明日の対局に向けて、両対局者は抱負を述べました。
「本日は前夜祭に多くの方にお越しいただきましてありがとうございます。また、この立川対局の開催に向けてご尽力いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。前期にこの立川対局で王将を獲得することができて、また今期この場所に戻ってこれたことを大変嬉しく思っています。また、今年はこのように盛大な前夜祭を開催していただいたことにも感謝申し上げます。明日から第4局となりますけれども、ここまでの3局は持ち時間8時間ということもあって一手一手非常に難しかったんですけども、その分、充実感もあったと思っています。また、これまでの対局を踏まえて、よりよい内容の将棋を指すことに全力を尽くしたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします」
■羽生善治九段
「前夜祭をこのように盛大に開催していただき誠にありがとうございます。王将戦は年が明けると開幕するのですが、掛川市、高槻市、金沢市を対局したあと、立川に来ることになりました。先ほど対局場を検分させていただきまして、非常に眺望の素晴らしいところで、対局に集中できる環境だなと思いました。立川と聞くとですね、私は実家が八王子市ということもありまして、すぐに昭和記念公園が浮かびます。久しぶりにこちらのほうに来たのですが、だいぶまた雰囲気も変わりまして、こういうところで対局ができるのは棋士にとっても大変光栄なことだと思っています。この王将戦というのは一局を2日間、持ち時間8時間で対局しているわけですが、何事もスピードの時代のなかで一つの勝負に2日間かけて行うというのはかなり珍しいことなのではないかなと思っていますし、同時に将棋というのはそれだけ長い時間費やしてもなかなか分かることができない奥深いものなのだなと思っています。明日からの対局にいま持っている力を出しきって、皆様に楽しんでいただけるような将棋を指せるように頑張っていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします」
(決意表明後、両者は明日の対局に備えて退場。多くのファンに見守られながら会場をあとにした)
(書き起こし=生姜)