第66期王将戦七番勝負第5局 Feed

2017年3月 2日 (木)

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A532 (感想戦は19時48分に終了)

A543 (同じころ、閉会した大盤解説会場の隅では、人だかりができていた)

A534 (第5局を振り返る佐渡支部のみなさん。熱心に検討していた)

以上で本局の中継を終了します。ご観戦ありがとうございました。

A435_2 (郷田真隆王将は3連敗後の2連勝)

――21手目▲3五歩の新手は以前から温めていたのでしょうか。

郷田「最近、考えていた手でした」

――封じ手の局面はどのように考えていましたか。

郷田「△6二角(封じ手)で手がないということがわかっていなかった。もう少し何とかなるかと思っていたのですが……。33手目▲3六歩は苦しめの手なんですけど、せめて銀を中央に使える味を残そうということで」

――結果的に▲3六歩が生きましたか。

郷田「そうですね、その前を思えば少しは」

――どこでよくなったと感じましたか。

郷田「銀桂交換して、と金ができて、飛車が安定したので、そこはやれるような気がしました(55手目▲2一歩成から63手目▲2六飛のあたり)。ただ、決めるとなると先は長い。わからないまま指していました。勝ちだと思ったのは、詰みが見えたところです」

――第6局に向けての抱負を聞かせてください。

郷田「ベストを尽くして指すだけです」

A449 (敗れた久保利明九段)

――21手目▲3五歩の対応はいかがでしたか。

久保「いろいろありそうなところでしたが、本譜がいちばん大駒を使えそうなイメージがありました」

――封じ手のあたりはどのように考えていましたか。

久保「少し模様がいいのかなと思っていましたが、相変わらず手が広いので、ちょっとわからなかったです」

――その後の展開はいかがでしたか。

久保「37手目▲6七銀でやる手がわからなくなりました。もしかしたら(34手目△6五銀で)歩を取ったのがよくなかったかもしれませんが、ほかの手もわからなくて。△2六歩と▲2四歩(42手目と43手目)の打ち合いはよくなかったと思います。3五銀を取れても、と金を作られてしまうので」

――第6局に向けての抱負を聞かせてください。

久保「仕切り直して頑張りたいと思います」

A433 (終局直後)

20170302b

郷田真隆王将に久保利明九段が挑戦する第66期王将戦七番勝負第5局は、19時11分に153手で郷田王将の勝ちとなりました。消費時間は▲郷田7時間53分、△久保7時間59分。勝った郷田王将は2勝3敗としました。
第6局は3月14・15日に浜松市「グランドホテル浜松」で行われます。(銀杏)

127「後手がこれほど攻める展開になるとは、先手は驚きの勝ち方だね」と佐藤八段。先手玉は怖い形にも見えますが、まだ先手が残しているようです。図から△4一歩▲7九香と進んだ18時44分、佐藤義八段は対局室に向かいました。


107郷田王将は▲6九歩(図)と自陣に手を入れました。万が一にも負けられないという思いを感じます。ただ、勝負は長くなりそうです。形勢は先手よしと見られていますが、「後手は元気が出たのでは?」という声も。


A428 (時刻は18時、加茂湖の水面に揺れる街の灯)

92郷田王将、図から▲3二竜△同金▲1二飛と進めました。後手の囲い崩しに手をつけようとしています。先手の持ち駒はかなり強力で、次は▲5四香が厳しそう。久保九段は耐える終盤戦になりそうです。「粘りのアーティスト」の本領発揮なるか。


A051(苦しい将棋になった久保九段。ここからは粘り強い指し回しが求められる)

S1佐藤義八段にここまでの流れを解説してもらいました。

「△3七歩(1図)は凝った手ですが、以下▲2六飛△3八歩成▲同金△3四歩に▲3七桂が銀取りの先手になりました。後手が少し苦しくしたと思います」


S2「▲3六同飛(2図)には△2一金のほうが先手も迷ったと思います。本譜は△3五銀と辛抱しましたが、以下▲1六飛△2一金▲3六歩に△4四銀と銀を引かされ、さらに▲2六飛△3一金に▲2四とが間に合いました」


S3「3図で△2二飛としましたが、これは後手が苦しいと認めた手です。▲2三と△5二飛▲2四と△2二飛の千日手になるならいいと」(実戦は▲2九飛△5一角▲2三歩で先手が打開)


S4「▲3四と(4図)とは、しゃれたと金寄りです。△同銀なら▲2二歩成△同金▲3四桂です」

先手は2筋で作ったと金をうまく活用しました。


68図は6二にいた角を5一に引いた局面。宮田敦六段は「先手有利」から「先手優勢」に評価を上げました。

以下▲2三歩△3二飛▲4六桂まで進んでいます。佐藤義八段も「先手の調子がよさそう」と同調しています。


A041 (郷田王将がペースを握った=2日目朝に撮影)

62_2 1図で宮田敦史六段の形勢判断は「先手有利」。現地控室も同じ判断です。実戦は以下▲2六飛△3一金▲2四と(2図)と進みました。どれも駒の働きをよくする手であり、本筋といわれています。


652図で予想されているのは△2二飛。次に△3三銀を見ています。△2二飛に(1)▲2三と△5二飛▲2四と△2二飛は千日手。この順は先手が選ばないでしょう。(2)▲2九飛は有力で△4五銀直や△3三銀が飛車取りにならないようにしています(6二角のラインを避けている)。「▲2九飛は格調高いね」と佐藤義八段。


A406 (続々・佐渡のお菓子。佐渡の「金」は歴史的に有名だ)

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