2014年1月

2014年1月22日 (水)

花束贈呈がアナウンスされると、舞台袖からゆるキャラが登場。那須与一をモデルにした「与一くん」だ。与一くんはゆるキャラグランプリ2013で5位入賞を果たすほどの人気者。羽生三冠の頬も緩んでいた。渡辺王将も昨年の前夜祭では「どういう『ゆるキャラ』がいるかなどを事前に調べます」と語っていた。花束のプレゼンターは「与一の里大田原きらきらメイツ」の井上奈保子さんと、「大田原市観光協会観光コンシェルジュ」の荒木智美さん。渡辺王将には荒木さんから、羽生三冠には井上さんからそれぞれ花束が贈られた。

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■渡辺王将
「皆さまあらためまして、こんばんは。本日はお忙しい中大勢の方にお集まりいただきまして、また、このような盛大な前夜祭を催していただきまして、ありがとうございます。
大田原市で対局するのは、昨年に続きまして2回目なのですが、ホテル花月さんは、今年で8年連続での王将戦開催ということで、昨年も安心して対局に臨むことができました。そのおかげもありまして、内容的にも良い将棋を指すことができて、結果も勝つことができました。昨年は第4局だったんですが、この王将位の獲得に向けて大変大きな一勝を挙げることができたのは、いい思い出になっています。
大田原市は、聞いたところによりますと、米の生産と、イチゴなど果物の生産も非常に盛んということで、昨年も対局の合間にそういったものをいただきました。将棋も勝てて、食べ物もおいしくいただきまして……。いまのところですけど、この大田原市にはいいイメージしかありません(笑)。是非それを持続できるように、悪いことが起きないように、明日から頑張りたいと思っています。 今期の王将戦は、まだ始まったばかりで第2局ですけれども、これから対局が進んでいくにつれて、一局の重みも増していきます。より一層いい将棋を指せるように頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」

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■羽生三冠
「あらためまして、こんばんは。本日は前夜祭をこのように盛大に開催していただきまして、誠にありがとうございます。
大田原での王将戦、9年連続ということで、すっかり定着しているという感があります。私も何回もこちらのほうに来させていただいておりますけれども、本当に地元のみなさまに熱心に設営していただいています。また、地元の小中学生の方たちに観戦していただくということで、将棋はいろいろな形で報道していただいたり、伝えていくという機会があるのですが、実際に現実の対局を観戦していただくということで、緊張感、緊迫感といったものを子供たちに伝える機会を作っていただいているということは、とてもありがたいことだと思っております。
王将戦は年が明けてすぐに開幕するわけですので、1年を占うという意味で非常に大きな対局だと思っています。残念ながら開幕の第1局は負けてしまったのですが、またここから挽回できるように頑張っていきたいなと思っています。
以前、ここに来た時は、那須与一の銅像を見せていただいたのですが、今日はゆるキャラ(与一くん)に会えました。私も結構いろんなところで、ゆるキャラに会うのですが、与一くんはかなり大きくて、非常にインパクトがあるなあ、と感じました。私も明日からインパクトのある将棋が指せるように頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」

(書き起こし=八雲、写真=文)

18時、前夜祭開幕。両対局者が入場すると、大きな拍手で迎えられた。

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■主催者挨拶
石井真人 スポーツニッポン新聞社常務取締役員事業本部長

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■主催者挨拶
日本将棋連盟理事 深浦康市九段

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■来賓挨拶
赤坂信行 下野新聞社取締役販売・事業担当

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■来賓挨拶
津久井富雄 大田原市長

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(敬称略)

対局室はホテル5階。16時50分ごろに羽生三冠が入室し、それから数分して渡辺王将が現れた。上座に着いた渡辺王将が駒箱を開け、二人は駒を並べていく。立会人の佐藤義八段が「問題はありませんか」と声をかけると、二人がうなずく。「明かりは大丈夫でしょうか」の問いにもうなずいた。封じ手については、長机の後ろにある屏風の向こう側にスペースが用意された。
検分で問題はなく、17時前には終了した。対局者が退室すると、記録係の梶浦三段が駒に手を伸ばす。駒の管理は記録係の大事な仕事のひとつ。駒の銘を見せてもらったところ、掬水師作・水無瀬書の盛上駒だった。「タイトル戦の記録は2回目ですが、2日制は初めてです」と梶浦三段。「封じ手がちょっと不安です」と話していた。

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渡辺明王将に羽生善治三冠が挑む第63期王将戦七番勝負は、渡辺王将の先勝で第2局を迎えた。第2局の対局場は栃木県大田原市「ホテル花月」。同市での開催は今年で9期連続となる。渡辺王将が連勝で防衛へ向け前進するか、羽生三冠がタイに戻すか。対局は1月23・24日の2日間で行われる。
本局の立会人は佐藤義則八段、副立会人は佐藤秀司七段。記録係は梶浦宏孝三段(18歳、鈴木大介八段門下)が務める。ニコニコ生放送による解説を担当するのは、1日目が中座真七段と本田小百合女流三段、2日目が郷田真隆九段と山田久美女流三段。
インターネット中継は棋譜・コメント入力を八雲記者、ブログを文が担当する。
2014年1月13日 (月)

G002 (渡辺明王将は先勝で2連覇に弾みをつけた)

(前例のある展開だったが)流行している形なので仕方ないかと思いました。▲6六桂(の長考)では他の手も考えたがダメそうです。
本譜は予想していました。変化が多い将棋ではないので。午後のはじめくらいまで考えていた。▲2三銀と打ったあたりはこちらは手段がなく、受け切られたらという将棋になった。途中は足りないと思いながら指していました。
最後は詰まされたら仕方がないと思っていました。かなり危ないので読み抜けがあっても仕方ないと。ただ、他は負けそうなので。(対局を振り返って)定跡形なので分かれがどうだったか。

G040 (敗れた羽生善治三冠)

負けた将棋だが、もう一回持ってみたかった。
いろいろ考えてみると、危ない変化が多くそれほど成算があったわけではないです。変化はあったが、どう進むか予想できませんでした。
終盤の△8五桂でもう少しマシな手があったかもしれません。難しいと思いましたが、まとめ方が分からない将棋でした。

G049 (終局直後にインタビューが行われた)

G160 (本格的な感想戦の前に大盤解説会場へ。ファンの前で対局を振り返った)

G126 (大勢のファンが対局者の到着を待っていた)