羽生三冠は１時間７分の長考の末、△６六歩と突き出しました。

検討陣が首をひねった突き出し。ですが、以下▲同銀△８六歩▲同歩△８二飛と進んで「好手順では」「気が付かない」という評判に変わりました。

後手は８筋にアヤをつけてから手を渡した格好になりました。後手はカウンターを狙っており、△６六歩は「先手の玉頭を薄くさせた」という意味になっています。

以下は現地の棋士による封じ手予想です。

「▲７七桂を予想します。△５九角を防いで仕切り直すという感じですね。（形勢について）やや先手持ちですね。玉の堅さもそうですし、歩の多さも心強いです」（飯塚七段）

「▲５五歩でしょうか。先手がいいと思います」（吉田五段）
「難しいですね。△５九角を防いで局面をまとめる手が、具体的にパッと見えなかったので。うーん、▲５五歩にします。△６三銀と引かれたあとがわからないのですが。（△８二飛について）渡辺王将は想定していたという感じではなかったように思います」（田中悠四段）

候補にあがった▲７七桂と▲５五歩。いずれもじっと力をためる手で、二日目もねじりあいが予想されるところです。ぜひ皆様も封じ手を予想し、二日目もお楽しみください。

（記録係の田中悠一四段。一人で封じ手の局面を考えていた）