2014年1月24日 (金)

長い序盤戦

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先手は玉側に金銀を集め、厚みのある陣形を作り上げた。対する後手は低い陣形から攻めをうかがっている。駒組みが続き、2日がかりの長い序盤戦が続く。
「後手はもうちょっと堅く囲うんじゃないでしょうか」と話すのは佐藤秀七段。駒組みが続けば、「後手のほうが価値の高い手が多い」と話す。その差になっているのが7七の桂。先手はこの守りの桂を跳ねているために玉の囲い方が難しい(端が薄いので、▲7九玉と囲っても危険地帯に近づく意味がある)。一方、後手は△3三銀~△3一玉と自然に玉を固めていける。5四の銀は△4四歩~△4三銀と引きつけて守りに使うことも、△6三銀と引いてバランスを取ることもできる。先手は現状の厚みをどう生かすか、方針を問われる局面といえそうだ。
11時10分、羽生三冠は席を立っている。対局室では渡辺王将がひとり盤に向かっている。

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