参拝のあと、千本鳥居まで足を伸ばし、記念撮影が行われました。本殿の背後から奥社奉拝所へと続く道に現れる千本鳥居は、世界で最も有名な日本の景観のひとつといえるでしょう。視覚的な美しさはもとより、江戸時代から現代まで続く奉納の文化が根底にあります。稲荷信仰において、鳥居は願いが通る(通った)という感謝の証として奉納されます。現在、稲荷山全体には約1万基の鳥居が林立していますが、この景観は一朝一夕に作られたものではありません。数えきれないほどの人々の祈りが、一本一本の柱に刻まれています。鳥居の裏側に回ると、奉納者の氏名と建立の年月日が記され、商売繁盛や家内安全といった願いが込められます。
鳥居に施される鮮やかな朱色は、稲荷塗と呼ばれます。大地の生命力を象徴する陽の色であり、魔除けの力があると信じられてきました。塗料には水銀(丹)が含まれ、木材の防腐剤としての役割を果たしています。この知恵が木造建築である鳥居を長年にわたって維持し、壮大な景観を守り続けてきました。
2026年1月24日 (土)


