2026年2月

2026年2月 4日 (水)

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――序盤について。
永瀬 △7四歩(12手目)に対して本譜の▲4四銀(53手目)までは進めてみようと思ったんですけども、理解度がそんなに深くはなかったので、一手一手時間を使って考えていました。
――▲4八金(51手目)も予定だったか。
永瀬 はい、指してみようと思いました。
――封じ手については。
永瀬 飛車を回る手から考えてみようと思っていたんですけど、8六に金がいるとすぐ詰む詰まないになってしまうので、読みを入れて指していました。強い手を続けていかないと8六の金が明確な主張になってしまうかなと感じていました。すぐ終盤になりそうなので、こちらの誘導ではあるんですが、難しいかなと感じていました。
――▲9五角(65手目)に長考した。
永瀬 難しいとは思ったんですけど、▲4三とか▲9五角か迷ったところではあった。こちらがなかなか安定しない形なので気を使って指していました。
――勝利に近づいたと思ったのは。
永瀬 ▲8六銀(77手目)が正しいかわからなかったんですが、少し安定する形になってめどが立ってきたかなという気がしました。
――第3局を振り返って。
永瀬 こちらが激しく注文をつけていく将棋で、途中まで予定ではあったんですが、局面としてはかなり難しい気がしたので、読みを入れて指す将棋だったのかなと。
――藤井王将に七番勝負で2勝1敗とリードしたのは永瀬九段が初めて。
永瀬 次は後手番ですので、しっかり準備したいと思います。

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――序盤について。
藤井 序盤は手の組み合わせ自体は多いと思っていたんですけども、本譜は呼び込まれる形で、実際に進めてみると少し自信が持てない展開かなという気がしたので、そのあたり認識が甘いところがあったかなと感じています。
――金を繰り出していった。用意の作戦か。
藤井 そういった展開もあるのかなと思っていたんですが、進んだ局面が考えてみるとこちらに陣形のキズが多くて自信が持てない感じかなと思っていました。△8六金(38手目)としたあたりは部分的に先手玉に迫っているんですけど、そこからがなかなか前進できない感じなので、よい展開ではないかなと思っていました。
――2日目午前中の進行は。
藤井 先手がどれだけ激しく戦ってこられるかという感じなんですが、本譜は一番強い手を続けられて、なかなか変化の余地を見いだせなかったかなと感じています。
――△4三同金(70手目)に長考した。
藤井 昼休のあたりで本譜のように進むとちょっと足りないかなと感じていたんですけど、改めて手を探したんですが、難しかったかなという感じでした。△5七桂とか△8八金とか、先手玉に迫る手はいくつか考えられたんですが、いずれもよいタイミングで▲8四桂と打たれてどれも足りないかなと感じていました。
――一局を振り返って。
藤井 乱戦になったんですが、最初の形勢判断が甘くて、チャンスの少ない将棋になってしまったかなと感じています。
――七番勝負で1勝2敗は初めて。
藤井 第1局と第3局は内容としてはチャンスの少ない将棋だったので、もっと内容をよくしていかないといけないと感じています。
――第4局に向けて。
藤井 ここまでの反省点を踏まえて、よい内容にしていけるように頑張りたいと思います。

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七番勝負第3局▲永瀬拓矢九段-△藤井聡太王将戦は、91手で永瀬九段の勝ちとなりました。終局時刻は18時13分。消費時間は▲永瀬九段7時間25分、△藤井王将7時間53分(持ち時間は各8時間)。
シリーズ成績は永瀬九段の2勝1敗となりました。第4局は2月17、18日(火、水)に和歌山県和歌山市「和歌山城ホール」で指されます。

両者とも残り1時間を切りました。1日目のハイペースな進行からガラリと変わって力のこもった終盤戦になっています。苦しい藤井王将ですが、辛抱強い指し回しを続けています。検討陣からは「なかなか楽をさせてくれないね」と驚きの声が漏れました。

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長考の応酬もあって濃密な終盤戦ですが、永瀬九段が的確に攻めているとの評判です。控室では山口三段と須田初段が図から△8八金▲6八玉△7九金▲同金△5七銀▲7八玉△8八歩成▲同金△8七歩と詰めろをかける変化を調べていました。以下▲7一竜△同玉▲7二香△同玉▲6一銀△8二玉▲5五馬(参考図)と追います。

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何を合駒するか。まず△6四香は▲7一銀△9二玉▲8二金△同飛▲同銀成△同玉▲6四馬△同歩▲8四香以下、合駒の香を使われて詰んでしまいます。では△6四桂はどうか。これは▲7一銀△9二玉▲8二金△同飛▲同銀成△同玉▲7二飛△8三玉のときに▲7五桂の妙手があり、△同歩に▲6五馬以下の詰みがあります。勝又七段は「桂合いの変化が感動的なんだ」とうなずき、いいものを見たという顔をしていました。

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(継ぎ盤の近くには飛行機のプロペラを模したオブジェがある)

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(こちらは立川市で出土した実物のプロペラが使われている)

15時30分、午後のおやつの時間になりました。藤井王将の注文は狭山和紅茶(アイス)、国産オレンジジュース。永瀬九段の注文は百合根金団、いちご大福、金の抹茶、国産オレンジジュース、ハンドドリップコーヒー。藤井王将は定番の飲み物だけの注文。永瀬九段、立川産のいちごを使ったおやつを多く頼みました。

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13時30分から「たましんRISURUホール」で現地大盤解説会が始まっています(事前申し込み制)。解説は高橋佑二郎四段、聞き手は宮宗紫野女流二段。昼食休憩時の▲3三歩成の局面から、△3八と▲4二と△同玉▲5四桂△同歩▲5三角△5二玉▲7一角成(参考図)という変化を解説していました。後手玉は受けなしですが、寄せる過程で桂を渡したために参考図の先手玉は△7七金▲同桂△8八歩成▲6八玉△4八飛▲5八金打△7六桂▲5七玉△4五桂▲6六玉△7五金という詰み筋が生じています。互いの玉が安泰とはいえないため、頓死筋に注意を払わなければいけません。高橋佑四段は「私だったらこの筋、食らっちゃいます」と話して会場の笑いを誘っていました。実戦は▲3三歩成に藤井王将が△5二金と辛抱し、こうしたワナを仕掛ける順は見送っています。

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昼食休憩明けが近づき、対局室に永瀬九段、藤井王将の順に戻ってきました。両者とも盤面に没頭しています。形勢は永瀬九段がリードしているからか、表情にも明暗が出ているように感じられました。

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12時30分、藤井王将が46分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲永瀬九段4時間45分、△藤井王将6時間6分。昼食は両者とも中華そば白を注文しました。よく見る色の濃い醤油ではなく、白醤油を使った一品。チャーシュー丼と手羽唐揚げがセットになっています。永瀬九段はデザートに立川苺のショートケーキを頼んでいます。飲み物は藤井王将が和紅茶、永瀬九段がハーブティー、ホットコーヒー、ウーロン茶(アイス)。対局は13時30分に再開されます。

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控室には1日目に続いて奨励会員が訪れて島九段と検討しています。2日目は山口裕誠三段(伊藤真吾六段門下)、島九段の弟子の須田優輝初段が助っ人として登場。終盤の詰む詰まないの変化を一つ一つ調べています。継ぎ盤では駒を動かして視覚的にもわかりやすく検討できますが、対局者は当然ながら駒を動かさず頭の中で考えなければいけません。11時の時点で永瀬九段が約1時間長考していますが、それだけ膨大な読みの量を求められていることがうかがえます。

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(山口裕誠三段=左)

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(須田優輝初段は島九段の弟子)