【対局者あいさつ】
里見香奈女流名人
「皆さまこんばんは。本日はこのような前夜祭を開いていただきまして、また多くの方に来ていただきまして、ありがとうございます。やはり出雲に帰ってくると私も落ち着きます。女流名人戦は毎年最初のタイトル戦で非常に楽しみな対局です。第1局は残念ながら落としてしまいましたが、その直後に地元の方からメールをいただきましてとても励まされ、また『出雲に応援にいくよ』と言って各地からたくさんの方に来ていただくことにもいつも励まされています。明日は自分のいま持っている力をすべて出しきれるように、自分の将棋を指したいと思っています。本当にたくさんの方に感謝しております。その分、明日は一生懸命頑張りたいと思います。ありがとうございました」
清水市代女流六段
「改めまして、皆さまこんばんは。挑戦者の清水市代です。こうして会場を見渡しますと本当に皆さん、いいお顔の色になっておられます。柔らかくて、本当に優しくて、そういう笑顔でこの温かい前夜祭を開催していただきまして、誠にありがとうございます。改めてよくよく拝見いたしますと、さすがスーパースター里見香奈さんのお地元ですね。『里見後援会』の皆さま、あとは『香奈ちゃんファンクラブ』の方々、まさに里見応援団の大集合で、大変うらやましく思っております。しかしそう申し上げております私も盤を離れますと、一途で、謙虚で、屈託のない里見香奈の応援団のひとりでもあります。ですので、今日はお仲間とご一緒させていただいている気分で、大変楽しく、うれしいひと時を過ごさせていただいております。ただ私も出雲に何度も来させていただいておりますうちに、たくさんの方々とよいご縁を結ばせていただいております。そして、来るたびに『清水市代応援団』も増えつつあります。そんな応援してくれる方々のためにも、明日は自分らしい将棋を表現できるよう、しっかり頑張りたいと思います。そして最強のタイトルホルダーであります里見女流名人に精一杯挑みたいと思います。どうぞ今後も女流名人戦に注目のほど、よろしくお願い申し上げます」
(「里見後援会」「香奈ちゃんファンクラブ」の皆さんを探す?清水市代女流六段)
(翔)
【主催者あいさつ】長岡秀人 出雲市長
「大変な寒波が近づいておりますが、そんな中でたくさんの皆さんがご出席をいただきまして、前夜祭が盛大に開催されますことを心から感謝を申し上げたいと思います。清水先生、ようこそ!今日は本当にこちらに来られるのかどうか、飛行機は無事に到着するのかなと心配しておりまして、いま安心したところでございます。また里見さん、元気な姿を見せていただいてありがとうございます。
里見さんが清水さんからタイトルを奪取して、その就位式で『里見さんが女流名人を保持し続ける限り、防衛戦は必ず故郷・出雲で開催します』と約束して以来、これで6回目の開催になります。そのうち清水さんとの対局はもう4回目になるということで、この出雲での開催になくてはならないおふたりと言えます。明日は歴史に残る、記憶に残る戦いが展開されるものと期待をしております。これから将棋ファンが世界にもっと広がり、その中で出雲出身の里見さんが大きく羽ばたいていただくことを、そしてその前に立ちはだかる大きな壁として清水先生がご活躍なさいますことを心から念じまして、ごあいさつと代えさせていただきます」
【特別協賛社あいさつ】小林忠 岡田美術館館長
「『岡田美術館杯』と、聞き慣れない美術館の名前が冠につきましたが、特別協賛である株式会社ユニバーサルエンターテインメントの傘下にあります。社会貢献の文化事業を3年前の秋から始めたところで、まだヨチヨチ歩きの美術館でございます。心豊かな、盤上の平和な戦いをする、日本の伝統文化として親しまれている将棋の、女流名人戦という大変伝統ある棋戦にご縁をいただきまして、関係者のご理解に厚く感謝をするものでございます。女流棋士の最高峰の里見女流名人、清水女流六段、このおふたりの先生方がご健闘をなさることを心より期待し、お祈り申し上げます。関係者の皆さま、どうぞおふたりの対局を優しく見守っていただければと思います」
(原成充 日本将棋連盟島根県支部連合会会長による乾杯)
(翔)
18時半より出雲市「ニューウェルシティ出雲」で前夜祭が行われました。
(大勢の方が参加した前夜祭)
(両対局者が入場)
【主催者あいさつ】石尾伸 報知新聞東京本社 執行役員ビジネス局長
「今日は多数の方にお越しいただきまして、ありがとうございます。雪模様ということで心配しましたけれども、無事に前夜祭を開催できることをうれしく思っております。今年から『岡田美術館杯』と名称を変えまして、先週は第1局を箱根で行い、大熱戦の末に清水さんが先勝されました。そして明日は第2局です。出雲には6年連続でお世話になりますが、地元であります里見さんが巻き返しをされるのか、それとも清水さんが奪取に王手という形に持ち込むのか。いずれにせよ熱い戦いを期待しております」
【主催者あいさつ】東和男 公益社団法人日本将棋連盟 常務理事
「今日は岡田美術館杯女流名人戦第2局の前夜祭に、多くの皆さまにご出席をいただきまして、本当にありがとうございます。出雲で対局を行うのは恒例になっておりますけれども、今年は第2局になりました。里見さんのホームグラウンドで、挑戦者の清水さんにとってはアウェイになるかもしれませんが、おそらくご本人はまったくそう感じておられないと思います。清水さんは女流名人を10期務め、今回の挑戦をあわせると女流名人戦の登場は20回になるわけですね。数々の実績を積み上げられてきましたし、そのようなことに動じることはないのではないかと思っております。実際にほかのタイトル戦の防衛戦では『ただいま!』と言って、地元のファンの心を鷲づかみにしました。清水さんには瞬時にファンの心をつかむという魅力がございます。挑戦者の先勝で始まりましたが、仲間内では『清水さんの指し方に工夫がある』と言う人がたくさんいます。おそらく清水さんが『変身したお姉さんをご覧なさい、受けて立ってみなさい』と言われているのではないかと思っております。
里見さんは女流名人、タイトル四冠と同時に、奨励会三段という立場でもあります。皆さんはどちらも頑張ってくださいという気持ちでいっぱいでしょうが、戦う本人はそれらの対局で気持ちの持ち方が違うと思います。奨励会三段と言いましても、あくまで修行中の身です。勝たなければ、その後ろにあります『棋士』というものをつかみ取ることはできません。ですから奨励会ではなりふり構わずに自分のペースで戦いに臨めばいいのですが、女流タイトル戦ですとご支援をいただいている方やファンの目を背負って戦わなければなりません。明日の勝負の行方を、温かい目で見守っていただきたいと思っております」
(翔)
皆さんこんにちは。里見香奈女流名人に清水市代女流六段が挑戦する第42期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負第2局は2016年1月24日(日)9時より、島根県出雲市「出雲文化伝承館」で行われます。
先手は清水女流六段。持ち時間は各3時間です。
立会人(大盤解説)は脇謙二八段、記録係は桝田悠介三段(井上慶太九段門下)、大盤解説会聞き手は室田伊緒女流二段が務めます。
Twitter解説は牧野光則五段が担当します。
本局の模様は棋譜・コメント入力を虹記者が、ブログを翔が担当してお届けします。どうぞよろしくお願い申し上げます。
(翔)