(終局直後)
(勝った西山朋佳女王・女流王将。奪取まであと1勝)
【西山朋佳女王・女流王将インタビュー】
--序盤の作戦で飛車を振ってから戻す形(39手目▲2九飛)でしたが、作戦はどのように考えていましたか。
「やってみたい作戦でした」
--中盤▲1六桂(69手目)の形勢判断はいかがでしたか。
「うまい組み合わせで▲6五歩と突きたかったのですが△3三角が厄介で、本譜では形勢を損ねてしまったかなと思っていました」
--終盤は攻め合いの展開になりましたけれども、よくなったと感じた部分はどのあたりでしょうか。
「▲3一銀(127手目)が詰めろで入ったので足りたかなと思いました」
--勝ちを確信したのはどこでしょうか。
「▲6七玉(137手目)と逃げて、王手が続かないので勝ちになっていると思いました」
--一局を振り返ってください。
「争点が多くて難しい将棋と思っていて、本譜はちょっと苦しいと思うのですが、玉の広さが幸いして勝負になったところもあったと思いました」
--開幕2連勝となりました。
「結果は幸いしていますが内容は負けの内容なので、しっかり反省して次局以降に挑みたいと思います」
(西山女王・女流王将がインタビューを受ける間、上を見ていた伊藤沙恵女流名人)
(伊藤女流名人)
【伊藤沙恵女流名人インタビュー】
--序盤、西山さんの作戦に対しての対応はいかがだったでしょうか。
「どこかで▲2五歩と仕掛けられる順を警戒しながら組む形になったと思います」
--昼食休憩明けに△5七歩(64手目)とたたきましたが、形勢はどう見ていましたか。
「いろいろあるのかなと思っていました。形勢は難しいと思っていました。」
--△4五桂左(88手目)と跳ねたあたりはどう見ていましたか。
「攻めの組み合わせ次第で何かあるという感じはしていました」
--攻め合いになり、どのあたりで難しさを感じたでしょうか。
「竜を引き上げる展開(100手目△8二竜)になってから、ミスが続いた気がしています。その前に何か手段があった気がしています」
--一局を振り返ってください。
「序盤から仕掛けてくる順を気にしつつ進めていたのですが、何か手段があったような中盤、終盤だった気がしています。ただ見つけられなかったですね」
--次局への抱負をお願いします。
「苦しい星取りにはなりましたが、自分のできる限りのことをやりたいと思っています」
--残り時間が少ない終盤戦でしたが、そのあたりの苦しみはありましたか。
「最後のほうは先手玉が見えない形になってしまい、その前にという感じではあったのですが。考えたいときに考えたという感じなので、ある程度仕方ないかなという気がしています」
(対局者がインタビューを受ける)
(翔)
第49期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負第2局は、139手で西山女王・女流王将が勝ちました。終局時刻は16時48分。消費時間は▲西山2時間29分、△伊藤2時間58分(持ち時間各3時間)。
この結果、五番勝負は西山挑戦者の2連勝。第3局は2月5日(日)に千葉県野田市「関根名人記念館」で行われます。
(夏芽)
先手が抜け出したようです。
図の▲3一銀は▲2二銀成以下の詰めろ。△3二金と受けても▲4二成香が▲2一角以下の詰めろになっています。先手勝勢です。
(翔)