2026年3月26日 (木)

終局直後

終局直後
(終局直後)

藤井聡太王将

▼防衛を果たした藤井聡太王将へのインタビュー

── 今の率直な感想を。
藤井 カド番になった時点で厳しい状況と思っていたので、防衛できたのは幸運だったと思います。シリーズを通して課題が出たと感じているので、とりあえずしっかりと見直して、次につなげていけたらと思います。

── 1日目の進行について。
藤井 本譜は比較的自然な順を選んだつもりではいました。△3八角(54手目)に▲2六飛~▲3五歩が成立するかがポイントかなと考えていて、どこかで▲6六角や▲7七角のラインに打つ手に期待してどうかなと思っていました。

── 封じ手の△3八馬(58手目)は。
藤井 いちばん強い手なのかなと思っていました。

── 控室では▲4五桂(59手目)の辺りで早くも藤井王将優勢との評判でしたが、▲4七角(77手目)と打つまでの対応について。
藤井 △3八馬(64手目)と入られて▲6九飛と逃げるか▲5九飛と逃げるかの比較だったのですが、本譜は受けの形に期待をして▲5九飛を選びました。

── 勝ちを確信したのは。
藤井 ▲5八銀(81手目)~▲4五銀と出て、玉を安定しながら攻めていける形になったかなと感じました。

── 2日制の七番勝負としては初のフルセットでした。シリーズ全体を振り返って。
藤井 全体として厳しいシリーズだったと感じています。得に後手番のときに作戦負けから、そのまま押し切られる将棋が多かったので、その辺りは大きな課題だったかなと受け止めています。

── 永瀬九段との戦いについて、これまでとの違いはありましたか。
藤井 こちらも後手番のときの作戦は結構考えたのですが、結果として的確に対応されてしまうことが多くて、永瀬九段の力を感じましたし、こちらが先手のときも角換わりの中で工夫の手を指されて、その辺りは勉強になることが多かったと思います。

── 印象に残った対局、印象に残った手は。
藤井 第3局は、こちらの作戦に対していちばん強い対応をされて、そのあとも完璧に受けられてしまう展開になったので、私としては印象に残っています。

── 29日(日)には同じカド番の棋王戦第5局があります。
藤井 すぐにあるので、本局と同じく盤上に集中する気持ちで頑張りたいと思います。

永瀬拓矢九段

▼敗れた永瀬拓矢九段へのインタビュー

―― ▲3五歩(57手目)のあとの長考について。
永瀬 △4九角成(56手目)を少考で指してしまったのですが、代えて△6五銀と比較すべきだったということと、▲3五歩の局面での展望があまり浮かばず、困ったなという感じはしました。

── では、その時点ですでに形勢は苦しいと。
永瀬 そうですね。1日目の段階で、どう粘るかを考えていたので、もう少しうまく粘らなければいけなかったと思います。△3八馬(64手目)のときに▲6九飛をメインに考えていたので、▲5九飛のほうもしっかり読まなければいけなかったと感じています。

── 控室では永瀬九段の充実ぶりが指摘されていた。
永瀬 そういった手応えはなく、3勝1敗になったときは次の先手番がチャンスと思っていました。そのときにもっと主張できていれば、もう少し楽しみがあったのかなと。戦い方を考えなければならない課題が浮き彫りになったかなと思います。

―― 次の戦いの舞台に向けて。
永瀬 はい、またタイトル戦に出られるように頑張りたいと思います。

※インタビュー書き起こし:虹/写真撮影:夏芽