前夜祭(3)
【対局者挨拶】
里見香奈女流名人。
「皆様こんばんは。里見香奈です。今日はお忙しいなか、こんなにたくさんの方々にお越しいただきまして、ありがとうございます。また、この女流名人戦を開催するにあたって、主催いただいている報知新聞社様、特別協賛をいただいているユニバーサルエンターテイメント様、出雲市様をはじめ、地元の皆様には本当に感謝しています。ありがとうございます。
出雲市で対局できることは、私にとっていちばんうれしい対局であります。こうして地元の方とお話できることが、リラックスできますし、励みにもなります。ありがとうございます。
将棋のほうはいいときも悪いときもありますが、こうして変わらずいつも温かく見守ってくださる方々がいると思うと、いつでも前向きになれます。
明日は自分の力をすべて出しきれるように、盤上に一生懸命集中して、気持ちを切らさずに対局をしたいと思います。
普段はなかなか恩返しすることができませんが、いまはひとつひとつ、自分の出来ることをやっていければと思います。本日はどうもありがとうございました」
挑戦者・上田初美女流三段。
「皆様、改めましてこんばんは。挑戦者の上田初美です。まずはじめに長年、女流名人戦を主催していただいている報知新聞社様、そして出雲市様、特別協賛をいただいているユニバーサルエンターテイメント様に厚く御礼申し上げます。
この出雲での女流名人戦は7年目ということで、恒例になってきているなと感じています。日程を見たときに、第2局が出雲ということで「アウェーだね」と言われることがよくあります(笑)。ただ先ほどいろいろな方のご挨拶でも触れていただきましたが、4年前に来ていまして、実はその1年前と2年前にも聞き手として来ておりまして、そのときも「頑張って」と、温かくお迎えいただいたことをよく覚えています。出雲は心の広い方が多いということで、それは身を持って実感しておりますので、明日は思いっきりぶつかっていければと思っております。
女流名人戦は今期で43期目ということで、長年にわたって主催していただけているというのは本当にありがたいことでして、数少なかった女流棋士もいまは60人前後となりました。そのトップにいるのが里見さんでして、三段リーグも戦われていてあと一歩で男性棋士と同じ土俵に入れるという、歴史に挑戦している方でもあります。それが、女流棋士全体を応援していただける方と、個人を支えてくれる方と、どちらもいないと難しいものではないかと思いますが、今回、報知新聞社様と、出雲市様の2つが力となって、里見さんがこうしていま戦われているのではないかと思います。里見さんから先ほど全力でぶつかっていきたいというお言葉をいただきましたので、私も負けずに真正面からぶつかっていきたいと思います。また明日、いい将棋が指せるように頑張ります」
【花束・記念品贈呈】
(書き起こし=潤、写真=八雲)