2022年2月12日 (土)

藤井聡太新王将の記者会見

Dsc_5860(立飛ホールディングスの社員から花束が贈呈される)

Dsc_5888(記念撮影に応じる藤井新王将)

Dsc_5928(花束を抱えながら手の平を広げて五冠を伝える藤井新王将)

Dsc_6030(王将と揮毫した色紙を手に)

Dsc_6171(会見場には偉業達成に多くの報道陣が詰めかけた)

Dsc_6186(10台以上のテレビカメラが新王将を追いかける)

Dsc_6151001(記者の質問に答える藤井聡太新王将)

――1年前は二冠でしたが、一気に五冠になりました。大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、羽生善治九段に次ぐ4人目となります。大棋士と肩を並べてしかも史上最年少で五冠を達成された今の気持ちをお聞かせください。
藤井 過去に五冠になられた方は時代を築いた偉大な棋士ばかりなのでとても光栄に思います。自分の場合はまだまだそういった立場に見合った実力がまだ足りないかなというふうに思うので、今後さらに実力をつけていく必要があるかなとも思います。

――次の年度からは五冠の防衛戦と、ファンからは他のタイトルの積み上げを期待されていると思います。来月の順位戦で勝つとA級に入って名人への挑戦権争いにも加わることになります。
藤井 来月の順位戦は昇級が懸かった対局になるので、しっかり悔いのないように戦えればと思っております。翌年度からは防衛戦も始まることになるので、それに向けてしっかり少しずつ実力を高めていければと思います。

――藤井五冠は常々、記録は意識しないと語ってきましたが、タイトルを重ねていくうちにいろいろと思いも変わってくると思います。タイトルを取っていくことの意義についてどう考えていますか。
藤井 これまでもタイトル戦の対局を経験させてもらう中でいろいろ成長できた部分がとても多かったと思います。タイトルを取るということ以上にそういった舞台での対局を生かして成長につなげていくということが大事なのかなと思っております。

――今回の番勝負を通して自分なりに成長したなと思うこと、課題だなと思うことはありますか。
藤井 渡辺名人と2日制の対局は初めてだったんですけど、長い持ち時間であらためて対局してみて特に中盤のバランスの取り方で気づかない手を指されることが多かったので、そのあたりが特に勉強になったと感じております。

――三冠になったとき八冠は「ひとつの理想の形」と語っていましたが、五冠になって状況が進展してきました。現在は八冠についてどのような視点を持っていますか。
藤井 翌年度から防衛戦が始まりますし、まだ具体的に目指すということではないのかなというふうに思います。またそういった経験を通して実力を高めていくことで、少しでも近づければいいのかなというふうに思っています。

――普段から高勝率を誇っていますが、タイトル戦でこれまで7回戦って負けなし、フルセットも1回だけとなります。タイトル戦と普段の対局とで戦いやすさに違いがあったりしますか。
藤井 自分としては気持ちの違いなどはないんですが、タイトル戦ですと各地を転戦して対局させていただくことが多いので、自分にとってはいいモチベーションになっている部分があるのかもしれません。

――タイトル戦の中でも2日制の対局が16勝1敗。際だった成績が2日制で出ているように感じますが、ご自身はどう考えていますか。また自分の強みが出せると考えている部分があるのでしょうか。。
藤井 自分は中盤で時間をたくさん使うことが多いので、2日制であったり長い持ち時間ですと自分としては戦いやすいところがあるのかなとは思います。

――五冠を獲得することになり、他の棋士はこれまで以上に藤井さん対策を強化されることになると思いますが、望むところでしょうか。
藤井 自分としてはやり方を大きく変えるということはないので、今までやってきたことを積み上げていければと思っています。

――ストレート勝ちができた要因について作戦の立て方や時間の使い方などあれば教えてください。
藤井 中盤が苦しい対局が多かったので4連勝という結果は幸運だったのかなと思います。苦しい局面でも粘り強く指して終盤の競り合いに持ち込むことができたのがいい結果につながったのかなと思います。

――立川やSORANO HOTELの印象についてお聞かせください。
藤井 立川は初めて訪れたのですが、対局室の窓から目の前の公園であったり遠くに富士山が見えて、都会でありながら自然が豊かなところなのかなと思いました。

――初戦からたくさんの瀬戸市民が新王将の応援をしていました。愛知県外の方からは瀬戸市を応援していただく機会が増えてきましたが、それについてどんなお気持ちですか。
藤井 地元の瀬戸市の方にはいつも応援していただいてとても励みになっています。今回またひとついい報告をすることができたのがうれしく思いますし、地元の方に楽しんでいただけるように頑張っていきたいと思います。

――長い持ち時間の将棋で本領を発揮していらっしゃいますが、子ども時代から短い持ち時間は嫌いでしたか。
藤井 嫌いだったということではないのですが、昔から長考派ではあったので、当時からじっくり考えるのが好きでした。