(72手目)で△7五桂を控室ではやっていたのですが。
渡辺 まあ、でも足りないですね。
―― そうすると敗因はその前、△3九角のあたりでしょうか?
渡辺 そうですね。でもそこでよくなる手はちょっと浮かばなかったので。うーん、仕掛けられたところは模様が悪いとは思いましたけどね。
―― これで最終局になるわけですけれども、最終局に向けて一言お願いします。
渡辺 ちょっと今日は内容が悪かったので、それ以上の将棋を指したいと思います。

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大盤解説会では図の局面で次の一手クイズが出題された。選択肢は(1)△2九飛、(2)△1三同香、(3)△7七香、(4)その他。実戦、渡辺王将は△5九飛と王手をかけた。昨日のニコニコ生放送で阿久津八段が「次の一手クイズで『その他』は優秀ですよ」と話していたことを思い出す。プレゼント抽選では棋士の揮毫色紙などが賞品に。近藤六段は「ごきげん中飛車」の揮毫色紙を手に、「以前久保さんから『戦法の名前を書くのはいいね』と言われたんです」と話していた。
鈴木八段が控室に戻ると、東和男七段の姿があった。

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両者ずんずんと駒を取り合い、羽生三冠は▲1三歩(図)とたたいた。次の▲1二歩成~▲1一飛が「ほとんど必至」(鈴木八段)という速い攻めだ。

■ニコニコ生放送■
森内俊之竜王・名人>▲1三歩はどの駒で取っても厳しいです。△同桂は▲1一飛△2二玉▲2一角で、△同香は▲1二飛や▲1一飛で攻めに困りません。また攻め合いの△7七香は▲1二歩成△5九飛▲6八玉で先手玉に詰めろが続きません。

控室では「早い終局もあるのでは」とささやかれている。鈴木八段は予定を繰り上げて階下の大盤解説会場に向かった。

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羽生三冠お気に入りという名物の三瓶そばは、つゆにつけるのではなくだしをかけるのが特徴。さんべ荘の食堂で打ちたてのそばを食べることができる。
以下はさんべ荘内の説明書きより。
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色が濃い出雲そばとは対照的に、そばの実の皮をできるだけ剥ぎ、芯の部分だけを多く使用するために色が濃く、喉ごしが良いのが特長。昭和7年、三瓶山を訪れた俳人・河東碧梧桐は、多根の旧家森山家で三瓶そばをふるまわれ、そのうまさに驚き、信州戸隠のそば以上だと褒め称えたと伝えられる。

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(外は霧のような雨。風が強い)

13時30分を回ってすぐ、渡辺王将が入室。盤面を見ながら上座へ向かった。「時間になっております」と梶浦三段に告げられると、「はい」と答えて腰を下ろす。13時34分、羽生三冠が入室。腰を下ろして身の回りを整えると、すぐに盤上へ手を伸ばした。

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12時30分、図の局面に昼食休憩に入った。昼食は渡辺王将が山かけそば(わさび抜き)、羽生三冠が昨日と同じく割子そば。羽生三冠は三瓶そばがお気に入りで、過去にさんべ荘を訪れた際には2日間で割子そば16枚を完食したとのこと。対局は13時30分に再開される。

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