(対局者・関係者紹介。左から神谷広志八段、山本三段、飯塚七段、久保九段、郷田王将、森下九段、青野照市九段)
(対局者挨拶 郷田王将)
「皆さまこんばんは。浜松には思い出がありまして、杏林堂薬局の渥美会長からお誘いをいただきまして、錬成塾という、お寺で将棋の合宿をするというものがあるのですが、それに2度ほどおじゃまさせていただきました。子どもたちと将棋を指すんですが、一緒に庭の掃除をしたり、そういうふれあいがありまして、いまでも貴重というか、単純に楽しかったなという思い出があります。自分が頑張って取り組んでいることに子どもたちが興味を示してくれるのはうれしいことです。今後も引き続き機会があれば、寄せていただければと思います。また渥美会長には昨年、浜名湖のうなぎを自宅まで送っていただきまして、妻と2人で食べました。おいしかったです。ありがとうございました。昨日、おとといと少し考えておりましたのは、東日本大震災から6年がたちまして、また熊本地震、中越地震がありまして、いまでもたいへんな思いで暮らしをされている方がたくさんいらっしゃると思うのですが、その中でこのように多くの皆さまにご協力、ご尽力をいただきまして対局ができるということに、心より御礼を申し上げたいと思います。自分なりに頑張ることでそれに応えたいと思っております。今期、第66期の王将戦も佳境を迎えておりまして、勝敗はご存じかと思いますが、自分に与えられた条件の中で力いっぱい、ベストを尽くして頑張っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします」
(対局者挨拶 久保九段)
「皆さまこんばんは。ここのグランドホテルさんは対局で来させていただくこともあったんですが、普段は棋士7~8名で渥美会長に呼んでいただいて、ゴルフをしています。ここに泊まって、朝ゴルフ場に向かうということで、私の中ではストレス発散というか、リラックスする場としてよく来させていただいていました。今回は対局というわけでそういうわけにもいかないんですけども、勝手知ったる場所です。浜松はそんなに寒くもならず、暑くもならず、過ごしやすい土地なんだなという実感があります。明日から対局が始まるわけですが、皆さんに対局を喜んでいただくというのが自分の中でも喜びになります。以前から読んでいる本で「アドラー心理学」という本があるのですが、その中で幸せというのは、ほかの方々に影響を与えられると思えるかどうかが大切なんだとありました。希望を与えられるような将棋を指して、皆さまとともに精進していきたいと思います」
(書き起こし=文、写真=紋蛇)