永瀬九段の先手番ということで前夜祭では高橋佑四段が角換わりを本命として予想していましたが、後手番の藤井王将が△3四歩~△4四歩と角道を止めて雁木模様になりました。ALSOK杯第74期王将戦七番勝負第5局でも現れた戦型で、藤井王将が永瀬九段に勝って防衛を決めた一局です。その第5局では△4三銀~△3二金とオーソドックスな雁木に組んでいましたが、本局は△5二金右~△4三金~△5四金!という現代的な構想が出ました。
歩越しの金は腰掛け銀と違って後ろに戻れないため、古くから悪形とされてきました。現代将棋ではこうした常識にとらわれない駒の使い方がよく出てきます。雁木模様で増えている指し方でもあり、金の力で左右両面ににらみを利かせています。最も直接的な狙いとして△6五金~△7六金と角頭を脅かす筋があり、これを受けて▲6六歩と突くのは、▲8八銀との相性が悪いことに目をつけています。序盤から一手一手が難しい展開になりそうで、興味深い戦いになりました。


