第44期王将戦は日本中で注目されました。羽生六冠の七冠制覇がかかっていたからです。当時のタイトル保持者は谷川浩司王将。第1局の直後に阪神・淡路大震災に見舞われ、第3局から羽生六冠の巻き返しを許しましたが、最終第7局に勝って見事に防衛。七冠制覇にストップをかけました。谷川王将は防衛を決めて、「今回は特別でした」とコメントを残したそうです。
以下は第7局(千日手指し直し局)の棋譜。第44期は相矢倉シリーズでした。阿久津八段によれば、修行時代に勉強した矢倉の棋譜のひとつだそうです。阿久津八段は当時、奨励会初段に上がる前でした。89手目▲6七金引が味のいい手です。
第44回王将戦七番勝負第7局
平成 7年3月24日 青森・奥入瀬渓流グランドホテル
持ち時間 ▲王将 谷川 浩司
各8時間 △竜王・名人 羽生 善治
▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀
▲5六歩 △5四歩 ▲4八銀 △4二銀 ▲5八金右△3二金
▲7八金 △4一玉 ▲6九玉 △7四歩 ▲6七金右△5二金
▲7七銀 △3三銀 ▲7九角 △3一角 ▲3六歩 △4四歩
▲3七銀 △8五歩 ▲3五歩 △6四角 ▲3四歩 △同 銀
▲1八飛 △5三銀 ▲5七角 △3一玉 ▲7九玉 △7三角
▲8八玉 △4二銀 ▲3六銀 △3三銀 ▲3五歩 △4三銀
▲4六歩 △4二金右▲2六歩 △5五歩 ▲同 歩 △同 角
▲6八角 △5二飛 ▲3七桂 △6四角 ▲9六歩 △7三桂
▲3八飛 △9四歩 ▲1八香 △9三香 ▲2五桂 △2四銀
▲6五歩 △同 桂 ▲6六銀 △5七歩 ▲6五銀 △5八歩成
▲7七角 △5七と ▲6六金 △4六角 ▲5五桂 △1九角成
▲4五歩 △4六馬 ▲4三桂成△同 金直▲5五銀 △3七歩
▲4四歩 △4二金引▲4六銀 △3八歩成▲3四角 △5八飛
▲5二角成△同 金 ▲5七銀 △同 飛成▲6七金引△4八竜
▲5三歩 △同 金 ▲5一飛 △4一桂 ▲5四歩 △4四金
▲5三歩成△6九銀 ▲6八金寄△7八角 ▲5六銀 △2五銀
▲5二と △2二玉 ▲4一飛成△8六歩 ▲同 角 △3六銀
▲4二と △3三玉 ▲1六桂
まで、111手で谷川 浩司王将の勝ち。
(消費時間=▲7時間28分、△7時間59分)
2014年2月27日 (木)