2020年2月21日 (金)

封じ手の局面の検討

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副立会人の中田宏八段は「▲6六銀(39手目)と▲5五歩(41手目)の広瀬八段の連続長考は自然な手ですが、しっかり指そうという本局に懸ける思いを感じました。珍しく雁木を指した渡辺王将の△8八歩(42手目)は、いつもよりも激しめな指し方だと思います」と1日目の印象を話します。

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図は封じ手の局面。1日目の控室では▲6四歩が有力視されていました。△同飛と飛車を近づけてから▲5六金と出れば後手は桂取りが受かりません。
▲6四歩に後手はいくつかの手段が考えられます。
(1)△3四歩だと▲2四角△同角▲同飛△2三歩▲2八飛△6四銀に▲5四歩(参考1図)と取り込む味がよく、先手十分です。
(2)△4四銀右は歩を温存しつつ駒を出していますが、▲2四角△同角▲同飛△2三歩▲2八飛(参考2図)で6五桂取りが残って後手大変です。

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そこで、図では強く(3)△6四同飛として、▲5六金△4四銀右▲3四歩△2二角▲4四角△同角▲6五銀(参考3図)はどうか。参考3図で△6五同飛は▲同金△4九角▲6八歩△2七銀▲同飛△同角成▲8一飛と反撃して先手よし。
深浦九段は「少し先手が押していそう。後手は直線的に指すと大変そうなので、工夫がいりそうです」と話していました。

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