2024年1月14日 (日)

10時50分ごろの控室

控室は立会人の神谷広志八段、大盤解説担当の井出隼平五段と竹部さゆり女流四段、常務理事の清水市代女流七段が継ぎ盤を囲んでいます。
純粋居飛車党の清水女流七段「私、最近三間飛車を指したんですよ」
一同「えっ!」
清水女流七段「(1月5日に行われた)指し初め式で」
といった、茶目っ気ある話も多くて、午前からにぎやかです。(銀杏)

Dsc_7059 (控室の様子)

駆け引きのある出だし

20240114_7図は7手目▲9六歩の局面。初手から▲7六歩△3四歩▲1六歩△1四歩▲7五歩△5四歩▲9六歩と進んだ局面です。
二人の女流棋戦の対戦成績は西山29勝、福間34勝。
西山先手の対局は32局あり、そのうちの24局が▲7八飛でした。初手▲7六歩自体は普通なのですが、▲西山-△福間戦では6局しかなく、2022年10月の第44期女流王将戦三番勝負第1局以来と、比較的珍しい出だしでした。
そして、図の▲9六歩は前例が十数局しかない指し方。福間女流四冠は5分使って△8四歩と居飛車を明示。駆け引きのある出だしでした。
(銀杏)



Dsc_6981 (女流名人初防衛を目指す西山女流名人)

午前のおやつ

10時30分になり、午前のおやつが出されました。西山女流名人がいちご大福とアイスコーヒー。福間女流四冠はアイスミルクティー。
(銀杏)

Dsc_7053 (西山女流名人のおやつ)

Dsc_7008 (福間女流四冠はアイスミルクティー)

節目の年の女流名人戦

今期女流名人戦はちょうど50期目。女流棋士の制度ができて50年目ということでもあります。
1974年10月に「第1回女流プロ名人位戦」(現在の女流名人戦のこと)が創設されて、蛸島彰子三段、関根紀代子二段、多田佳子二段、山下カズ子初段、寺下紀子初段、村山幸子初段が出場。この6人が女流棋士1期生です(女流棋士制度設立当初は、肩書が「女流○段」ではなかった)。2024年1月現在、現役女流棋士は80人。およそ50年で大きく発展していきました。
第1回は奨励会経験者の蛸島三段がシード。ほかの5人がトーナメントで争って、勝ち上がった寺下初段が蛸島三段と三番勝負を戦いました(第8期から五番勝負に移行した)。三番勝負は2連勝で蛸島三段が制して、初代女流名人に輝きました。
(銀杏)

対局開始

Dsc_6951 (対局開始直前の様子)

Dsc_6969 (西山女流名人の初手は▲7六歩)

Dsc_6978 (福間女流四冠は△3四歩と応じた)

(銀杏)

対局開始前

Dsc_6883 (9時15分ごろ、福間女流四冠が対局室に入る)

Dsc_6889 (数十秒後に西山女流名人が入室)

Dsc_6900 (西山女流名人が王将を据える)

Dsc_6952 (駒を並べる福間女流四冠)

Dsc_6928 (富士本淳・ユニバーサルエンターテインメント代表取締役社長が振り駒を行った)

(銀杏)

本日のスケジュール

おはようございます。今日の箱根町は快晴です。(銀杏)

スケジュールは以下の通りです。

9時30分 対局開始
10時30分 午前のおやつ
12時   昼食休憩
13時   対局再開
13時30分 YouTube大盤解説開始
14時30分 午後のおやつ

Dsc_6855 (岡田美術館の庭園)

2024年1月13日 (土)

開幕式(4)

記念撮影を終えた両対局者は退室。立会人の神谷広志八段、大盤解説の井出隼平五段と竹部さゆり女流四段が第1局の見どころを話しました。

Dsc_6753

Dsc_6776(和やかな雰囲気で見どころを話していた)

神谷広志八段「西山さんが先手だと初手▲7八飛と回るんですが、この二人だけの定跡というのがあるんですよね。意外に攻め合う展開が少なくて、西山さんが一方的に攻めるか、福間さんがうまくいなすか。その辺りが見どころだと思います」

井出隼平五段「序盤から激しくなるときもあれば、泥仕合みたいな将棋になることもあるし、本当にどうなるかまったく分からないです。お二人とも相手が居飛車党だと正統派の振り飛車を指すんですが、なぜかこのお二人がぶつかると、誰もやらない不思議な相振り飛車に突入するんですよね。外から見たら分からないですが、二人のなかでは発展しているんでしょうね。それを高め合っていくのがお二人の番勝負だと思うので、明日もそれが見られることを楽しみにしています」

(写真=銀杏、書き起こし=玉響)

カテゴリ