2025年1月11日 (土)

共同記者会見

16時45分からSK駅前ホールで共同記者会見が行われました。

Dsc_8561(掛川茶PRアンバサダーと掛川市のご当地キャラ・茶のみやきんじろうと記念撮影)

Dsc_8614(続いて両雄のツーショット)

Dsc_8654(会見に臨む藤井王将)

【藤井王将への一問一答】

――明日から第1局が始まる。今の気持ちは。
藤井 永瀬九段と2日制のタイトル戦を戦うのはこの王将戦が初めてになるので、楽しみな気持ちがあります。2日制ですと一手一手深く考えて精度の高い将棋を指すことが求められると思うので、それができるように明日から2日間集中して戦っていきたいと思っています。

――永瀬九段との2日制は初めて。どのように臨むか。
藤井 永瀬九段は長時間の対局を得意にされている印象もあります。こちらも持ち時間を有効に使ってしっかり読みを深めていく必要があると思っています。

――昨年末から今年にかけて新しい何かを模索するという話をしている。今回の七番勝負で新しいことが出るのか。
藤井 今の段階で七番勝負を通してどう戦うかはっきり描いているわけではないですが、戦っていく中で少しずつ新しい工夫を考えていければと思っています。

――今年のタイトル戦が始まり、藤井王将には八冠奪還の期待もある。抱負について。
藤井 1月から王将戦が開幕して2月に棋王戦が始まり、叡王戦の本戦トーナメントも並行して進む形になります。去年の同じ時期と比べて対局も少し増えると思いますが、よいコンディションを維持して対局に臨めるようにしていければと思います。一年を通して具体的な目標を立てていることはないんですけれど、去年もタイトル戦をはじめいろいろな対局を通して感じた課題も多くあるので、それを改善していける一年にできるように取り組んでいきたいと思います。

――掛川では地元の方も今回の対局を楽しみにしている。ファンの方に何かあれば。
藤井 掛川で王将戦の対局をさせていただくのは私にとって今年で3回目になります。対局室の二の丸茶室は素晴らしい雰囲気ですし、前夜祭では地元の方に歓迎していただけるという印象を持っています。期待に応えられるように頑張りたいと思います。

――地元の食べ物で楽しみにしているものは。
藤井 まだメニューを見ていないのでどういったものをご用意していただいているか知らない状況なんですが、毎年いろいろな工夫をされていると感じるので今年も楽しみにしています。

――永瀬九段の印象はどうか。
藤井 永瀬九段は序中盤の研究の深さ、正確さはもちろんなんですけれど、中終盤においても一見気がつきづらい手をうまく拾って、例外的な好手を見つける力もすごく優れているのかなと思っています。2日制で長い対局になるので、こちらも気がつきづらい手も含めていろいろな手を探って、読みを深めていければと思っています。

――永瀬九段と体力勝負になることについては。
藤井 どういった展開になるかはまだわからないですが、長い勝負になったとしても最後まで集中力を切らさずに戦っていきたいと思います。

――永瀬九段は藤井王将にとってどのような存在か。
藤井 永瀬九段には私が四段の頃からVSで教えていただいていて、トップの棋士の将棋を直に知ることができ、将棋に対する取り組み方も含めて勉強になって、私を引き上げていただいたところがすごくあると感じています。今でも技術的な面、取り組み方の面、両面においてすごく刺激を受けている方です。

Dsc_8738(質問に答える永瀬九段)

 

【永瀬九段の一問一答】

――現在のご自身の状態、明日から第1局を迎える心境を。
永瀬 11月に挑戦権を得ることができて1ヵ月少しですが、その間対局が少なかったことが気がかりです。藤井王将はどんな状態でもよい将棋を指されるので、こちらがよい将棋を指すしかないと思いながら準備をしてきました。自分のコンディションとしては対局がないとわからないところがあるので、明日からの対局は手探りになると思っています。

――2日制で藤井王将に挑むことについて。
永瀬 私が2日制は2回目で本当に経験できていないので、その点も手探りです。藤井王将は近年、2日制の経験値がすさまじく高くなっているのでそこも大きいと思っています。やはり藤井王将と2日制を指したいと思いました。昨年行われた竜王戦などタイトル戦を拝見していますが、見るのと指すのでは違うと思いますので、違いを分析しながら対局をしていきたいと思います。

――藤井王将と4度目のタイトル戦になる。前と今で気持ちの違いはあるか。
永瀬 藤井王将がどういうふうに向かわれているか前回の王座戦で理解できましたので、咀嚼して自分のものにしながら、精神的なものも見習ってよい形にしていきたいと思いました。王座戦は結果としては振るいませんでしたが、大きな収穫があったと思いますので、それを生かしたいと思います。藤井王将は見て学ぶところが多い印象です。

――対局室を検分された印象は。
永瀬 前回の2日制のタイトル戦(第70期王将戦七番勝負)の第1局が掛川でしたので、その地に戻ってくることができたという実感が沸きました。対局室は再び来てみても素晴らしいと感じました。明日は冷え込むことが予想されるかもしれませんので、しっかり対策をして万全で臨みたいと思います。

――掛川の印象と、こども大会の参加者からは「2人とも応援したい」とあった。地元の将棋ファンへの思いも聞ければ。
永瀬 掛川はお茶がおいしい印象と、前回こちらに来たときはフレッシュジュースをたくさんいただきました。メニューで紅ほっぺとキウイのフレッシュジュースを見ましたので、大量にいただくのが楽しみです。こちらのフレッシュジュースは一段と格別なので、飽きるほど堪能しつくしたいと思います。こども大会はコロナ禍が明けまして、対面で行われる大会に顔を出すことができたのが久しぶりでした。たくさん熱気を感じられましたし、性別関係なく楽しんでいただけていることをうれしく感じました。

――藤井王将との2日制に向けて具体的にどのような準備をしたか。アドバイスをもらったことは。
永瀬 実際にやってみないとわからないところがありますが、封じ手の書き方は調べてイメージしてきました。その点は対策なのかなと思います。最近ですと藤井王将と2日制を対局をされた棋士は周りに伊藤叡王や(佐々木)勇気八段がいるんですけれども、特別アドバイスをもらったことはないですね。藤井王将に2日制でタイトルを奪った棋士はいませんので、有益であれば教えていただきたいんですけれども、本人も有益かどうかわからないのでそうした話をしていないのかなと思います。誰かが突破口を開かないといけないのと、現実として藤井王将がいちばん2日制を経験されているのでハードルが高くなることがあると思います。