(終局直後、インタビューが行われた)
―先手番で相掛かり。序盤から中盤にかけての手応えは?
羽生 途中までは前例がある形で進んでいたのですが、△3三銀(36手目)くらいから間口が狭くなって、こちらがどう手を作っていくところかと思っていました。
―▲8二金(59手目)のあたりは?
羽生 ゆっくりしていると攻めが切れてしまうので、筋が悪い手なのですが、しょうがないかなあと思って指していました。
―▲8二金はどこから見通していたのか?
羽生 2一に飛車を打ったとき(51手目▲2一飛)に▲8二金くらいまでは進むかなあと思っていました。
―2日目に入ってからの感触は?
羽生 攻めが細い形なので、あまり自信はなかったのですが、ほかの手も分からなかったので、本譜を選びました。
―△7七銀(74手目)と攻めてこられたあとの対応は?
羽生 ちょっと受け間違えるとすぐ負けそうな局面なので、かなり慎重に考えていました。どの変化もギリギリだったと思いましたね。
―対して▲7七同金は1時間以上の長考でベストとの結論か?
羽生 そのあとどうするのがよいかはよく分からなかったのですが、▲7七同金はしょうがないかなあと。
―▲4六歩(79手目)も長考だった。
羽生 代えて銀を使えば長い将棋になるかもしれませんが、ちょっと分が悪そうなので、歩を突いて勝負したという感じでした。
―勝ちが見えたのは?
羽生 最後も怖かったので、何かあったら「もう、しょうがない」と思っていたのですが、詰まなくてよかったなという感じです。
(インタビューに答える羽生九段)
―対藤井戦2勝目を挙げた(通算対戦成績2勝8敗になった)ことについて。
羽生 1つ好結果が出てよかったなというところですかね。内容的にも、ずっと将棋になっていなかったので、ちょっとホッとしています。
―1勝1敗になり、第3局に向けて。
羽生 いい将棋が指せるよう、自分なりにしっかり調整して臨みたいと思います。
(続いて藤井王将にインタビュー)
―後手番の本局、相掛かりは予想していたか?
藤井 予想していたというわけではないのですが、序盤が途中まで前例がある形だったので、それに沿って指していました。
―1日目から激しくなった。▲8二金(59手目)への対応は?
藤井 その前に▲1三歩(43手目)と垂らされたときに角をどこに打つか迷ったのですが、本譜は▲8二金まで進んでみると、思った以上に嫌な形なのかなという印象を持っていました。
―2日目午前、△7七銀(74手目)からは攻め合うしかない?
藤井 本譜、▲5七銀打(77手目)と受けられてからはハッキリしてしまったかと思うので、その前に何かあったかだと思います。
―2日目は厳しい戦いが続いていたのか?
藤井 そうですね。考えてもなかなか思わしい変化が見つかりませんでした。
―78手目は△9八飛でなく7八に飛車を打った狙いは?
藤井 本譜のように追ったとき、5筋から6筋に逃げ込まれる手を防いではいるのですが、4筋のほうに逃げ込まれて詰まないので、この局面自体はすでに本譜でダメかなあと思っていました。
―第3局への意気込みを。
藤井 すぐ来週にあるので、しっかり調整して何とかいい状態で臨めるようにしたいと思います。