郷田九段が桂を取って駒得すると、渡辺王将も反撃に出ました。△７七銀の打ち込みから角を取って、その角で馬を作って盤面制圧を図ります。大盤解説の真田七段は「馬の力でバランスを保つ順」と解説していました。

先手が左右から後手玉に迫り、後手は上から先手玉を攻めています。激しい戦いになりました。
駒割りは現状先手が桂の２枚得、さらに手番なので金を取れば金桂得で先手が大きくリードします。玉の堅さは金銀が密集している後手に分がありそうですが、挟撃されている状況をどう評価するか。駒の働きを見ると、先手は大駒が２枚とも自陣で眠っていますが、小駒が後手玉に迫っています。後手の馬と飛は急所をにらむ好位置。これらの要素の中では、駒得のリードがかなり大きい点が気になってくるところです。