第63期王将戦七番勝負第7局 Feed

2014年3月27日 (木)

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15時40分、羽生三冠は歩を打たれた図の局面で時間を使っている。当初は「千日手」と言われていたが、検討が進むと「ここから▲8七金△8六金▲7八金△8七金▲同金のときに、△8六歩▲同金△7七金(参考図)という攻めもあるのでは?」という意見が出た。

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先手陣の金が一枚なくなった瞬間に角の利きを生かして攻める。次の△8七歩が厳しく、受け方が難しいのではと言われている。

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渡辺王将が玉頭から攻めかかる。△8五歩(図)は手筋のたたき。▲同金は△8七歩でそれまでなので▲8七金と引くよりないが、そこで△8六金とかぶせると、▲7八金△8七金▲同金△8六金▲7八金△8七金……と千日手の筋がある。少なくとも先手は避けようがない。控室では関係者が千日手になった場合について話し合っている。
七番勝負で前回千日手になった例は、2007年3月に行われた第56期の第6局、▲羽生善治王将-△佐藤康光棋聖戦(肩書きは当時)。対局場は本局と同じ今井荘だった。

河津七滝を構成する七つの滝は下流側から大滝(おおだる)、出合滝(であいだる)、かに滝(かにだる)、初景滝(しょけいだる)、蛇滝(へびだる)、えび滝(えびだる)、釜滝(かまだる)。大滝は現在遊歩道が工事中で、一般見学は不可。温泉旅館「天城荘」の露天風呂から見ることができるそうだ。出合滝から先は遊歩道を登りながら順々に見ることができる。今回は時間の都合もあり、蛇滝までを写真に収めて引き返した。

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(出合滝。2つの流れが合流する地点にあることからこの名がついている)

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(かに滝)

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(初景滝。手前には「踊り子と私」のブロンズ像が。天城峠は川端康成『伊豆の踊子』の舞台になった)

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(へび滝。玄武岩の模様が蛇のうろこに見えることからこの名がついたという)

河津七滝(かわづななだる)はその名の通り七つの滝が集まった観光地。河津駅からバスに20分ほど乗って行くことができる。名物のわさびを使った料理があり、1日目に羽生三冠が注文した「わさび丼」もメニューにある。停留所の「河津七滝」ではわさびソフトクリームが売っていた。わさびの香りが微かにし、ほのかな辛みが舌を刺激する。

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13時55分ごろ、大盤解説会場では図の局面で次の一手クイズが出題された。羽生三冠が▲7五金と玉頭に応援を送り、渡辺王将が△7四銀打とつないで銀取りを受けた局面だ。候補手は(1)▲3一飛成、(2)▲7四同金、(3)その他。「(その他以外の)2択が当たったら拍手をお願いします」と飯島七段。

実戦、羽生三冠は▲6五金とこちらの銀を取った。△同銀と取り返して駒台の金と銀を交換した形だ。相穴熊では金の価値が高いだけに、こう金を差し出すのは意外に思える。羽生三冠の真意はどこにあるのだろう。
控室には勝又清和六段が訪れて検討中。やがて解説会場から帰ってきた飯島七段、「外れました」とぼつり。

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