終局直後
インタビューが行われたのち、二人は解説会場へ移動した。
■里見香奈女流名人
―― 一局を通して感想をお願いします。
里見 序中盤は指しやすかったかなと思います。昼休のところから、少しずつよくなってきたかなと思いました。
―― 第1局、第2局はかなりミスが多いと反省をされていましたが、今回は完勝譜のように見えますが、その辺りは。
里見 自分なりにはうまく指せたかなと思っています。
―― いろいろな課題を持って五番勝負に臨まれていると思いますが、先手番で石田流を投入して、勝ちにこだわったかなというイメージがあるのですが。
里見 いや、自分がやりたいものだったので。勝敗も大事ですけど、自分のやりたいこともしっかりやらなきゃいけないと思ったので。
―― 昼休の辺りというのは、具体的にはどのような手順ですか。
里見 本譜の△4四歩(64手目)打ったところではよくできそうな気がしたんですけど、結構難しいかなと思っていました。
―― よくなった、と思ったところは。
里見 ▲6一歩成(73手目)△同銀となって銀が離れたので、指しやすくなったかなと思いました。
―― 寄せを一気にいきましたが、どの辺りから考えていましたか。
里見 確信はなかったんですが、だいたいどの変化もいけるような気がしたので、▲3三角成(93手目)といけるんじゃないかなと思いました。
―― これで2勝1敗とリードされました。第4局に向けて抱負をお願いします。
里見 しっかり準備をして、一生懸命がんばりつつ、楽しんでいけたらいいかなと思います。
■上田初美女王
―― 一局を振り返っていかがでしたか。
上田 序中盤は知っていた形だったんですけれども、中盤はよくわからなかったですね。▲6二歩(71手目)と垂らされてから銀が働かなくなってしまったので、悪くしてしまったと思いました。
―― 形勢としておかしくしたかな、と思ったのはどの辺りですか。
上田 昼休明けやその前後はよくわからなかったですけど、玉頭戦になってから一気に押し切られてしまった気がします。
―― 逆にチャンスというか、よくなりそうなところは。
上田 調べてみないとまだわからないんですが……完敗だったと思います。
―― 第4局に向けて抱負をお願いします。
上田 今回は一方的な勝負になってしまって残念なので、しっかり準備して、力いっぱい戦えたらいいかなと思います。
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