2026年2月

2026年2月 3日 (火)

対局室には永瀬九段、藤井王将の順に戻りました。再開から比較的早く手が進み、戦いが激しさを増していく様子がうかがえます。対局者の表情は険しく、まるで2日目のような緊張感が漂っていました。

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12時30分、永瀬九段が16分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲永瀬九段1時間10分、△藤井王将1時間52分。昼食の注文は藤井王将が梅山豚炭火焼カツ、ほうじ茶。永瀬九段が海鮮重、ハーブティー、ホットコーヒー。永瀬九段はデザートに立川苺のショートケーキを頼んでいます。カツは茨城県産の梅山豚(メイシャントン)を使い、炭火で焼いてから揚げました。パン粉にはアーモンド、ソースに焼いたキャベツで香りづけをしています。海鮮重はバルサミコ酢と赤ワインを使った寿司飯が特徴的。具材はキンメダイ、ホタテ、サワラ、トロ、モンゴウイカ、クルマエビ、イクラです。対局は13時30分に再開されます。

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控室では奨励会員の川村悠人三段(小倉久史八段門下)と木村友亮三段(門倉啓太六段門下)が島九段と検討しています。島九段は「1日目は高橋佑二郎さんがいないので、立会人の解説を依頼しました」とにっこり。川村三段は昔から面識があり、ここ数年は練習将棋を指すようになったとのこと。木村三段は島九段が教室で教えていた生徒だったそうで、島九段は「昔は二枚落ちで教えていたけど、今は落とされる側です」とおどけていました。
本局について聞くと、3人とも永瀬九段の消費時間の少なさに驚いていました。川村三段は「前例がないのに、こんなに早く指せるとは……。永瀬先生には普段から教わっているので肌で感じていますが、さすがの周到さですね」、木村三段は「藤井王将は珍しめの作戦をぶつけてきたと思いますが、守備範囲が広いです」と話します。島九段は「今の三段の方はよく勉強されている。将棋の最先端を作っている存在です」とうなずいていました。

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(川村悠人三段)

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(木村友亮三段)

対局場の「オーベルジュときと」は2023年に開業しました。西国立の老舗料亭「無門庵」の跡地に建てられ、正門は当時の建造物が利用されています。無門庵はかつて立川飛行場で訓練を積んでいた将兵の定宿だった逸話もあり、運営する立飛ホールディングスと縁のある場所といえます。ALSOK杯王将戦七番勝負は3期連続の開催。藤井王将は2戦全勝、永瀬九段は前期に初めて対局して藤井王将に敗れています。

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10時30分、午前のおやつの時間になりました。藤井王将の注文は百合根金団(きんとん)、狭山茶ほのか。永瀬九段の注文はエクレア、金の抹茶アイスラテ、ハンドドリップコーヒー。百合根金団は渋い味わいに仕上げた和菓子で、百合根の素揚げが添えられています。エクレアはキャラメルチョコレートクリームを使ったものと、ミルクジャムカスタードクリームとイチゴを使ったもの2種類がセットになっています。

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永瀬九段の先手番ということで前夜祭では高橋佑四段が角換わりを本命として予想していましたが、後手番の藤井王将が△3四歩~△4四歩と角道を止めて雁木模様になりました。ALSOK杯第74期王将戦七番勝負第5局でも現れた戦型で、藤井王将が永瀬九段に勝って防衛を決めた一局です。その第5局では△4三銀~△3二金とオーソドックスな雁木に組んでいましたが、本局は△5二金右~△4三金~△5四金!という現代的な構想が出ました。

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歩越しの金は腰掛け銀と違って後ろに戻れないため、古くから悪形とされてきました。現代将棋ではこうした常識にとらわれない駒の使い方がよく出てきます。雁木模様で増えている指し方でもあり、金の力で左右両面ににらみを利かせています。最も直接的な狙いとして△6五金~△7六金と角頭を脅かす筋があり、これを受けて▲6六歩と突くのは、▲8八銀との相性が悪いことに目をつけています。序盤から一手一手が難しい展開になりそうで、興味深い戦いになりました。

現地の立川市は晴れ。風が冷たく、身が引き締まる朝です。対局室では記録係の吉田三段が駒を磨いて対局の準備を整えていました。やがて永瀬九段、藤井王将の順に入室。定刻の9時、島九段が開始を告げて対局が始まりました。

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2026年2月 2日 (月)

現地大盤解説会(事前申し込み制)は2日目に「たましんRISURUホール」で開かれ、高橋佑二郎四段と宮宗紫野女流二段が担当します。2月6日(金)には東京の駒テラス西参道で振り返り大盤解説会を行います。解説は佐藤和俊七段、聞き手は貞升南女流二段です。

【駒テラス西参道|振り返り大盤解説会】
https://www.shogi.or.jp/event/2026/01/alsok75_26.html

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対局の模様は囲碁・将棋チャンネル、U-NEXT、ABEMAで配信されます。両日とも昼食休憩までの視聴は無料、再開後は有料です。1日目の解説者は杉本和陽六段と山川泰熙四段、聞き手は貞升南女流二段。2日目の解説者は千田翔太八段と吉池隆真四段、聞き手は野原未蘭女流二段。2日目は齊藤優希四段が「棋士とつながるチャット観戦」を担当します。

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【囲碁・将棋チャンネル】
https://www.igoshogi.net/shogi/oushou/75th/75oushou_seven_battle.html

【U-NEXT】
https://t.unext.jp/r/oushousen

【ABEMA】
https://abema.tv/video/title/268-181

両対局者の退場後、対局の見どころが語られました。島九段は「藤井さんと永瀬さんの対局は開始1時間でダーッと手が進む。羽生(善治九段)-佐藤(康光九段)戦の頃は優雅な時間が流れて、2日目の最後にマラソンの100メートルのトラック勝負をやっていた。今回は序盤の5キロで決着をつけてやろうという感じ」と、昔とは時間の流れが変わったことについて語ります。高橋佑四段は「戦型は永瀬九段の角換わり腰掛け銀になると思う。藤井王将は新しい構想を出すかもしれないが、右玉と予想する」と明日の展望を語りました。日本将棋連盟の佐竹康峰常務理事が中締めのあいさつをし、前夜祭は盛会のうちに終了しました。

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(立会人の島朗九段=中央)

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(大盤解説会を担当する高橋佑二郎四段)

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(進行役を務めた宮宗紫野女流二段=右)

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(日本将棋連盟 佐竹康峰 常務理事)

両対局者は花束を受け取り、第3局に向けた決意を述べました。藤井王将は「立川に来ると王将戦も中盤の要所を迎えたと感じる。『オーベルジュときと』の食事とおやつは大きな楽しみ。温泉もあるということで、疲れを癒やして2日間集中したい」、永瀬九段は「私は飲み物を多く頼むが、たくさん用意していただいていて私をもってしても厳しい。食べ物や飲み物も注目していただけたら。明日は先手番。積極的に、全力で頑張りたい」と語りました。

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(藤井聡太王将)

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(永瀬拓矢九段)

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(立飛グループのイメージキャラクター、たっぴくん・たっぴちゃんも会場に訪れた)