2024年1月

2024年1月21日 (日)

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(インタビューのあと、感想戦が始まった)

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(藤井聡太王将)

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(菅井竜也八段)

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(盤側で観戦記担当の関口武史・指導棋士五段、森本才跳四段、小林健二九段、糸谷哲郎八段が見守る。関口五段と森本四段は小林健九段門下)

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(インタビューに応じる藤井聡太王将)

【藤井聡太王将インタビュー】

--▲9八香(23手目)から穴熊を目指されましたが、駒組みの思惑はどのようなものがありましたか。
「▲6六銀と上がると玉を固めることはできるのですが、一方で攻め駒が少なくなる懸念もあったので、うまく手を作っていけるかがポイントと思っていました」

--昼食休憩(42手目△7四歩)明けからなかなか手が進まない時間が続きましたが、そのあたりはどう見ていましたか。
「こちらの駒が偏っている陣形なので、どういう風に動きを見せるか、難しいところと思っていました」

--菅井八段の△4五桂(46手目)から流れが速くなりました。
「1手1手が難しいと思っていました。後手の8四角を押さえ込めるかがポイントになったと思っていました」

--50手目△7三歩で封じ手になりました。1日目の形勢はどう判断していましたか。
「8四角がどうなるかがポイントで、1歩渡すと△6五歩が厳しい手になるケースが多いのですが、うまくプレッシャーをかけていけばと思っていました」

--2日目午前は、角をめぐる攻防になりました。
「(53手目は)▲8六歩と突くか▲7七銀引か迷っていて、本譜(▲8六歩以下)はどこかで▲7七銀引の余地を作って指そうと思っていました」

--今日の午後は形勢がよさそういう声があったのですが、ご自身ではどのあたりで形勢のよさを自覚されましたか。
「▲4二歩と垂らして、と金で攻めがつながる形ができたと思っていました」

--2日間の将棋を振り返って、あえて勝因を上げるとすればどのあたりでしょうか。
「どこがポイントかはすぐわからないですが、こちらの玉が安定した形で戦いを起こすことができたので、ペースをつかむことができたと思います」

--第3局への抱負をお願いします。
「すぐ来週にあるので、この状態を保って臨みたいと思います」

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(菅井竜也八段)

【菅井竜也八段インタビュー】


--1日目の駒組みはどういう思惑で進めていましたか。
「一局の将棋と思っていました」

--封じ手(50手目△7三歩)の形勢判断はいかがでしょうか。
「(苦笑いのあと)ちょっともう、封じ手の前に敗着を指してしまって……、お話にならないですね」

--早い段階で悲観されていたということですか。
「△8四角▲7四歩(45手目)に△同銀と取る手しか考えていなかったのですが、自分でも、なんで△4五桂と指してしまったのか……。いや、びっくりしました」

--第3局は先手になります。ホームグラウンド(岡山県)に近い対局場(島根県)です。
「島根県は昔から行っている場所なので、少しでもいい将棋を指せるようにがんばります」

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藤井聡太王将に菅井竜也八段が挑戦する第73期ALSOK杯王将戦七番勝負第2局は、15時26分に113手で藤井王将の勝ちとなりました。消費時間は▲藤井聡6時間37分、△菅井5時間45分。七番勝負は藤井王将が2連勝となりました。
第3局は1月27・28日に島根県大田市「国民宿舎さんべ荘」で指されます。
(銀杏)

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15時を回り、藤井王将勝勢の局面が続いています。上図は△7四馬の竜取りに▲5三歩とつないだ局面。△5二馬▲同歩成なら馬が盤上から消えて寄せやすくなります。藤井王将が着実に寄せの網をしぼっています。

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藤井王将が4一に作ったと金を、5一~5二~5三と活用しました。さらに▲1三竜と引いて、▲6三とを見せています。関係者はモニターに映る対局室を見守っています。

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「△5三同銀なら▲6五香か▲5二金ですね。▲5三歩△同銀を入れずに▲6五香は△同銀▲同歩に△4四角の筋が気になったところです。菅井八段も午前中に終わらせるわけにはいかないとがんばっていましたが、差が広がってきました。『藤井、盤石』ですね」と小林健二九段。

時刻はまもなく14時。終局が近いと言われています。

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(報道陣に解説する小林健二九段)

時系列は前後しますが、対局再開直前の対局室です。

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(昼食休憩の対局室)

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(昼食休憩の盤面。盤駒は日本将棋連盟関西本部所蔵のもの)

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(13時10分頃に対局室に戻った菅井竜也八段)

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(菅井八段が見ていた風景)