2026年2月
終局直後
――序盤について。
永瀬 △7四歩(12手目)に対して本譜の▲4四銀(53手目)までは進めてみようと思ったんですけども、理解度がそんなに深くはなかったので、一手一手時間を使って考えていました。
――▲4八金(51手目)も予定だったか。
永瀬 はい、指してみようと思いました。
――封じ手については。
永瀬 飛車を回る手から考えてみようと思っていたんですけど、8六に金がいるとすぐ詰む詰まないになってしまうので、読みを入れて指していました。強い手を続けていかないと8六の金が明確な主張になってしまうかなと感じていました。すぐ終盤になりそうなので、こちらの誘導ではあるんですが、難しいかなと感じていました。
――▲9五角(65手目)に長考した。
永瀬 難しいとは思ったんですけど、▲4三とか▲9五角か迷ったところではあった。こちらがなかなか安定しない形なので気を使って指していました。
――勝利に近づいたと思ったのは。
永瀬 ▲8六銀(77手目)が正しいかわからなかったんですが、少し安定する形になってめどが立ってきたかなという気がしました。
――第3局を振り返って。
永瀬 こちらが激しく注文をつけていく将棋で、途中まで予定ではあったんですが、局面としてはかなり難しい気がしたので、読みを入れて指す将棋だったのかなと。
――藤井王将に七番勝負で2勝1敗とリードしたのは永瀬九段が初めて。
永瀬 次は後手番ですので、しっかり準備したいと思います。
――序盤について。
藤井 序盤は手の組み合わせ自体は多いと思っていたんですけども、本譜は呼び込まれる形で、実際に進めてみると少し自信が持てない展開かなという気がしたので、そのあたり認識が甘いところがあったかなと感じています。
――金を繰り出していった。用意の作戦か。
藤井 そういった展開もあるのかなと思っていたんですが、進んだ局面が考えてみるとこちらに陣形のキズが多くて自信が持てない感じかなと思っていました。△8六金(38手目)としたあたりは部分的に先手玉に迫っているんですけど、そこからがなかなか前進できない感じなので、よい展開ではないかなと思っていました。
――2日目午前中の進行は。
藤井 先手がどれだけ激しく戦ってこられるかという感じなんですが、本譜は一番強い手を続けられて、なかなか変化の余地を見いだせなかったかなと感じています。
――△4三同金(70手目)に長考した。
藤井 昼休のあたりで本譜のように進むとちょっと足りないかなと感じていたんですけど、改めて手を探したんですが、難しかったかなという感じでした。△5七桂とか△8八金とか、先手玉に迫る手はいくつか考えられたんですが、いずれもよいタイミングで▲8四桂と打たれてどれも足りないかなと感じていました。
――一局を振り返って。
藤井 乱戦になったんですが、最初の形勢判断が甘くて、チャンスの少ない将棋になってしまったかなと感じています。
――七番勝負で1勝2敗は初めて。
藤井 第1局と第3局は内容としてはチャンスの少ない将棋だったので、もっと内容をよくしていかないといけないと感じています。
――第4局に向けて。
藤井 ここまでの反省点を踏まえて、よい内容にしていけるように頑張りたいと思います。
永瀬九段が勝って2勝1敗に
夕刻の控室
的確な攻め
長考の応酬もあって濃密な終盤戦ですが、永瀬九段が的確に攻めているとの評判です。控室では山口三段と須田初段が図から△8八金▲6八玉△7九金▲同金△5七銀▲7八玉△8八歩成▲同金△8七歩と詰めろをかける変化を調べていました。以下▲7一竜△同玉▲7二香△同玉▲6一銀△8二玉▲5五馬(参考図)と追います。
何を合駒するか。まず△6四香は▲7一銀△9二玉▲8二金△同飛▲同銀成△同玉▲6四馬△同歩▲8四香以下、合駒の香を使われて詰んでしまいます。では△6四桂はどうか。これは▲7一銀△9二玉▲8二金△同飛▲同銀成△同玉▲7二飛△8三玉のときに▲7五桂の妙手があり、△同歩に▲6五馬以下の詰みがあります。勝又七段は「桂合いの変化が感動的なんだ」とうなずき、いいものを見たという顔をしていました。
(継ぎ盤の近くには飛行機のプロペラを模したオブジェがある)
(こちらは立川市で出土した実物のプロペラが使われている)
2日目午後のおやつ
大盤解説会始まる
13時30分から「たましんRISURUホール」で現地大盤解説会が始まっています(事前申し込み制)。解説は高橋佑二郎四段、聞き手は宮宗紫野女流二段。昼食休憩時の▲3三歩成の局面から、△3八と▲4二と△同玉▲5四桂△同歩▲5三角△5二玉▲7一角成(参考図)という変化を解説していました。後手玉は受けなしですが、寄せる過程で桂を渡したために参考図の先手玉は△7七金▲同桂△8八歩成▲6八玉△4八飛▲5八金打△7六桂▲5七玉△4五桂▲6六玉△7五金という詰み筋が生じています。互いの玉が安泰とはいえないため、頓死筋に注意を払わなければいけません。高橋佑四段は「私だったらこの筋、食らっちゃいます」と話して会場の笑いを誘っていました。実戦は▲3三歩成に藤井王将が△5二金と辛抱し、こうしたワナを仕掛ける順は見送っています。

































