2024年1月13日 (土)

開幕式(3)

両対局者に小林忠・岡田美術館館長から記念品と花束が贈られました。

Dsc_6696001 (小林忠・岡田美術館館長)
「箱根では年始めの2日、3日に箱根駅伝という催しがございまして、華々しく年明けを迎えます。華々しいという形容がふさわしい女流名人戦は、1月の中旬から五番勝負が予定されておりまして、美しい女流棋士たちの激戦に元気づけられます。岡田美術館はまだ幼い美術館ですが、光栄にも冠名をつけていただき、毎年、楽しみにさせていただいております。明日は熱戦を期待したいと思います」

Dsc_6710 (記念品を受け取る西山女流名人。小田原市にあるガラス工房で作られたガラス工芸品の皿と箸置き)

Dsc_6732001 (記念撮影)

(写真=銀杏、書き起こし=玉響)

開幕式(2)

両対局者のあいさつです。

Dsc_6667(福間女流四冠のあいさつ)
「2年ぶりに、こちら箱根の地に伺えたことを感慨深く思っております。今回、第50期という大きな節目に対局させていただくことは、大変光栄なことであると感じているとともに、緊張感のあることだと思っております。いま持っている自分なりの精一杯で頑張って参りますので、今シリーズも何とぞ、よろしくお願いいたします」

Dsc_6673 (西山朋佳女流名人)
「年明けから女流名人戦のタイトルを戦えることに、すごく幸せな気持ちでいます。明日から第1局が始まりますけれど、自分の力をすべて出しきれるように頑張っていきたいと思っております。明日からどうぞよろしくお願いいたします」

(写真=銀杏、書き起こし=玉響)

開幕式(1)

18時から箱根町の「箱根仙石原プリンスホテル」で開幕式が開かれました。

Dsc_6636 (依田裕彦・報知新聞社 代表取締役社長)
「昨年、初挑戦ながら見事に女流名人を奪取された西山朋佳女流名人と、プレーオフの末に挑戦権を獲得され、再びこの舞台に戻ってこられた福間女流四冠の対局ということになりました。8つのタイトルを分け合うお二人による頂上決戦。50期の節目にふさわしい対決ということで、明日から女流名人戦の歴史に刻まれるであろう名勝負が展開されますことを、たくさんの将棋ファンの皆様ととも期待したい思っております」

Dsc_6659001_2 (清水市代・日本将棋連盟常務理事)
「西山女流名人にとっては初の防衛戦、福間挑戦者にとっては心機一転、「福間香奈」として初めてのタイトル戦ということになります。なんといっても、このお二人で初めての女流名人戦五番勝負ということも、全国の皆様に注目される理由の一つになるのではないかと思っております。また、(今期五番勝負の)ポスターのキャッチフレーズは大変心に響くものがありました。昨年は『夢の続きか、始まりか―』。そして今回のキャッチフレーズは『強く、咲き誇るか。鋭く、返り咲くか』。引きつけずにはおかないこの言葉の先に、熱戦が待っております。どうぞ皆様、明日もご期待いただければと思います」

(写真=銀杏、書き起こし=玉響)

特集記事

女流名人戦五番勝負の特集記事を紹介します。第1局前の予習におすすめです。(銀杏)

【西山朋佳女流名人、「女流棋士の歴史みたいな方」福間香奈女流四冠と決戦「光栄」…第50期女流名人戦五番勝負14日開幕 : スポーツ報知】
https://hochi.news/articles/20240109-OHT1T51238.html

【福間香奈女流四冠、旧姓・里見でV12 14年ぶり挑戦者に気合…第50期女流名人戦五番勝負14日開幕 : スポーツ報知】
https://hochi.news/articles/20240109-OHT1T51241.html

【ー岡田美術館杯第50期女流名人戦五番勝負展望ー|日本将棋連盟】
https://www.shogi.or.jp/column/2024/01/50_2.html

検分

現地では15時10分ごろから検分が行われました。盤駒の確認、照明の明るさ、エアコンの設定などを確認、その後、対局日の昼食やおやつを決めて、10分程度で終了しました。
Dsc_6561 (対局場の開化亭で記念撮影)

Dsc_6599_2 (検分の様子)

Dsc_6588 (駒を確かめる西山朋佳女流名人)

Dsc_6597001 (福間香奈女流四冠。挑戦者の立場で岡田美術館に訪れるのは初めて。これまではタイトルホルダーとして上座に着いていたが、今回は下座)

Dsc_6601 (検分後に対局日の昼食やおやつを決めた)

(銀杏)

岡田美術館杯第50期女流名人戦五番勝負は1月14日開幕

西山朋佳女流名人に福間香奈女流四冠が挑戦する岡田美術館杯第50期女流名人戦五番勝負は、神奈川県足柄下郡箱根町「岡田美術館 開化亭」で開幕します。女流四冠同士の頂上決戦です。
西山女流名人は初防衛、2連覇を目指す戦い。現在、タイトル獲得数は通算15期で林葉直子さん(退会)と並んで歴代4位タイ。防衛すれば、単独4位となります。
対する福間女流四冠は第48期以来の五番勝負登場。また、昨年に結婚して今年から福間姓(旧姓・里見)に変わって初めてのタイトル戦でもあります。
立会人は神谷広志八段。記録係は伊藤明日香女流初段。スポーツ報知の観戦記は大川慎太郎さんが務めます。対局は1月14日9時30分開始。持ち時間は各3時間。昼食休憩は12時から13時。
本局の中継は棋譜・コメント入力を玉響、ブログを銀杏がお送りします。よろしくお願いいたします。

