■渡辺明王将
「私がここで対局させていただくのは、昨年に続いて2回目になります。昨年は『ねぷた祭り』、今年は『津軽三味線』を披露していただきました。弘前の伝統文化に触れることができて大変いい思い出になりました。王将戦は七大タイトルの中でも歴史のある棋戦ですので、伝統を大切にしている弘前は非常にふさわしい場所だと思いました。今期も明日からの対局で終わるわけですが、七番勝負が7局目まで来ることは可能性としては少ないほうなので、まだ終わっていませんが、対局者としてもやりきった気持ちになっています。先週の第6局は反響が大きい対局でしたので、第7局もそれに勝るとも劣らない対局を目指して頑張りたいと思います。弘前市のみなさまには大変お世話になります。よろしくお願いします」
■郷田真隆九段
「私は今朝、東京からやってまいりました。このように盛大な会を開いていただきまして驚いています。ありがたいことだと思います。弘前はまだ新幹線が来ていなかった頃に来たことがあります。東京と比べるとまだ肌寒いですね。先ほど津軽三味線を聞かせていただきました。生で聞くのは初めてでしたが、非常に力強い音色でした。自分も三味線に負けないように力いっぱい指したいと思います。王将戦も最終局になりましたけれども、王将戦を楽しみにしてくださっている全国のみなさま、今期王将戦の開催にお力添えいただきましたすべてのみなさまに感謝して、またそれに応えるために、全力で戦いたいと思います。弘前のみなさまにはお世話になります。よろしくお願いします」
(両対局者のあいさつが終わると、祝電が読み上げられた。「王将戦第7局開催、おめでとうございます。両対局者におかれましては、来訪、ありがとうございます。ここまで見応え抜群のシリーズですが、さらに最終局にふさわしい大熱戦を期待しています」。地元弘前市出身の棋士、行方尚史八段からだった)
(書き起こし=牛蒡、写真=文)