【永瀬九段の談話】
――角換わり腰掛け銀になり、早指しで序盤は進みました。
永瀬 ▲4五桂(47手目)△4二銀に▲3五歩か本譜の▲2四歩か。本譜の▲2四歩は工夫の手というか、激しくならない変化も多いです。どちらを指すかは決めかねていたのですが、考えて今日は▲2四歩にしようと思いました。
――少しずつ両者が時間を使う展開になりました。中盤で継ぎ歩を指されました。
永瀬 ▲3七金(65手目)の局面をどう実現させるかを考えていました。本譜の△8六歩で複雑な局面が続いて、よくわかりませんでした。
――2日目に右金が進出して時間を使う展開でした。心境はいかがでしたか。
永瀬 △3二玉(80手目)が見えていなくて、距離感が難しいと思いました。▲7七玉は一手の価値があるかわかりませんでした。
すぐ▲2四歩△同金▲3五金と激しくいく順も考えたのですが、うまくいかないと思いました。
――▲2四飛(87手目)と飛車を切って終盤に入りました。成算はいかがでしたか。
永瀬 ▲7七玉(81手目)に△5五銀で受けは難しいと思ったので、激しくなりますが駒得で耐えられるかどうかと思いました。
――△4七角成(94手目)以下の激しい終盤戦についてはいかがですか。
永瀬 自信のない局面はあった気がします。△8五桂にどれもあると思いましたが、△4七角成に▲5八金や▲5八銀のメドが立たずに本譜を選んだのですが、嫌な展開が続いたと思いました。
――勝ちに近づいたターニングポイントは。
永瀬 ▲5五銀(91手目)や▲7五銀(95手目)で玉が上部にいけて、駒が使えるようになった。▲5二角成(135手目)で勝ちになったと思いました。
――一局を振り返っていかがでしたか。
永瀬 こちらが注文を付けた将棋でしたが、△3二玉(80手目)と手を入れられたときにどのように指せばいいか難しいと思いました。
――七番勝負の初戦を勝たれました。いいスタートを切れたと思います。
永瀬 七番勝負の初戦を勝てたのは初めてです。引き続き頑張りたいと思います。
――第2局に向けてのコメントをお願いします。
永瀬 先後が決まりましたので、用意して臨みたいと思います。
【藤井王将の談話】
――本局は2手目△8四歩の出だしでした。後手番のときは決めていたのでしょうか。
藤井 角換わり腰掛け銀になったら本局の形をやってみようと思っていました。
――序盤戦についていかがでしょうか。
藤井 △2二玉(44手目)と入る将棋をやってみようと思いました。ただ、3筋を突き捨てずに指されるのをあまり予想していなかったので認識不足だったと感じています。
――1日目の指し掛けの局面の形勢判断をお願いします。
藤井 ▲2四同飛(51手目)に△2三金とすると継ぎ歩が嫌な気がしたのですが、実際にそこまで進んでしまうとなかなかよい対応が難しい感じがして、封じ手の辺りは少し苦しくしてしまったと思いました。
――2日目は時間を使う展開になりました。
藤井 2三金型を目標にされて、どこまでいって苦しい感じかなと思いながら指していました。
――飛車を取って、打ち込んで激しい攻め合いになりました。その辺りはいかがでしたか。
藤井 飛車を手にした辺りは一瞬の玉の遠さを生かして迫っていけたらと思ったのですが、具体的な組み合わせが分かりませんでした。
――終盤で▲8二歩に△5九飛と詰めろをかけた辺りはどのような読みでしたか。
藤井 こちらが手を作っていけるかどうかという感じだと思うのですが、先手玉が上に抜けてしまうと厚い形なので、▲8二歩と強く指されて、そこで具体的な攻めの手段が見いだせなかった気がします。
――いまの時点でのポイントはどの辺りでしょうか。
藤井 基本的には苦しいと思うのですが、▲5五銀の辺りでもう少し迫り方があったかどうかが一つのポイントだったと思います。
――第2局に向けてコメントをお願いします。
藤井 本局は苦しい時間が長い将棋になったと思うので、熱戦にできるように頑張りたいと思います。