【主催:報知新聞社】
https://hochi.news/shogi-igo/
【特別協賛:株式会社ユニバーサルエンターテインメント】
https://www.universal-777.com/corporate/culture/shogi/
【対局場:岡田美術館】
https://www.okada-museum.com/
【第1局の棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/kifu/50/joryumeijin202401140101.html

2023年2月24日 (金)

感想戦の様子

Img_6271 両者はYouTube動画でファンに挨拶してから、対局室に戻って感想戦が始まった。

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Img_6306 感想戦はかなり熱心に続けられた。

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以上で第49期五番勝負の中継を終わります。
ご観戦誠にありがとうございました。
(八雲)

終局直後の様子

Img_6175終局直後の様子。

Img_6192 インタビューを受ける西山新女流名人。

【西山新女流名人の談話】
――本局を振り返って、どのような対局だったでしょうか。
「こちらから玉頭での戦いに挑みまして。細い攻めだと思ったのですが、途中難しいかなと思っていました」

――序盤の作戦はいかがだったでしょうか。
「1歩得になったところは自信があるのかなと思っていたのですけど。考えてみると結構、(56手目の局面などで)△8七金とかもあって、手の組み合わせが難しいかなと思っていました」

――昼食休憩後、▲2五金(51手目)と金で攻めて行ったあたりはいかがだったでしょうか。
「攻めていくとしたらこういう感じなのかなと思っていました。ただ、自分の方の玉が結構薄いので、反動が厳しいかなと思っていました」

――2筋の攻防で強気な攻めが見られましたが、あのあたりはどういう考えで指されていましたか。
「△2二角(56手目)と引かれたところで、△8七金が結構厳しいことに気づいて。ちょっとまっとうに攻めたのでは厳しいかなと思って▲1五歩としました。予定変更ではあったので、その辺りはギリギリかなと思っていました」

――終盤は一進一退の攻防だったと思いますが、難しいと思った局面はありますか。
「△5五歩(108手目)と止められたあたりは結構難解なのかなと。形勢がちょっとわかっていなかったです」

――よくなったと思ったのはどのあたりでしょうか。
「▲3二歩成(131手目)と守りの金を外したところで、手になっていそうかなと思っていました」

――最終盤はどのような想いで指されていましたか。
「結構苦しいなと思っていた局面もあったので……でも、大きなミスをするとすぐ負けになってしまうので、そこは気を付けてやりました」

――初の挑戦で女流名人となられました。いまのお気持ちを聞かせてください。
「結果はなんとか幸いしましたが、内容はよくないところもあったかなと思いますので、そこは反省して、今後も頑張りたいなと思います」

――女流三冠に返り咲いて、今後の抱負を聞かせてください。
「目の前の1局1局を大事に今後もやっていきたいなと思っています」

Img_6232 同じく伊藤前女流名人。

【伊藤前女流名人の談話】
――本局を振り返っていかがでしたか。
「先手から仕掛けられたので、それに対応していくような展開になったかなと思います」

――序盤戦はどのように感じていましたか。
「難しいかなと感じていました」

――▲8六同歩(45手目)で昼食休憩に入りましたが、このあたりはいかがでしたか。
「駒がぶつかったところなので、慎重に読みを入れていたという感じです」

――終盤、▲4一馬(123手目)に△2一銀と引いたあたりの形勢判断はいかがでしたか。
「しっかりと指せれば難しいかな、ぐらいはあるんじゃないかなとも思ったのですけど。やっぱりちょっと上が開けるまで時間がかかるので。なかなか先手玉のほうに迫る手も難しそうかなという感じで。本譜はうまく指されたなという感じです」

――最終盤はどのような思いで指されていましたか。
「どこかでこちらが間違えてしまったような感じがしていたので。もうちょっとこう、自玉が見えなくなる手を探したかったですけど、ちょっと私には見えなかったです」

――今シリーズを振り返っていかがでしたか。
「全部対抗形の将棋になって。自分なりにいろいろと頑張ってきたつもりではあるのですけど。中盤以降に課題が残る将棋が多くなってしまって。その辺りが反省です。西山さんと4局指せたので、それはとても、自分にとっては大きい経験になったかなと思います」

――女流名人というものを背負っての1年間はどのような1年でしたか。
「獲ってみないとなかなか味わえない経験を1年間させていただいたので、とても感謝しています。1年で失ってしまうのは悔しいといえば悔しいのですけど、自分なりに一生懸命やった結果ですので、しっかりと受け止めて、また前を向いて歩いていきたいかなと思います」

――来期はリーグから挑戦となりますが、来期に向けての想いを聞かせてください。
「リーグ戦なので、1局1局の積み重ねですので。自分の力を出し切れるような将棋を指せたらなと思っています」


(八雲)

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