終局直後
(里見女流名人は7連覇を達成した)
【里見女流名人のインタビュー】
―― 序盤はいかがでしたか。
里見 振り飛車で戦うつもりでしたが、本譜は飛車のさばきが難しいと思っていました。
―― 中盤戦はどうですか。
里見 △2四歩(46手目)の前に△5七歩成を利かすことができて、こちらから攻められる展開になり、まずまずだと思っていました。△3三桂(58手目)で左桂がさばけて調子はいいと思いました。2枚換えになったところ(72手目△4五歩)は、こちらが指しやすいかなと思います。
―― 本局は朝から気合が入っていたように見えました。
里見 自分のいいところも悪いところも出たシリーズでした。悪いところのほうが多かったかもしれません。今日は開き直って、盤上に集中して、一生懸命考えようと思いました。
―― シリーズを通しての感想を聞かせてください。
里見 第4局が完敗でした。もちろん反省しましたが、いい勉強になった面もありました。苦しい将棋が多かったですが、最後まで諦めないでいこうと思い、第5局は自分の力を出すことができました。
―― これで7連覇を達成しました。
里見 女流名人戦では、私の地元の出雲で指させていただいているので、来期も指せるのが楽しみです。今後につなげられるように頑張っていきたいです。
―― 本年度の女流棋戦全体を通してはいかがでしたか。
里見 内容の悪い将棋も何局かありました。反省点は多いですが、結果を出せたことには満足しています。本年度は清水さんと当たることが多く、苦しい将棋も多かったですが、最後に力を出しきる将棋を指せたのは自信になりました。
―― 清水女流六段の印象を教えてください。
里見 今期の名人戦は強気にこられていると盤上で感じ、気持ちの面で押されていました。女流棋士会の会長を務められながらも、将棋ではいつも工夫をされています。私もそれを見習って、一生懸命に将棋に向き合わないといけないと思いました。
―― 来期の抱負を聞かせてください。
里見 まずは強くなることがいちばんです。結果は大事ですが、日々の過ごし方を納得できるように頑張りたいです。
(清水女流六段はあと1勝が届かなかった)
【清水女流六段のインタビュー】
―― 昼食休憩のあたりは「先手が指しやすい」と控室では評判でした。
清水 検討してみないと分からないです。
―― どこで形勢を損ねたと感じられましたか。
清水 こちらがいいと思った局面はありませんでした。
―― シリーズを振り返っての感想を聞かせてください。
清水 始まる前からそうだったのですが、始まってからも充実していました。名人と5局も指せるのは光栄といいますか、なかなかないことなので、指せるだけでも幸せです。将棋の内容も力は出せたと思います。
―― 来期の抱負を聞かせてください。
清水 まず明日はゆっくりと休んで、それから考えたいと思います。
―― ファンに向けて一言お願いします。
清水 感謝の言葉しかありません。いつも応援していただいてありがたいことです。