2025年2月 5日 (水)

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図の60手目△4九角の局面で永瀬九段が43分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲永瀬2時間25分、△藤井28分。対局は13時30分再開です。対局者の1日目の昼食は、永瀬九段が「うな丼(う巻き、お吸い物、香の物)」、「ハーブティー」。藤井王将は「手打ちそば(鉄火丼、香の物)」、「煎茶」でした。

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図は47手目▲2四同飛の局面。△2三歩なら穏やかですが、後手守勢になります。右玉はカウンターの作戦。歩を持った藤井王将は△3五歩と反撃しました。▲同歩なら△3六歩と桂頭を攻められます。
実戦は△3五歩以下、▲4五歩△2三歩▲2六飛△4五歩▲3五歩△8六歩▲同歩△8五歩と進行。後手は△2三歩といったん受けましたが、やはり歩を持ったことを生かして△8六歩と攻めています。

Dsc_2019 (永瀬九段は藤井王将の反撃に対応する展開に)

10時30分になり、1日目午前のおやつが出されました。
永瀬九段は「四つ星苺のシャルロット 練乳エスプーマとトンカ豆ソース」、「金の抹茶」、「ジャスミンコンブチャ」、「無農薬国産ベルガモットオレンジソーダ」。藤井王将は「どら焼き 珈琲小豆餡」、「金の抹茶アイスラテ」。

Dsc_2157 (永瀬九段のおやつ。抹茶に金箔がのっている)

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Dsc_2153 (藤井王将のおやつ)

Dsc_2144(どら焼きに「ときと」のとの焼印が入っている)

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9時に始まった本局は、永瀬九段の角換わりを藤井王将が受けて立ちました。図で藤井王将が趣向を見せます。数手前に△6二金と上がったばかりなのに、△5二金と寄ったのです。6一の金は1手で△5二金とできるため、藤井王将はわざと1手損の動きをしたことになります。

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上の図から△5二金▲5八金△6二玉で下の図に進んでいます。藤井王将は右玉を選びました。2024年度に入ってからの藤井王将は、後手角換わりでは右玉や△3三金型を採用する傾向にあります。
永瀬九段は1月の第83期順位戦A級8回戦の千田翔太八段戦で、下図で右金が4八の局面を経験して勝っています。藤井王将が▲永瀬-△千田戦の進行を避けたと考えられます。
そして、永瀬九段も▲6九玉とまっすぐ引いてから▲7九玉としてわざと1手損しました。前例や双方にとっての理想形をめぐる駆け引きが行われています。

Dsc_2101 (右玉を採用した藤井王将)