終局直後
(終局直後)
(6連覇を達成した里見香奈女流名人)
【里見香奈女流名人インタビュー】
--一局を振り返ってください。
「はっきりと作戦負けにしてしまい、だいぶ苦しいと思っていました。昼休のところ(51手目▲8五歩)はだいぶ堅さが違うので自信がなかったです」
--指しやすさを感じたのはどのあたりですか。
「終盤に入って、▲5四桂(77手目)と打てたあたりでしょうか。攻める展開になりましたので指しやすくなったかと思いました」
--△8七銀(58手目)のあたりはどうでしたか。
「自信がなかったですね」
--最後は上部に脱出されて、ぎりぎりだったかと思いますが。
「成算があったわけではありません。少しいいとは思いますが、間違えたかもしれません」
--防衛のご感想をお聞かせください。
「うれしいです。今日が一番苦しかったですが、3局とも力は出し切ることができました」
--女流名人40年の歴史で、初めての6連覇です。
「これからも1年1年、自分が成長していけるようにやっていけたらと思います」
--過去の5回と休場明けの今回では防衛の意味合いが異なると思います。
「いろいろな人に支えられ、人はひとりでは生きていけないと実感させられたので、周りの方に感謝の気持ちでいっぱいです」
--決して万全ではない中で防衛戦に挑まれることを決められましたが、女流名人戦への思いをお聞かせください。
「学生のときからずっと維持させていただいているタイトルなので、自分も少しでも成長できたらという思いでいつも挑んでいます。昔と変わらない気持ちを持ち続けてがんばっていけたらと思います」
--今の体調、手ごたえは。
「皆さんには一番自分のいい状態をお見せできたらと思いますが、なかなかうまくいきません。でも自分が決めたことなので、しっかり体調管理をして、少しでもいい状態へ持っていくように努力したいです」
--他の女流棋戦も今後行われ、予定では奨励会も10月から始まります。
「今のところ、自分でやってみないとわからないところばかりです。壁もあると思いますが、焦らずにひとつひとつなんとか乗り越えていけるようにしていきたいです。周りの方に感謝の気持ちを持っていきたいと思います」
(里見女流名人のインタビューの間、清水市代女流六段は目を閉じていた)
(インタビューに答える清水市代女流六段)
【清水市代女流六段】
--序中盤、指しやすいと見られていました。
「少し指しやすいと思っていました。昼食休憩のあたりは指し手がいろいろあって難しいところだったと思います」
--△8七銀(58手目)の前後は勝負どころだったと思います。
「他に手があったかどうかですが、今はわからないです」
--残念ながら3連敗でしたが、どのようなシリーズでしたか。
「いろいろな戦型を里見女流が指してくださったので、構想を立てるのが楽しいシリーズでした。結果は残念でしたが自分の中では課題をもらえたので、次につなげていけたらと思います」
--また女流名人戦リーグが始まりますが、来期に向けての抱負は
「終わったばかりなので、今は何も考えられません」
(翔)