両対局者が退場したあと、立会人の島九段、副立会人の高見七段、記録係の福田三段が登壇し、対局の見どころについて語りました。
■立会人・島朗九段
「第1局、第2局はお互いにほとんどミスがない、予想以上の熱戦だったと思います。AI予想なども色あせて見えるほどでした。第1局は羽生さんが作戦に少し趣向を凝らしました。本局の大熱戦を静かに見守りたいというのが正直なところです。私はこれまでの2局とは違った戦型になるような気がします」
■副立会人・高見泰地七段
「第1局は藤井さんの▲6五歩からの手順に強さが光った一局で、第2局は羽生九段が積極的に攻めていって▲8二金が効果的になり、王手が長手数続くなかを正解を続けて逃げきったという将棋でした。ここまで互角の内容だったなと思います。 第1局の戦型は羽生九段が後手で一手損角換わりでした。これまでの対局(藤井羽生戦で後手羽生)を見ると、6局すべてがほぼ違う作戦です。いちばん多いのは横歩取りですが、短手数になりがちなので、一手一手が長考の応酬になると思います」
■記録係・福田晴紀三段
「藤井王将の記録は10局ほど取らせていただいていますが、勝負に対する気迫の違いを見せつけられて、自分にもよい刺激になっています。見どころは終盤ではないでしょうか。第2局も最後に詰むや詰まざるやが続いて緊張感がある局面が延々と続いたので、今回も最後にそういう戦いになると思っています。横歩取りは羽生九段の主力なんですけど、持ち時間は8時間なのでやりづらいのかなと。今回は藤井王将の研究を受けて立つ、角換わりを予想します」
(書き起こし:紋蛇/写真:夏芽)